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IoTビジネス共創ラボ 第24回勉強会 in 神戸 参加レポート

Last updated at Posted at 2023-12-15

IoTビジネス共創ラボ 第24回勉強会 in 神戸

2023/12/12(火)にMicrosoft AI Co-Innovation Lab Kobeで開催されたIoTビジネス共創ラボ 第24回勉強会の参加レポートです。参加できなかった方に雰囲気だけでも伝わればと思います。

Microsoft AI Co-Innovation Lab 見学会

日本マイクロソフト株式会社 Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe 所長 平井 健裕さんによるラボの見学会。スペースの利用の他、プロジェクトの申請が通ると、実際にラボに来て、サポートを受けながらの開発も出来るとのこと。とてもきれいな会場でした。

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Microsoft AI Co-Innovation Lab 説明会

日本マイクロソフト株式会社の平井さんから、こちらの施設と目的についての紹介がありました。

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専任技術者によるパーソナライズされた1対1の対応が可能で、顧客がやりたいことをヒアリングして、それに対して、どういったやり方が良いのかを共に考えてくれるそうです。現在は、グローバルで6か所に展開しており、日本は神戸に開設したとのこと。ラボを使って開発してもらって、その開発されたものもまた顧客が持って帰ることが出来るようになっており、アイデアからマーケットまでのプロジェクトを加速することを目的としているそうです。また、ラボ間でリソースを共有することで、グローバルの人材の支援も受けながら、プロジェクトを回すことが出来ます。
スタイルとしては、スプリントスタイルをとっており、「探索する/実証する/製作する」のそれぞれのフェーズにおいて、期間を区切り回すそうです。

プロジェクトの参加条件としては、エンジニアの参加であったり、リーダー層の承認であったり、参加前にもしっかりサービスインを目的に出来るような条件は整っていそうでした。ラボでの成果は全て顧客にすることで、今後のビジネスを加速することを狙っており、ラボでの成果は100%顧客に帰属し、マイクロソフトに権利は発生しないそうです。

プログラムへの参加は、WEBサイトから申し込みが必要となり、審査・承認がされるとプロジェクト開始だそうです。
ラボでの支援は5日間ですが、その5日間を有意義に過ごす為に、何度かヒアリングや打合せ・必要な事前学習なども手厚く支援してもらってからの5日間のようです。パートナーと一緒に開発することも可能とのことですが、マーケットインまでを見据えたパートナー体制が望ましいとのことです。現在、多くの企業が参加のフェーズということで、希望する企業は早めに申し込みをして欲しいとのことでした。


ソニーがエッジAIセンシング プラットフォームで実現する社会

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の箭内さんからの、エッジAIセンシングプラットフォームであるAITRIOSの説明。今回は、残念ながらオンライン登壇となったそうです。

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多様な面を持つソニーグループの中でソニーセミコンダクターソリューションズの役割を説明し、ソニーが得意にしているイメージング領域でのビジョンや方向性をビデオを交えて、紹介してくれました。イメージング&センシングのテクノロジーで世の中をもっとワクワクさせる社会を目指しているとのこと。

AIカメラの分野においては、従来型のカメラソリューションでは、容量の大きな画像を扱う為、クラウド負荷、通信データ量、消費電力などで様々な課題があり、エッジ側デバイスで完結されることでこれらの課題への対応を実施していくとのこと。AITRIOSは、エッジビジョンAIをシンプルにするプラットフォームであり、AITRIOSを支える1つの技術としてインテリジェントビジョンセンサ(IMX500)が紹介されていました。手のひらサイズの小型カメラが特徴です。AITRIOSを活用することで、様々な分野での生産性向上を支援することが可能となり、実際に実証を行っている例を具体的に紹介してくれました。

  • 駐車場でのナンバープレート検知・車室検知
  • 商品棚自動検知とデータ活用:プライバシーに配慮した検出が可能(ローソンとの実証実験)
  • 倉庫の空き棚スペースの検知
  • 製造設備の総合設備効率の測定
  • 物流倉庫向けサービス提供を開始:ドライバーの作業負荷低減に貢献

また、NECとの共同実験や、Raspberry Pi Ltd.に出資など多様な展開も見据えているそうです。


Azureに繋がるということ THEO 1.0 から 2.0へ

株式会社ユーハイムの河本さんが、AIバームクーヘンの取り組みについて説明してくれました。

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創業100年以上になる洋菓子を提供する会社で、プロジェクトのきっかけとしては、南アフリカのスラム街でのでお菓子を食べられるようにしたいという想いからだそうです。

最初はハンドキャリーで持っていたが、スラム街の文化的な要素もあり、そもそもそういったことが難しいということが分かり、そこに住んでいる彼らがやるにはどうしたら良いのかという点に着目したそうです。

初めに「どうやって南アフリカに持っていくのか?」ということを考えたときに、当初は遠隔操作でのロボット制御なども検討し、試作したが、遅延の問題や職人の0.5秒ぐらいの焼き加減のこだわり、高温での焼き加減など、遠隔操作の場合は遅延がネックになり、実現出来ないと判断したそうです。バウムクーヘンは繰り返し繰り返し焼く作業であり、1層1層気を使いながら焼いている為、なんとか職人のこだわりを活かすことがプロジェクトの成功には大切だったそうです。

それからも、バウムクーヘンにおけるAIの活用は検討を進め、バウムクーヘンを焼く作業がAIを相性が良いことが少しずつ見えてきたそうです。AIを活用しながら焼き加減などの解析を行うことで、職人自身がお菓子をもっと美味しくするにはどうしたらいいか?を考えるキッカケにもなり、それが上手く回っていたそうです。お菓子を美味しくするのは職人であるが、AIがそれをサポートする。AIは職人の一番弟子であるとのことでした。

一方、職人としては、やはり、焼き加減などのノウハウのデータは自分のものという意識は当たり前にあり、レシピの著作権を考えるようになったとのことで、しっかりルールメイキングを行った上での、データ活用が大切だったそうです。

AIはそれそのものを活用するだけではなく、いまやっていることのパラダイムシフトの可能性があるとのこと。バウムクーヘンの製造も従来は「大量生産・遠距離物流」だったのもが、「分散生産」が出来ないかということも考えているそうで、現在は、株式会社ユーハイム以外の会社でも約40台が稼働しているとのこと。


IoTビジネス共創ラボとは

東京エレクトロンデバイスの西脇さんが、IoTビジネス共創ラボについての説明がありました。休憩明け1番に、このコミュニティについての説明です!

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関西IoTビジネス共創ラボ

関西IoTビジネス共創ラボの幹事企業である株式会社神戸デジタル・ラボの柏原さんからの挨拶です。

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関西IoTビジネス共創ラボ① AI研究の機材貸与について

旭光電機株式会社の和田さんから、デモスペースにも展示されている無料貸与のデバイスについて説明がありました。

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デバイスと組み合わせによって、Azureの活用の幅が広がり、お客さんがやりたいことの幅が広がるとのことでした。デモスペースにも展示されていた無料貸与の製品群などを説明していました。


関西IoTビジネス共創ラボ② TUNEGRIDのスポーツテクノロジーが提供する新しいパラダイム

株式会社神戸デジタル・ラボの中西さんから、TUNEGRIDの取り組みについての説明がありました。

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TUNEGRIDは、神戸デジタルラボがアシックス社と共同開発している、アスリート分析のための革新的な技術とのこと。TUNEGRID-Cubeという小型のデバイスを使って、「いつ、どこで、誰が、どこで歩いたか」をリアルタイムで把握できるそうです。これにより、アスリートのパフォーマンスや健康状態を最適化することができるそうです。

TUNEGRIDは、健康促進やスポーツだけでなく、様々なシーンでの活用が可能で、みまもりや防災などの安全管理にも役に立てられる可能性があるそうです。また、JAXAの研究提案募集に応募して、宇宙空間での物品管理効率化にも貢献しようという取り組みや、さらに、仙台市・ミヤックス・EBILABと協力して、公園遊具の使用状況や頻度を可視化するプロジェクトも進めているそうです。

TUNEGRIDは、プロスポーツだけではなく、幅広い分野での実証を進めている、神戸デジタルラボの取り組みの一つで、TUNEGRIDを通じて、人々の生活をより豊かにするために、常に新しい挑戦を続けているとのことでした。


Microsoft Ignite 2023 リキャップ

日本マイクロソフト株式会社の大川さんより、大川さん視点で面白いと思ったポイントを20分で紹介がありました。

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  • Azure Boost:データセンター内のワークロードを高速化するためのハイブリッド クラウド ソリューション

  • Azure Cobalt:Microsoftが開発したARMベースのCPUで、高いパフォーマンスと省電力を実現

  • Azure Maia:AIのアクセラレーションチップで、高速な推論と学習を可能にする

  • Azure OpenAI Service:OpenAIの高度な言語モデルにアクセスできるサービスで、自然言語による質疑応答や翻訳、コードの生成、画像の生成などができる

  • Azure AI Content Safety:AIの入出力双方で、有害なコンテンツを検出して軽減できるサービスで、コンテンツ フィルターにより重大度の高いコンテンツを除外できる

  • Azure AI Studio:生成 AI ソリューションとカスタム コパイロットを構築、評価、デプロイするためのオールインワン AI プラットフォームで、責任ある AI プラクティスに根付いた最先端の AI ツールと ML モデルを使用できる

  • パーソナル音声(プレビュー):自分の声に近い音声を合成しておいて、コミュニケーションに使うことができる機能

  • Microsoft Fabric(GA):データ移動からデータサイエンス、リアルタイム分析、ビジネスインテリジェンスまでのすべてをカバーするオールインワン分析ソリューションで、ミラーリング機能やAzure以外のデータレイクにも対応予定


Azure IoT Operations 概要

日本マイクロソフト株式会社の福原さんより、Azure IoT Operationsについての説明がありました。昨日までスライドが60枚以上あったそうですが、なんとか少し削りながら説明してくれました。

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アダプティブ クラウド アプローチとは、Azure Arc を利用して、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、エッジの環境で Azure のサービスを展開し、管理することだそうです。

Azure IoT Operations は、アダプティブ クラウド アプローチの一環として、Azure Arc で有効化されたエッジ Kubernetes クラスター上で動作するデータサービスのセットです。Azure IoT Operations を使用すると、さまざまなデータソースからデータを取得し、エッジで処理し、クラウドに送信することができます。また、Microsoft Fabric などのデータモデリング アプリケーションと統合できるとのことでした。

Arc Jumpstart は、Azure Arc の環境を簡単に構築できるプロジェクトです。Arc Jumpstart には、Arc で有効化されたサーバー、Arc で有効化された Kubernetes など、さまざまなシナリオが用意されており、自動化されたデプロイメントと詳細なガイドが提供されるそうです。

また、Microsoft Copilot for Azure も発表されており、自然言語で質問したり、目標を表現したりできるそうです。Copilot は、大規模言語モデル、Azure コントロール プレーン、Azure 環境に関する分析情報をもとに、回答やクエリの生成、タスクの実行、コスト削減の提案などを行います。Microsoft Copilot for Azure はまだプレビュー版であり、不安定な場合がありますが、アクセス権を申請すれば使用できるそうです。


Azure Arc Jumpstart のサイトはこちら

生成AI時代におけるマルチモーダルAI技術の展望

株式会社ACESの與島さんより、生成AI時代におけるマルチモーダルAI技術の展望についてのプレゼンがありました。

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株式会社ACESは、東京大学の松尾研究室のメンバーが中心となって創業した、動画像・音声・言語などの解析技術をビジネスに活用する企業だそうです。コミュニケーション情報の可視化、車両・運転情報の解析、人の行動・属性情報の解析などが技術の強みとのことで、カメラ映像の解析から、属性別需要予測や建設・製造の安全管理、車両状態の検出などもおこなえるそうです。また、人がちょっとつまづく様子やふらついている様子などのあいまいな状態も、判断できる技術を開発しているそうです。構造化されている分かりやすいデータだけではなく、非構造化データなどもマルチモーダルに分析する強みを持つ株式会社ACESのプレゼンでした。


モビリティ産業を支えるテクノロジーと才能が集まる自動運転レース選手権

Virtual Motorsport Labの山下さんより、自動運転テクノロジーを競うe-Sportレースプラットフォームを作りたいとの想いを込めた説明。

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Virtual Motorsport Labは、自動運転のレースを作りたいという想いから起業した、e-Sportレースプラットフォームを提供する会社だそうです。バーチャル空間で自動運転テクノロジーを競い合いながら、AIやモビリティに関する学習コンテンツも提供しているとのこと。基本コードが準備されており、パラメータを変更するだけで、クルマの挙動を変えることが可能で、WEBブラウザで開発できるので、初心者でも参加しやすいそうです。また、セミナーやワークショップ、中高生大会などを通して、未来のモビリティ人材の発掘と育成に貢献していきたいと話していました。Virtual Motorsport Labは、走る実験室として、自動運転の可能性を広げていくとのことです。


その他

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