2020年のインスタグラムAPIにおける大きな変更について、過去のブログ記事から抜粋してまとめました。
2020年6月29日にインスタグラムAPIの何が変わるのか?
インスタグラムはこれまで使われてきた旧インスタグラムAPI(the Basic Permission for Instagram Legacy API)を2020年6月29日に廃止すると発表しています。これに備え以前から、新インスタグラムAPIとして、Instagram Graph API(ビジネス/クリエイターアカウントからのインサイト情報取得、ハッシュタグ等による投稿収集が可能)、Instagram Basic Display API(画像や動画など基本情報の収集が可能)が提供されており、これら新しいAPIへの切り替えを促しています。
もし皆さんがお使いのツールが旧インスタグラムAPIをベースに開発されたままだと、2020年6月30日以降、個人のインスタグラムアカウントからウェブサイトに埋め込んだ画像が表示されなくなるなどの不具合が起こってしまいます。
インスタグラムが最近発表した最も大きなAPIに関するニュースは、2019年10月にアナウンスされた、Instagram Basic Display API(基本表示API)の導入でした。これによって全てのツール(サードバーティアプリとプラグイン)が今までと同じようにインスタグラムと連携した機能を提供し続けるためには、基本表示APIのアクセス許可を取得することが必要になりました。
この導入に伴い、以下のような変更がありました。
* プライバシー保護のため画像に位置情報が含まれなくなる
* オーバーレイでのいいね!数とコメント表示はビジネスアカウントのみ可能に
* 位置情報やフォロワー数などのデータフィールドの情報は打ち切り
切り替わった2つの新APIの概要
切り替わった新API、Instagram Graph APIとInstagram Basic Display APIは、アクセスできるインスタグラムアカウントと、取得できるデータに違いがあります。
Instagram Graph APIは詳細データの取得用
Instagram Graph APIは、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントがサードパーティ開発のアプリによるアクセスを許可するためのAPIです。ハッシュタグやメンションのついた投稿の発見など、以下のようなアクションを可能にします。
* ビジネス/クリエイターアカウントの写真、動画、ストーリーズの取得と管理
* 他のビジネス/クリエイターアカウントに関する基本データの取得
* インサイトデータの取得
* ハッシュタグが付いたメディアの発見
* @メンションが付いたメディアの発見 など
Instagram Basic Display APIは基本情報の取得用
Instagram Basic Display API(Instagram基本表示API)は、インスタグラムアカウントの基本的な情報(プロフィール情報、写真、動画、アルバム)を取得することが可能になります。
このAPIはすべてのアカウントにアクセス可能ですが、基本的な情報しか取得できません。またインスタグラムビジネスアカウントやクリエイターアカウントからインサイトデータなどを取得したい場合は、Instagram Graph APIを利用する必要があります。
(補足)インスタグラムには3つのアカウントがある
インスタグラムには3つのアカウントタイプがあります。上記のようにAPIにも関係しているので、ここで一度整理しておきましょう。
■ビジネスアカウント
ビジネスアカウントでは、ストーリーズ、投稿、フォロワーに関するインサイトを利用することができ、インスタグラムをマーケティングツール活用するための機能が付与されます。
インスタグラムは近年広告やEコマースに関する新しい機能を相次いで公開していますが、それらの利用にはこのビジネスアカウントが必要なため、企業や個人事業主でビジネスを行っているユーザーはこのビジネスアカウントの利用が推奨されています。
■クリエイターアカウント
インスタグラムは、多くのフォロワーに影響を与えるいわゆる人物をプロアマ問わず「クリエイター」と呼んでいます。クリエイターアカウントに切り替えると、フォロワーの管理や数の推移を確認することができるようになったり、ビジネスアカウントとコラボレーションして投稿を広告としてインスタグラム上に表示できるブランドコラボという仕組みの利用が可能になったりします(一定数のフォロワー数がいるなどの制限があります)。
■個人用アカウント
上記二つのアカウントに該当しない一般ユーザーのアカウントです。基本的なプロフィール情報の表示や写真・動画の投稿が行えます。
新APIへの切り替えが、インスタグラムウィジェットとプラグインのユーザーに与える影響
2つの新APIのうち後に発表されたInstagram Basic Display APIの導入によって、個人用アカウントへ接続しているインスタグラム関連アプリやプラグインの多くが、インスタグラム側に再登録をする必要があります。
言い換えれば、開発者はインスタグラムからInstagram Basic Display APIを実装する許可を取得し、その後APIの要件に従い、必要な機能の調整を行うことが求められます。
つまり、許可を受けていないアプリやプラグインは、新APIに対応できないため、2020年6月30日以降正常に動作しなくなります。
その他の情報はこちらの記事をご覧ください。