最近、AWSの勉強をしていまして、先日AWS Solutions Architect Professionalに合格しました。
そこで、所感と勉強法のシェアができればと思います。
##AWS認定試験の構成
AWSが分野別に認定試験を設けており、アーキテクト、運用、デベロッパーのそれぞれの分野での
アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベルが設定されています。
赤枠内の試験を下から順に受験していきました。AWS界隈では王道の取り方のようです。
https://aws.amazon.com/jp/certification/
##勉強時間・使った教材
私はオンライン教材より紙が好みなので、書籍中心の勉強をしました。
各試験に対し、勉強時間と教材を紹介します。
####CLF(クラウドプラクティショナー)
- 勉強時間:10h程度
- 使用教材:「一夜漬け AWS認定クラウドプラクティショナー 直前対策テキスト」
- テキストの内容からほぼ出題されますので、丸覚えでも大丈夫です。
- あまり時間を掛けずにAWSの知識を証明できるので、お忙しい方はこれだけ受けるのもおすすめです。
####SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)
- 勉強時間:+40h程度
- 使用教材①:「この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト テキスト&問題集」
- 某大手コンサルが出している本のようです。
- Amazonレビューで酷評されていますが、網羅性が高く、よい本だと思います。
- SAAとSAPの範囲はあまり変わらないので、SAPの勉強をしているときにこの本に戻って理解しなおすこともありました。
- 使用教材②:「これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)」
- 問題演習に使用しました。問題集としては他に書籍も出ているので、あえてこの教材を使う必要もないかなと思いました。。
+αとして、馴染みのないサービスはBlackBeltやサミットの動画を検索して基本を身に付けました。
特にコンテナに関しては全くわからなかったので、いい機会なので動画を見て勉強しました。以下の動画はコンテナ知らない人でも理解できるので、おすすめです。
https://www.youtube.com/watch?v=L4bLDNRSYC8
####SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)
- 勉強時間:+40h程度
- 使用教材:「AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説」
- 他に日本語の教材が見つからず、書籍の中では1択でした。
- 問題を3周程度しました。
- Udemyの問題集も買いましたが、使いませんでした。SAAがしっかり勉強できていれば、この1冊で大丈夫だと思います。
##実際の問題
守秘義務もあるので、そこまで詳細には記すことができませんが、ざっくりと。
CLF、SAA、SAPで必要な基礎知識は変わりませんが、1つずつ聞かれることが深くなっていくイメージです。
- CLF:Auto Scalingとは何ですか?
- SAA:月末に処理量がスパイクするシステムをEC2インスタンス群で構成します。 高負荷に耐えられるAuto Scaling構成はどれですか?
- SAP:※下記
以下はSAPの問題の一例です。模試より抜粋しました。
あるソリューションアーキテクトは、ビッグデータアプリケーションのコストを削減する必要があります。
アプリケーション環境は、Amazon Kinesis データストリームにイベントを送信する数百のデバイスで構
成されています。各デバイスは、1 秒あたり 50 KB~450 KB のデータを送信します。シャードは、デー
タを処理してその結果を Amazon S3 に保存する AWS Lambda 関数によってポーリングされます。
毎時間、AWS Lambda 関数は結果でデータについて特異点を識別し、これを Amazon SQS キューに配
置する Amazon Athena クエリを実行します。2 つの EC2 インスタンスで構成された Amazon EC2
Auto Scaling グループはキューをモニタリングし特異点を処理する短い (約 30 秒) プロセスを実行しま
す。デバイスは、1 時間に平均 10 個の特異値を送信します。
次の中で、コスト削減に最も適切な方法は何ですか。(2 つ選択)
要件を実現不可能な選択肢が2つ、要件を実現できるが最適でない選択肢が1つ、正解が2つのイメージです。
SAPはこのテンションで75問・3時間出題され続けるので、後半は意識を失いかけながら問題を解ききりました。なかなか体力勝負です。
788点で一発合格できましたが、正直、もう一度受ける気力はありません。。
ただ、問題文は長いですが、原則を抑えていれば解けます。
「EC2よりマネージドサービス」、「できるだけ安く」、「サービス停止は最小限で」のような、選択肢同士を比較する観点を身に付ければ、(なんとか)解けるようになります。
##結論:AWSの勉強はおすすめです!
この試験の勉強の過程で、一通りAWSの体系的な知識がついたかと思います。
アプリ担当なので、直接インフラの作業やアーキテクティングを行うことは無いですが、インフラご担当と会話する前提知識として大変役に立っています。
例えば、AWSの提唱するベストプラクティスに沿っていない実装がされている場合、どうしてそのような構成なのかの見当がつくようになりました。
その方がアプリの修正量が少ない、とか、その方が安い、とか。
AWS試験はベンダ試験の中では比較的教材が揃っていて、勉強しやすいです。
100h程度の勉強でProfessionalレベルの認定が取れると考えると、コスパのいい試験と言えると思います。
比較対象はCCNPやOracle Goldかと思いますが、それよりは断然取りやすいと感じました。
AWSはしばらくはパブリッククラウドのデファクトスタンダードであり続けるかと思います。
アプリ技術者が勉強しても決して無駄にならないと思うので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか!