tz databaseのタイムゾーン名からWindowsのタイムゾーン名を検索するには

結論から言うと ICUが提供するucal_getWindowsTimeZoneIDを用いれば良い。ただし注意点として、tzdatabseのタイムゾーン名とWindowsが独自に持つタイムゾーン名は全射ではないので、やむにやまれず利用するくらいで。

#include <iostream>
#include <string>
#include <string_view>
#include <optional>
#include <icu.h>
std::pair<std::optional<std::u16string>, std::optional<UErrorCode>> getWindowsTimeZoneID(std::u16string_view inna_tz_name)
{
    UErrorCode _{};
    const auto ret = ucal_getWindowsTimeZoneID(inna_tz_name.data(), inna_tz_name.size(), nullptr, -1, &_);
    std::u16string buf;
    buf.resize(ret);
    UErrorCode ec{};
    if (const auto ret2 = ucal_getWindowsTimeZoneID(inna_tz_name.data(), inna_tz_name.size(), buf.data(), buf.size() + 1, &ec); U_FAILURE(ec) || ret2 == 0) {
        return { std::nullopt, ec };
    }
    return { buf, std::nullopt };
}
int main()
{
    std::wcout.imbue(std::locale());
    for (auto&& name : { u"America/Los_Angeles", u"Asia/Tokyo"}) {
        auto&& [val, stat] = getWindowsTimeZoneID(name);
        if (val) {
            std::wcout << reinterpret_cast<const wchar_t*>(val->c_str()) << std::endl;
        }
        if (stat) {
            std::cerr << u_errorName(*stat) << std::endl;
        }
    }
}

以下の2つのライブラリとリンクが必要である。

• icuuc.lib
• icuin.lib

https://qiita.com/x768/items/ba4059986bea178c5133

Windowsのタイムゾーン名とtz databaseのタイムゾーン名の変換は、以下の表を使うとよいが、一対一の対応になっていないことに注意。

こうすると表を自分で持たなくてもなんとかなる。

注意点

ucal_getWindowsTimeZoneIDで最後の引数に渡しているエラーコード変数へのポインタについて注意しなければならない。どういうわけかこの関数はエラーコードをセットする前に中身を読み取っている様子があるのだ。

1. 1回めの呼び出し時に油断してnullptrを渡すともれなくヌルポするからnullptrを渡してはいけない
2. 初期化されているエラーコード変数へのポインタである必要がある。エラーコードをセットする前に中身を読み取っているということは、未初期化で渡すとUBになるということである
3. 1回目と2回目で渡すエラーコード変数へのポインタは別のものでなければならない。