最近、若手エンジニアの指導をしています。
その過程で、若手エンジニアの方々は、物事をうまく考えられていないなぁと思うことがあるので、どう考えればいいのか、私自身が実践していることをまとめました。
想定する読者
- 物事をうまく考えられない、まとめられない人
- 相手にうまく話を伝えられない人
- ロジカルシンキングを使えるようになりたい人
などなど
お伝えしたいこと
この文章でお伝えしたいことは、下記の6つです。
- 書き出すこと
- 深堀りすること
- 分解すること
- 抜け漏れなく探すこと
- 事実に基づくこと
- 相手の立場になって考えること
「事実に基づくこと」「相手のことを考えること」は、物事の考え方というよりかは、どちらかと言うと、相手に話すとき、相手に理解してもらうために押さえておきたいポイントです。自分の考えたことや調べたことを、他の人に話す機会が多いと思うので、加えました。
書き出すこと
- 頭の中で考えられる量は、ほんの少しなので、テキストに書き出す
- 文章にするとぱっと見でわかりにくいので、箇条書きにする
こちらは、特に解説することは無く、書いた通りです。
深堀りすること
- ある物事に対して、なんで?なんで?なんで?を繰り返すことで深堀りする
- 何となく雰囲気で思っていることが、妥当かどうかを判断することができる
- 誰かに突っ込まれたときに、受け答えをすることができる
例えば、「お金持ちになりたい!」という人がいたとして、その理由を深堀りしてみます。
- お金持ちになりたい! → (なんで?) → 働かなくて済むから
- 働かなくて済むから → (なんで働きたくないの?) → 時間を自由に使いたいから
- 時間を自由に使いたいから → (なんで時間を自由に使いたいの?) → 家族と過ごしたり、趣味に使いたいから
- 家族と過ごしたり、趣味に使いたいから → (なんで家族と過ごしたり、趣味に使いたいの?) → 家族のことが好きだし、趣味をやっていると楽しいから
ここまで深堀りできると、お金持ちになることはすぐに達成できなくても、QOL(生活の質)を上げることはできそうです。
自分の時間を増やしたいのであれば、リモートワークができる会社に転職するとか、フリーランスに転向してみるとか、あるいは、日々の時間の使い方を見直してみる、等の方法で実現できる可能性がありそうです。そうすれば、お金持ちになる前にQOLを上げることができるかもしれません。
このように深堀りしていくと、今までなんとなく想像をしていただけで、気付くことのできなかった、本当の目的とか原因などに気付くきっかけになります。
また、誰かに質問や指摘をされても、ちゃんと深く考えられているので、抜け漏れもなく、しっかりと答えることができます。
分解すること
- 大きな問題でも分解すれば、小さな問題になる
例えば、「お金持ちになりたい!」という人がいたとして、その実現方法を分解して考えてみます。
- お金持ちになりたい! → 株式投資をしてお金を増やす
- 株式投資をしてお金を増やす → 新NISAを利用する
- 新NISAを利用する → 証券会社に口座を開設する
- 証券会社に口座を開設する → どの証券会社が良いか比較検討する
「お金持ちになりたい!」という漠然とした目標が、今日にでも始められそうな小さな目標になりましたね。
「いや、ちょっと待て、考えが甘くない?」と思った方、その通り、これでは考えが甘いです。「お金持ちになる方法は1つじゃない」とか、「株が値下がりしたらどうなる?」「なぜ新NISA一択なんだ?」という疑問を持った方も多いでしょう。
その対策として、次の「抜け漏れなく探すこと」を使います。
抜け漏れなく探すこと
- できる限り、関係する要素を抜け漏れなく挙げる
抜け漏れなく探すことをMECEと呼びます。
では、例えば「お金持ちになる方法」はいくつかあると思いますが、可能性の高そうなものをなるべく多く考えてみます。
- 起業する
- 出世する
- 株式投資をする
- 宝くじを買う
- ギャンブルに賭ける
- お金持ちに話を聞く
- YouTuber になる
まだまだたくさん方法はあると思いますし、各項目をさらに深堀りすると、細かい項目が出てくると思います。
挙げた方法それぞれに対し、メリット・デメリットを合わせて書くと、どの方法を選ぶのが(一番)良いか判断しやすくなります。項目を挙げれば挙げるほど、意外な良い方法が見つかったり、想定外のケースが減ったりするので、成功する確率を上げる(失敗する確率を減らす)ことができます。
大谷翔平選手が使っていた目標達成シート(マンダラチャート)は、この「分解すること」と「抜け漏れなく探すこと」を、簡単にできるようにしたツールと言えるのではないかと思います。
事実に基づくこと
- 客観的な事実を集める
- 客観的な事実に基づかない(自分の感覚など)と説得力が無い
例えば「お金持ちになりたいなら、競馬でお金を増やすべきだ!!」と言う人がいても、多くの人は納得しないでしょう。なぜなら、多くの人は競馬でお金を増やすことは容易ではない、ことを感覚的に理解しているからです。ちなみに、公営ギャンプルの還元率を調べてみると、競馬の還元率は約75%と言われており、理論的に競馬に賭け続けると、掛け金の25%を失ってしまう計算になります。
このように、自分の感覚など客観的な事実に基づかない考えは説得力にかけますが、信用できるデータなど客観的に判断できるものがあれば、信頼性が高まります。
相手の立場になって考えること
- 相手が理解しやすいように話をする
- 相手が知らない事柄や、専門用語を使わない。使うのなら説明する
- 相手にメリットが無いと(コスパやタイパに合わないと)、動いてもらえない
例えば、小学2年生の男の子に「将来、お金持ちになりたい!どうすればいいの?」と聞かれたとき、
「NISA口座を開設して、積立NISAでオルカンを買えばいいんだよ」と教えたとしても
「にーさってなぁに?おるかんってなぁに?おいしいの?」となってしまうことでしょう。
この場合、小学2年生の男の子にでもわかるように説明する必要があります。
ビジネスにおける大原則は、相手に喜んでもらうことなので、相手の立場に立って物事を考えるのはとても大事なことだと言えます。
終わりに
今回は物事の効率的な考え方をまとめました。この方法を応用すれば、問題を解決したり、相手を説得したりすることにも使えると思います。
知っただけでは使えるようにならないので、もし「使えそうだな!」と思ってもらえたなら、積極的に活用してみたり、自分流にアレンジしたりして使ってみてください!