経緯
現場でWSFCを構築した時にWSFCのコマンドをいくつか使用した
WSFCのコマンドは公式のpowershellのコマンド一覧のページに載っているが、英語版しかない
和訳されているページはWindows Server 2012の情報で止まっているため
Windows Server 2012 を起点として Windows Server 2022 までに追加されたコマンドと廃止されたコマンドを一覧化してみました。
そもそもWSFC(MSFC)とは
簡単にWSFCについて説明します。
WSFC(Windows Server Failover Cluster)とはWindows Serverの備わっている機能の一つで、
複数台のWindows Serverを束ねて1つのサーバとして構築が行えます。
2003年に終了したMSCS(Microsoft Cluster Service)の 後継機能のため、
MSFC(Microsoft Failover Cluster)と呼ばれることもあります。
機能の詳細や構築方法については公式サイトに記載があります。
廃止コマンド
WindowsServer2022までに廃止されたコマンドは下記の通りです。
どれもWindowsServer 2016に廃止されています。
・Repair-ClusterSharedVolume
・Add-ClusterPrintServerRole
・Add-ClusterServerRole
新規追加コマンド
WindowsServer2022までに追加されたコマンドは下記のとおりです。
簡単な使用用途と、追加された時期について記載します。
項番 | コマンドレット(エイリアス) | 内容 | 追加時期 |
---|---|---|---|
1 | Add-ClusterGroupSetDependency | クラスター セットに依存関係を追加 | Windows Server 2016から追加 |
2 | Add-ClusterGroupToSet | グループをセットに追加 | Windows Server 2016から追加 |
3 | Disable-ClusterStorageSpacesDirect | S2D の無効化 | Windows Server 2016から追加 |
4 | Enable-ClusterStorageSpacesDirect | フェールオーバー クラスターでS2Dを有効化 | Windows Server 2016から追加 |
5 | Get-ClusterDiagnosticInfo | VM を含むクラスターの診断を取得し、データを含む zip ファイルを生作成 | Windows Server 2016から追加 |
6 | Get-ClusterFaultDomain | クラスター内のクラスター障害ドメインを取得 | Windows Server 2016から追加 |
7 | Get-ClusterFaultDomainXML | フォールト ドメインを XML 文字列として取得 | Windows Server 2016から追加 |
8 | Get-ClusterGroupSet | クラスター内のグループ セットを取得 | Windows Server 2016から追加 |
9 | Get-ClusterGroupSetDependency | 依存関係に基づいてクラスター グループ セットを取得 | Windows Server 2016から追加 |
10 | Get-ClusterStorageSpacesDirect | クラスターから S2D 設定を取得 | Windows Server 2016から追加 |
11 | New-ClusterFaultDomain | クラスター内にフォールト ドメインを作成 | Windows Server 2016から追加 |
12 | New-ClusterGroupSet | クラスタ内にグループの名前セットを作成 | Windows Server 2016から追加 |
13 | New-ClusterNameAccount | Active Directory ドメイン サービスにクラスター名アカウントを作成 | Windows Server 2016から追加 |
14 | Remove-ClusterFaultDomain | フォールト ドメインを削除 | Windows Server 2016から追加 |
15 | Remove-ClusterGroupFromSet | セットからグループを削除 | Windows Server 2016から追加 |
16 | Remove-ClusterGroupSet | クラスタからグループ セットを削除 | Windows Server 2016から追加 |
17 | Remove-ClusterGroupSetDependency | グループ セットから依存関係を削除 | Windows Server 2016から追加 |
18 | Repair-ClusterStorageSpacesDirect | S2Dシステムのディスクを修復 | Windows Server 2016から追加 |
19 | Set-ClusterFaultDomain | 既存のクラスター フォールト ドメインの更新 | Windows Server 2016から追加 |
20 | Set-ClusterFaultDomainXML | XML を使用してクラスター フォールト ドメインを設定 | Windows Server 2016から追加 |
21 | Set-ClusterGroupSet | クラスタからグループ セットを更新 | Windows Server 2016から追加 |
22 | Set-ClusterStorageSpacesDirect | S2D キャッシュ パラメータを設定 | Windows Server 2016から追加 |
23 | Set-ClusterStorageSpacesDirectDisk | S2D が特定の物理ディスクを要求する、または要求しないようにシステムを構成します。 | Windows Server 2016から追加 |
24 | Update-ClusterFunctionalLevel | S2D が特定の物理ディスクを要求する、または要求しないようにシステムを構成 | Windows Server 2016から追加 |
25 | Get-ClusterSharedVolumeState | クラスター内のクラスター共有ボリュームの状態を取得 | Windows Server 2012R2から追加 |
S2D(Storage Spaces Direct)とは
WIndowsServer2016 から備わった機能で、記憶域スペースダイレクトとも呼ばる。
通常共有ディスク型のクラスタ構成は複数台のサーバがアクセスできる領域を別途用意して構築するが、
この機能を使用するとサーバ内のローカルディスクを共有ディスクのように見せることができる
記憶域スペース ダイレクトの概要
まとめ
あまりコマンドは変わっていないという話を聞いており
増えていても10個程度だろうと思っていたがそんなことはなかった。
下記参考サイトに記載したkogelogさんのようにオプションもすべて網羅したものにしたかったが
別の機会に行えればと思います。
参考サイト
Windows2012から使用可能なコマンドは下記サイトが大変参考になります。
基本のコマンド網羅されています。
Windows Server2022 poweshell コマンド一覧