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世の中に出ている技術記事は基本上澄みの人が書いてるから、あんまり振り回されないように気をつけようねって話

Last updated at Posted at 2025-04-24

結論

人間の9割は(必ず自分を含めて)愚かであるという前提でいましょうねえ。

対象

焦ったり困ったりしんどかったりする人と、そういう人をチームに抱えている人へ、そしてこの素晴らしいプログラマーの世界へ。

序文

インターネット上に発信されている情報には偏りがあるものです。XやInstagramを世の中の全員がやっているわけではないように、閲覧にも、そして発信にも偏りがあります。ところが人はしばしば、それを世界の全てだと思い込みます。

発信する時点ですでに選ばれし者たちです。やる気ありありなわけです。だから偏る。
世界に広がる技術記事は、英雄論の一つなんです。
ところが世界中の人がその英雄論の中で生きているという風に見えてしまうのがインターネットの怖いところ。それらは人に学びを与えますが、時に全然関係ない焦りと誤解を与えます。
というようなことを、昨今の世の中に対して一応言っておきたいなあ、というのがこの記事の内容です。

簡単そうなものが世に広まる

世のプログラミング言語やフレームワーク・ライブラリの広まりには、合理的ではない広がり方があります。合理的というのは、例えばある案件でそれを利用する理由として最適解であるから(最適解を出すための手続きの結果出たものであるから)ということですが、別に最適解を探ってもないけど採択されていくものもある訳です。

合理的な理由がなくても古い技術は使われ続けますし、技術的負債が高くなってもPythonで書かれたきったねぇコードは息をするわけです。
で、そこでは一口で言うと『簡単だから』と『簡単そうだから』という、人間の主観的な感覚が結構動いているのだと思います。

それはそのままそういう理由として発信の前提とされることってあんまりないような気がしています。というのも、ある感覚を言語化して利点を挙げた発信があるわけなのですが、『簡単だから』はぎり合理的な言語に翻訳できても、『簡単そうだから』って言語化できない...というか合理的ではないですからね。

『簡単だから』と『簡単そうだから』は事実と感覚という意味合いで全然違っている。そして感覚の部分はやはり合理化された部分のみが記事になる。
『このように利用することで最適なコストバランスで作業できる』と合理化を探られたものと、『なんか、簡単そう』の間にはものすごい差がある。

そこには語られていない言葉があって、人の愚かさを前提にした言葉がないんじゃないかって思うわけです。

人間は、そんなに、優れてねえ!

『合理的な思想』はとても素晴らしいものです。でもはっきりとこの偏見を断言します。人間は、そんなに、優れてねえ!
人の言葉は感覚や行動に再現性を与えるために後から合理的に組み立てられたもので、感覚や行動そのものを網羅的に説明することはできない。実際の人の群れは、人はもう十歩ぐらい怠惰なわけです。

実際にそこにある現実より少し大きなものが世界を動かしているという勘違いは、誰にとっても不幸で、そして危ないことです。何故か?
どれだけ高望みしようが、人にはできることしか出来ないからです。
任天堂の岩田社長だって言っています。『やった方がいいことは、やれることの何倍も多い』みたいなことを言っていたような気がするんですけどたぶんこの文脈で出すと怒られるか

どうあるべきか?

とはいえ、勿論考えていくことを放棄するわけにはいきません。
人が最適解を探っていくべきだという基本的姿勢に僕は賛同します。
まず大事なのはコレ。

愚かしさがそこにあることを忘れない。見下さない。

パワポで直しにくくて粒度もよくわからん設計書作って
手癖でテーブル名を決めて、
オレオレディレクトリ構成を作って、
自分の感覚でテスト困難な形に関数を切り分けて、
info_dataとかいうふわっとした命名を連発して、
それで時間いっぱいになって。
その割に後輩ができたらしたり顔で教えて、わけわかんないルールなんか作ってみたりして...。

その愚かしさを忘れず、見下さないこと。

世の中の大半のプログラマーって技術記事を書きません。なんなら大して勉強もしない。コピペでしょーもないソースコード書いて、穴あきのテスト作ってなんか動いてるからデプロイして、それでお金はウン億動いて。

でも、自分もその1人なんです!
具体的に建設的に物事を言語化する能力なんてそんなになくて、理屈でぶっ叩かれたら目を回して気絶する。でも理屈を捨てるほど強くいられるわけでもないから言葉にしていく。一つ一つ。

できることをやっていく事が大事なんです。それで社会は回っています。

愚かしさは直らない。感情は共感し、合理的には仕組みを整えること。

作り上げられたある状態をできるだけ良い状態に向かわせるっていうのは、組み立てられた一本足のロボットを倒さないようにネジを緩めて改造していくようなことなわけです。
それってとんでもない作業ですよ。

自認も他認(?)も『やってないだけ』だとしても、本当は『できない』ってこと、沢山あります。
感情は常にその怠惰さに共感して良いのです。大切にしてあげて良いのです。

勿論物事をよくしていくのは大切なことです。だからいつも心に留めておかなくてはならないのは、『環境』のことです。
つまり、人よりも大きな『仕組み』を整えておくということです。

朝ごはん食べれてますか?よく寝れてますか?趣味はありますか?
チームで会話はできてますか?尊厳が尊重されてますか?好奇心は評価されますか?
『気をつけよう』でフィードバックを終わらせてませんか?前よりもより良い環境を作れていますか?

義務を履行させるために権利を担保するのではなく、幸福を追求した先により良い職務があるのだと信じられますか?そのために尊厳と権利を守りたいと思えますか?

たんぽぽに薔薇になれというのは無理ですが、綺麗なたんぽぽは咲かせられますからね(詩的表現)。

終論、締めの言葉

人間って愚かなんです。ダメなんです。
だから英雄論は信じずにやってきましょうよとか。
英雄論で動かない発信者たちの中のマイノリティこそがマジョリティで、だからイライラせずに、さりとて全部投げ出すわけでもなく、一歩一歩やっていこうよって、多分その方が関わっている人間全員が幸せになるんじゃないかなって、だからまあそういう話を、この4月という時期に乱雑な言葉でも発信しときたかったわけです。合掌。

みんな、あんまり世の中の上澄みを前提に仕事しないようにしようね。
向上心を捨てろと言ってるんじゃないからね。振り回されちゃダメだよという話でした。

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