Terasic社の安価なインテルFPGAボード(DE10-Nano等)からFPGAの世界に入るかもしれない、FPGAの**(自粛)なツール群に慣れていない方々のために、とりあえず開発ツールのインストールまでのガイドを書いてみます。
ここでは、現時点の最新無償版である19.1 Lite Editionを前提とします。また筆者は、Windowsマシンへのインストールの場合でも、仮想環境を用意してLinux版をインストールするのが好みです。が、ここではWindows版をインストールする前提で書きます。ただし、Linux版のインストール手順もWindows版とほとんど変わりません。
なお、HLSコンパイラ(C/C++で回路モジュールを作るためのコンパイラ)を使う予定のある方は、Linux版をインストールすることを強くおすすめします。Windows版の場合、有償のVisual Studioを用意するか、色々頑張ってフリーのVitual Studio + 諸々のツール群をインストールする必要があるためです。Linux版でしたらgccを使うだけなので簡単です。
インストーラーダウンロード
以下のページからインストーラーをダウンロードします。
http://fpgasoftware.intel.com/19.1/?edition=lite&download_manager=dlm3&platform=windows
ログイン諸々を通り抜けると、以下のような画面になると思います。
このまま「一式ファイル」なるものをダウンロードしても良いのですが、恐らく一生使わないFPGAデバイスのデータも含まれていますし、今どきは皆さんSSDを使ってるでしょうからあんまり無駄なもの置きたくないですよね。ということで、私のオススメは「個別ファイル」タブから必要なものだけダウンロードすることです。以下のような設定にしてください。
DevicesのところのCyclone V以外のチェックを全て外します。
これで、「選択したファイルをダウンロード」をクリックしてダウンロードに進んでください。
ちなみに、DE10-Nano等でARMのコード開発をちゃんとやる場合は、別途SoC FPGA エンベデッド・デベロップメント・スイート(略してSoC EDS)というものが必要です。今回の記事ではインストールについては触れませんが、どぉせインストールするということでしたら一緒にダウンロードしておきましょう。ここからダウンロード出来ます。
以下のような画面になります。こちらは、特に選択肢はないので、迷うことは無いと思います。
Quartus Prime Liteのインストール
以下の3ファイルがダウンロードされたはずなので、
QuartusLiteSetup-19.1.0.670-windows.exe
cyclonev-19.1.0.670.qdz
ModelSimSetup-19.1.0.670-windows.exe
3つを同じディレクトリに置いて、QuartusLiteSetup-19.1.0.670-windows.exeを実行します。以下のウィンドウが出たら、Nextをクリック。
License Agreementのウィンドウが出るので、I acceptの方にしてNext。
インストール先の指定になるので、適当に指定してNext。特に強い好み等なければ、ここはデフォルトのままで行くことをおすすめします。マイナーな開発ツールのインストールは大人しくデフォルトのままにするのが基本!いや、変えても多分大丈夫でしょうけど。
一番重要なウィンドウです。下の絵のように、Devicesの下のCyclone Vにチェックが入っているかどうか、ModelSim - Intel FPGA Starter Editionにチェックが入っているかどうか、を必ず確認して、Next。
サマリーが出ます。結構なディスク容量(15GB程度)を要求されるので、大丈夫か(残り容量が残念なことになっていないか等)チェックしてください。
インストールが開始されます。もちろんマシンによりますが、筆者のマシン(Thinkpad T460p)では17分ほどかかりました。
途中でこんなウィンドウも出てきます。
終了すると、こんなウィンドウが出ます。このマシンで実機を接続して開発を行う場合はUSB Blaster IIのインストールも必要なので、チェックはこのままにしてFinishをクリックします。
USB Blaster IIのドライバーインストールが始まりますが、割とすぐに終わります。
最後に以下のウィンドウが出ますので、Run the Quartus Prime softwareにチェックを入れてOKをクリックします。
暫く待つと、Quartusが起動します。
まれに、Quartusが起動しないことがあります(Task Manager上にはQuartusのProcessがあるのに…)。この場合は、Task Managerで一旦Quartusのプロセスを終了させてから、再起動すると動きます。
最後に
この記事は、とある事情で書き始めたんですが、書き終わってから必要なものはこれではないということが判明してしまいましたorz
とはいえ、せっかく書いたので公開します。
あと、DE10-Nanoについては、こちらにも色々情報がまとまっていますので、参考にしてください(英語ですが)。
https://software.intel.com/en-us/terasic-de10-nano-get-started-guide