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「丸投げ」と「任せる」の違い ー 「任された」と感じさせる指示とは?

Last updated at Posted at 2022-06-24

はじめに

上司が部下に仕事を「丸投げする」のと「任せる」のは、実はどちらも仕事をまるまる渡す点では同じです。

では、上司の何が、部下の感じ方の違いを生み出すのでしょうか?

自分なりに考えてみたので、ご笑覧ください。

部下の感じ方の違い

「丸投げされた」と感じる場合、上司に対する不満がたまります。「めんどうな仕事を投げつけられた」「自分より給料が高いのに、無責任ではないか?」といった具合です。本音はもちろん口には出せません。

一方「任せられた」仕事にはやりがいを感じ、
むしろ生き生きとするでしょう。

「丸投げされた」と感じさせる上司の3条件(OR)

仕事を「丸投げされた」と感じさせる上司は
次のいずれかの特徴をそなえていれば十分です。

1つ目は、部下と 信頼関係 ができていないことです。信頼関係ができていない上司から受ける仕事は、たとえ指示のしかたに問題がなくてもやりがいは感じにくいでしょう。

2つ目は、部下との 役割分担 が不明確であることです。上司が「楽な部分しかしていない」と感じたり、「責任を避けている」と感じたりすれば、不満はたまっていきます。

3つ目は、 指示が消極的感情 を抱かせることです。仕事の目的・目標がわからない、仕事がなぜ自分に割り当てられたのかわからない、自分の職務範囲と思えない、仕事の必要性が感じられない、仕事に興味がない、自分の成長につながりそうにない。このように感じれば不満がたまります。

「任された」と感じさせる上司の3条件(AND)

仕事を「任された」と感じさせる上司は次のすべての特徴をそなえていることが必要です。

1つ目は、部下と 信頼関係 ができていることです。技術や人間性など尊敬できる部分がある上司。部下の上回る点を日ごろから認めている上司。「いざというときに守ってくれる」と部下に感じさせる上司です。

2つ目は、部下との 役割分担 が明確であることです。

3つ目は、部下への 指示が積極的感情 を抱かせることです。

「任された」と感じさせる指示の出し方

1つ目の信頼関係は一朝一夕にはできませんが、2つ目の役割分担や3つ目の指示は言い方しだいです。そこで、任せるなら、指示や進捗確認の際に次のような言動をするのはどうでしょうか。

役割分担を明確にするための言動:

  • 調整など、その仕事のめんどうな役割や重大な役割を上司が引き受けると部下に理解させる。
  • 部下と交渉して部下が抱える他の仕事を引き取る。
  • リソース追加の必要性を部下に尋ねる。
  • 「やり方は任せる」などと任せる範囲を言明する。任せた範囲には後から口を出さない。
  • 「ほかに自分がしてあげられることはあるか」とさらなる支援を申し出る。

積極的感情を抱かせるための言動:

  • その仕事の顧客や後工程にとっての重要性(価値)を示す。
  • 自分なりに必要と想定したインプットをそろえて渡す。(吟味もせず「情報はとりにこい」「自分で探せ」といういきなりの受け身は×)。
  • 上司自身がその仕事に関与できない事情(能力不足、要領の悪さ)をすなおに認め伝える。
  • ほかではなくその部下に頼む理由を述べる。
  • 部下が興味を持っていそうな仕事を選んで渡す、そのことを訴求する。
  • 指示のメールで、上司の責任の取り方を表明する。たとえば「失敗したときは自分が~するから思い切ってやってください」と書く。(この表明は口頭よりむしろ記録に残すとなおよい)
  • 「心配事はあるか」と尋ね、リスクを共有・ヘッジ・テイクする。
  • その仕事が部下の成長にどうつながるかを訴求する。
  • 部下がその仕事を受けた(進めた)ことへの感謝を伝える。
  • 出来栄えを褒める。
  • 失敗を部下とともに振り返り励ます。

他にもアイデアがありましたら、コメント欄まで!

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