はじめに
「2023年4月に新卒入社して初めて技術カンファレンス行きました」のレポートなので、ベテラン社会人のエンジニアの皆様にはかなり常識というか拙い内容かと思いますが、温かい気持ちで読んでくださると嬉しいです。!
- この記事をおすすめしたい人
- 初めて技術カンファレンスに参加予定の人
- 「CEATEC」・「NexTech Week」に対する感想を知りたい人、特にエンターテインメント関連の技術を知りたい人向け(筆者がエンタメ技術大好きなので笑)
初めて技術カンファレンスに参加してみて
- 各技術カンファレンスの違い
- エンジニア・より技術的なことを知りたい人は「CEATEC」
- 営業職・ソリューションを求めている人は「NexTech Week」
- 技術カンファレンスを快適に回るための準備
- 名刺交換出来るようにする:たくさん名刺を持っていく、名刺の渡し方を思い出しておく(普段名刺を渡す機会がないので。。)
- クリアファイル&手持ちの小さい袋を持っていく:たくさん資料をもらうのでこれらを持っていると資料が散乱せず楽、ブースによってはノベルティとして配っているので最初にゲットするのもありかも!
- 全体を通しての感想
- 聴講やブース展示の閲覧を通じて大量のインプットが得られた
- 1日で大量のインプットをしたことで共通・関連項が見えてきて、この技術を使った先に何が出来るのか、どういう未来が来るのかを深く思考する機会にもなった
- 所属企業の一社員という目線で見られるため、社外の人は会社のことは知っている前提で話しかけてくる、そのため会社の動向は普段からある程度キャッチアップして理解しておこうということを改めて意識した
以下、詳細な参加レポートです。
CEATEC
カンファレンス概要
- 日時:2023年10月17日(火)〜20日(金)
- 場所:幕張メッセ
- 出展者数:684社
- 来場者数:89,047人
- テーマ:5つの「次世代」
- 次世代の社会を実現するデジタル田園都市
- 次世代を技術で支えるテクノロジーデバイス
- 次世代の社会を担う人材の育成・支援
- 次世代のカギを握るスタートアップと大学研究機関を応援
- 次世代につながる地球に配慮した持続可能な展示会へ
参加したブースの紹介
FUTTE-ME
- WHAT?
- アーティストの動きをリアルタイムで舞台演出に反映する新しいエンターテイメントデバイス!
- HOW?
- センサーデバイスから収集したデータをソフトウェアで分析、その分析結果をもとにソフトウェアが舞台演出装置を制御して演出が変化
- センサーデバイス:スマートウォッチのような形状、ジャイロセンサー(XYZ軸&加速度)で動きを感知
- 舞台演出装置:ライト・スピーカー・映像モニター等さまざまな装置と接続して演出を変更可能、人間の動きに合わせて音楽のテンポ・音像の位置を変化させたり、ライトの向きを動かしたり
- センサーデバイスから収集したデータをソフトウェアで分析、その分析結果をもとにソフトウェアが舞台演出装置を制御して演出が変化
- 感想・今後の展望
- 「DEGITAL BEYOND」:この展示のテーマである「デジタル制御を超えて、人間にデジタル演出が合わせる」という考え方が、今後のエンタメの主流になって欲しいなと思っています。昨今デジタル演出が増えてきていますが、現状は予め組まれた演出に人間が合わせに行く場合がほとんど。演出に合わせて精緻に動くアーティストの皆さんのパフォーマンスはもちろん素晴らしい一方で、そこに集約してしまうと「人間の魅力」が失われてしまう気がします。日々、毎公演、その瞬間に生まれた感情やお客さんからのレスポンスに応じてパフォーマンスが変化する、そんなナマモノの「人間らしさ」とデジタル演出が共存するには、デジタル演出が人間側に合わせていくことという思考が大事だと思います。人間の自由な創造に、デジタル技術による高度な演出が組み合わさって、もう一段上のエンタメが実現してほしい。
- ライブ空間の共創:アーティスト個人だけでなく、お客さんもデバイスを装着して、一緒に演出を作り出していく体験を実現したい。その実現に向けて、センサーデバイスは複数人接続も可能である一方、恐らく課題になるのが通信面かなと思います。最近はデジタルチケットも増えており、よくコンサートに参戦する筆者も使用しますが、ドームのような大きい会場ではなかなかチケットが読み込めないという事態にも直面します。「入場」という分散して通信を使用する場合でもこの状態なので、みんなが一斉に演出するとなるとまだ実用化は厳しいのかなと感じてしまう部分がありました。ここは、低遅延・他接続の「5G」を活用して実現に繋げられたらいいなと思う部分です。
NexTech Week
カンファレンス概要
- 日時:2023年10月23日(水)〜25日(金)
- 場所:幕張メッセ
- 出展者数:307社
- 来場者数:29,593人
- テーマ
- AI・人工知能
- ブロックチェーン
- 量子コンピューティング
- デジタル人材育成支援
参加したセッションの紹介
人間拡張技術と産業・社会・人類の未来
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講演内容と学び
- バーチャルエコノミーの拡大に向けて
- インターバース(interverse):ユニバース(現実)とメタバース(仮想)の間を意味する概念
- 価値拡張:バーチャルへ価値を移行するのではなく、価値を拡張することで最終的に実空間に価値を出すことを目指す
- インターバースサービスの実現: 持続可能な形にするためには、人間拡張技術をビジネスに結びつける必要がある
- 人間拡張技術例
- E-Mask:フレキシブルセンサデバイス(繊維素材に印刷可能な歪ゲージセンサ)を使用したマスク型の読唇デバイス、マスクの歪と口の動きをCNNで学習して単語を推定出来るようになっているため声を失った人が口パクで声を取り戻せるようになる未来が来るかも
- 拡張筋肉とプロテウス効果(アバターの見た目がユーザの能力に影響する効果)を利用した力の増幅技術
- 介護支援:IoT化された介護機器からデータを収集・蓄積し、それらのデータを分析した結果を元に介護内容を変化させる
- ex)使用者がIoT杖を押す力をデータとして収集→押す力が強化されていることをデータから確認→筋力が増えているのではと分析→IoT杖の補助機能を軽減する→介護サービスの質向上と効率化
- バーチャルエコノミーの拡大に向けて
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感想・今後の展望
- 「価値拡張」の重要性:コロナ禍に広がったオンラインイベントも、制限緩和と共にリアル開催に戻りつつある今。「リアル体験の代わりとしてのバーチャル」のような「価値移行」の体験では、結局なんか物足りなくてリアルには敵わないよねという意見にまとまり、メタバースがユニバースに負けてしまう場合が多いのを実感しています。もちろん、リアルではできないような近距離の体験や想像性溢れるステージをバーチャルでは実現出来るのも事実。いかにそうした強みを活かせるか、さらには制約も個性として活用できるか、そんな新たな価値への拡張が成功を左右する鍵だと改めて認識しました。ちょうど直近でXR系のシステムを作る機会があるので、今回学んだ価値拡張という観点を大事にどんなシステムにするかを考えていきたいと思います。
おわりに
「全体を通しての感想」にも記述した通り、「インプット→思考」という面で非常に収穫の多い時間でした!この先に、思考したものを実現に近づけるアウトプットまで取り組むことで、学びを価値に昇格させていきます。
また、来年もぜひ参加して、インプット〜アウトプットのサイクルを充実させていきたいと思います。
最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました!