GraphAIでチャットボットを作ってみた

1. 基本構成と概要

GraphAIを使用したチャットボットの実装例を詳しく解説します。このチャットボットは、ユーザーとの対話を継続的に行い、"/bye"というコマンドで終了する基本的な対話システムです。

1.1 実装コード

version: 0.5
loop:
  while: :continue
nodes:
  continue:
    value: true
    update: :checkInput
  
  messages:
    value:
      - role: system
        content: You are a friendly and helpful assistant.
    update: :llm.messages
    isResult: true
  
  userInput:
    agent: textInputAgent
    params:
      message: "You: "
      required: true
  
  checkInput:
    agent: compareAgent
    inputs:
      array:
        - :userInput.text
        - "!="
        - /bye
  
  llm:
    agent: openAIAgent
    params:
      model: gpt-4o
    inputs:
      messages: :messages
      prompt: :userInput.text
  
  output:
    agent: stringTemplateAgent
    console:
      after: true
    inputs:
      text: "Assistant: ${:llm.text}"

2. コアコンポーネントの解説

2.1 ループ制御システム

version: 0.5
loop:
  while: :continue

nodes:
  continue:
    value: true
    update: :checkInput

• loop構造が対話の継続を制御
• continueノードが状態管理を担当
• checkInputの結果に基づいて更新される

checkInputがtrueである限り、チャットは継続されます。checkInputの条件はarrayで定義されています。

• ユーザーの入力(:userInput.text)
• 入力との比較（!=）
• ユーザーの入力と比較する値

つまり/byeをユーザーが入力するとチャットが終了します。

2.2 メッセージ管理システム

messages:
    value:
      - role: system
        content: You are a friendly and helpful assistant.
    update: :llm.messages
    isResult: true

• 会話履歴の保持と更新を担当
• システムプロンプトを初期値として設定
• update: :llm.messagesの役割:
  1. llmノードから返されるmessagesプロパティで更新
  2. これには現在の会話履歴に新しい対話（ユーザーの入力とアシスタントの応答）が追加されたものが含まれる
  3. 次のループでこの更新された履歴が使用される
• isResult: trueでそのノードが最終的な結果を出力するノードであることを示す

2.3 メッセージ更新の流れ

1. 初期状態: システムプロンプトのみ含む
2. ユーザー入力後:

   messages:
     - role: system
       content: You are a friendly and helpful assistant.
     - role: user
       content: [ユーザーの入力]
   

3. LLM応答後:

   messages:
     - role: system
       content: You are a friendly and helpful assistant.
     - role: user
       content: [ユーザーの入力]
     - role: assistant
       content: [AIの応答]
   

4. この更新された配列が次のループで使用され、文脈を維持

3. エージェントシステムの詳細

3.1 ユーザー入力エージェント

userInput:
  agent: textInputAgent
  params:
    message: "You: "
    required: true

• textInputAgent: コンソールからの入力を処理
• 必須入力パラメータを設定
• プロンプトとして "You: "を表示

3.2 入力チェックエージェント

checkInput:
  agent: compareAgent
  inputs:
    array:
      - :userInput.text
      - "!="
      - /bye

• 終了コマンド("/bye")の検出を担当
• 比較結果に基づいてループ継続を判断

3.3 言語モデルエージェント

llm:
  agent: openAIAgent
  params:
    model: gpt-4o
  inputs:
    messages: :messages
    prompt: :userInput.text

• GPT-4を使用して応答を生成
• 会話履歴と現在の入力を考慮

3.4 出力フォーマットエージェント

output:
  agent: stringTemplateAgent
  console:
    after: true
  inputs:
    text: "Assistant: ${:llm.text}"

• 応答テキストの整形を担当
• コンソール出力のタイミング制御
• 今回は応答のフォーマットを定義

4. 実行フローの説明

4.1 初期化フェーズ

1. continueノードがtrueに初期化
2. messagesノードがシステムプロンプトで初期化
3. チャットループの開始準備完了

4.2 対話ループフェーズ

1. ユーザー入力の受付

   • textInputAgentがプロンプトを表示
   • ユーザーからの入力を待機

2. 入力の処理

   • checkInputノードで終了コマンドをチェック
   • 入力が"/bye"でない場合、処理を継続

3. LLM処理

   • openAIAgentが会話履歴と現在の入力を処理
   • 適切な応答を生成

4. 出力処理

   • stringTemplateAgentが応答をフォーマット
   • コンソールに整形された応答を表示

5. 状態更新

   • messagesノードの履歴を更新
   • 次のループの準備

4.3 終了フェーズ

1. ユーザーが"/bye"を入力
2. checkInputがfalseを返す
3. continueノードが更新されfalseに
4. ループが終了

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