今年2021年の8月、「自由研究室 AIRS-Lab」というWeb上のコミュニティを設立しました。
https://www.airs-lab.jp/
コミュニティのAdvent Calendar、最後ということでWeb上のコミュティを設立した意義とコミュニティの今後の展望について書いていきます。
今後コミュニティを設立したいエンジニアなどの方にとって、何らかの参考になれば嬉しいです。
なぜコミュニティを始めたか
UdemyでAIを扱うコースを複数展開しており、現在約7.5万人の受講生がいます。
他にも企業研修や大学の講義を担当しているのですが、どうしても一方的な講義になってしまい受講生同士が交流したり創造する場に欠けていることは感じていました。
そこで、例えば大学の研究室、サークル、あるいはゼミのようなものを作れないかと思い、コミュニティの設立に至りました。
といっても、メンバーに特に義務があるわけではなく、各自が欠けているものをこのコミュニティで補えればいい、という緩いスタンスで運営しています。
これからAI(人工知能)を学びたい方、何らかのテクノロジーの専門家の方、様々な背景の方が共に学び、交流し、創造する機会を提供しています。
また、参加資格に理系・文系、学歴などは問わず、AIに関わり活動する機会を広く開放する方針です。
そして、コミュニティに心地よさを感じていただくためにも、メンバー対する誹謗中傷やマウント行為は禁じています。
メンバーが心理的安全性を保って楽しく活動できるようにする、というのも運営方針の一つです。
もう一つの設立理由は、「知能」に対する本質的な理解を深め、「汎用人工知能」へアプローチする「iLUCAプロジェクト」の開始です。
iLUCAはintelligence of Last Universal Common Ancestorの略で、研究室のメンバーは、誰でも参加することができます。
iLUCAは、なるべくシンプルかつ汎用的な人工知能の雛形を作ることが目的の、産声を上げたばかりのプロジェクトです。
LUCAとは生物の共通祖先のうち最も新しいもののことですが、このプロジェクトはAIでLUCAに相当するものを作り出すことを目的としています。
AIの専門家だけではなく、様々な背景の方の参入をお待ちしています。
使用しているサービス
コミュニティを運営するためのインフラとして、以下のサービスを使っています。
- Slack: 普段のコミュニケーション、ディスカッション用
- Zoom: 勉強会、イベント用
- Googleサイト: ウェブサイトの管理
- Googleフォーム: 参加申し込み用
- PayPal: 月額会費の徴収用
非エンジニアの方でも運営に参画できるように、なるべくノンコードでインフラを構築しました。
CAMPFIREやDMM オンラインサロンなどの既存のサービスを使うことも考えたのですが、微妙な使い勝手が方向性に合わなかったので自前で構築することにしました。
今後の展望
コミュニティを設立したのは今年2021年の8月後半なので、設立から4ヶ月経ったことになります。
メンバーの数は、運営メンバーを除いて34名まで増えました。
ソフトウェアエンジニア、特許技術者、生命科学者、脳外科医、大学教員、翻訳者、経営コンサル、土木技術者などの様々な背景の方に参加していただくことができて、とても多様性の高いコミュニティとなっています。
来年に実現したいことはいくつかありますが、例えばウェブアプリ、ネイティブアプリを手軽に公開できるインフラを整えたいと考えています。
StreamlitやFlutterなどを活用し、AIのアイディアを形にすることをサポートしていきたいです。
また、iLUCAプロジェクトのGitHubレポジトリも、徐々に整えていきたいです。
来年はメンバー数100名を目指し、コミュニティがさらに活性化するように仕組みを整えていきます。
まだ至らない点も多くありますが、これからも「自由研究室 AIRS-Lab」をぜひよろしくお願いいたします。