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はじめに

私は日常において本を読む機会がほぼありませんでした。技術書はおろか、小説や短編集を読むことにすら苦手意識があり、少し前に「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という本が話題になりましたが、興味本位で購入した挙句、この本自体を積み本にしてしまっていたほどです。(お恥ずかしい限りです...)

そんな読書に対して苦手意識全開だった私が、今では毎日欠かさず読書をするようになった 「歯みがき化」 という考え方についてご紹介します。

注意
この記事は「読書」という行為そのものにフォーカスを当てた記事であり、おすすめの技術書や感想についての記事ではありません。また、この考え方は「読書を習慣化」するものであり、「読書が好きになる」ものではありません。

なぜ習慣化できないのか

私はそもそもなぜ読書をしないのか、なぜ苦手意識を持っているのか。その原因を深掘ってみたところ、以下が思い当たりました。

とにかくつらいから

そもそも読書がそれほど好きではないです。嫌いと言っても差し支えないほどです。会社から帰ってきてから就寝までの限られた時間を、そんなに好きでもない読書に捻出することは苦痛以外のなにものでもないと思っていました。

image.png

直近で必要だと思っていないから

直近で活用することが確定している知識に関する資料(技術書、公式ドキュメントなど)は、切迫感からか比較的読むことができるのですが、そうではない他の分野の技術書や、そもそも業務と関係のない小説などに関しては緊急度が低いと判断し、ずるずると読む機会を後ろ倒しにしているなと思いました。

読書をしないことに対する危機感がないから

上記に加え、『食事や睡眠と違って、読書をしなかったところで死ぬわけじゃあるまいし...』という気持ちが強かったです。実際に『読書しておけばよかった』と思ったことがなかったのもあると思います。また、Amazonプライムビデオで映画を見たり、Apple Musicで音楽を聴くことは片手間でできることもあってか好きであったため、プライベートでのコミュニケーションで自分だけ話題についていけなくなるということもありませんでした。

自己内省

AI技術が発達した2024年において、エンジニアがこれから必要とされている働き方、それに対する個々のロードマップについて考え直す機会があり、それに合わせて、自分の読書に対する考え方、スタンスも見つめ直すことにしました。

読書をしなくなると、長文が読めなくなる

以前から『人と比べて長文を読み解くのが少し遅いかも』という自覚は少しありました。
昨今、Qiita以外だと本や新聞などでしか長文読解を必要とする機会がないのかなと思います。
そういった機会が失われていくと、徐々に長文に対する耐性がなくなります。業務においても、公式ドキュメントやエラー文、技術記事を読み解くのに時間がかかるようになり、結果として対応コストが増加してしまいます。
最悪、読書ができないとしても長文を読み解く力は保持し続けるべきです。

読書やインプットしなくても死なないけど、エンジニアとしては死ぬ

知識のインプットをせず安定した環境に胡座をかき続けるということは、緩やかにエンジニアとしての市場価値を落とし続ける、いわば自分の首を締める行為です。これからもエンジニアという職種で戦っていく限り、コンフォートゾーンからの離脱、パニックゾーンとの対峙は避けて通れません。パニックゾーンと対峙した際のインパクトを少しでも減らす手法として有効なのがあらかじめ知識を蓄えておくことや、登場する知識をインプットしやすくなる状態を作っておくことだと思いますが、技術書が読めない、今必要ないから読もうともしないというスタンスはそんなエンジニア全体の動きと相反しているということに気がつきました。
『読書しておけばよかった』はともかく、『インプットしておけばよかった』と思う瞬間は遅かれ早かれやってきます。

悪い...やっぱ辛ぇわ...

とはいえ嫌いなものは嫌いです。無理やり好きになることは非常に難しく、かといって先述の考えにより蔑ろにするわけにもいかなくなりました。理想としては日常における読書を好きとか嫌いは差し置いて、それをしないと危機感を感じる、ずっと頭に残る存在とすることなのですが...

💡

それって

好きとか嫌いは差し置いて、それをしないと危機感を感じる、ずっと頭に残る存在は身近にあり、それが日常に溶け込んでいることに気付きました。それこそが歯みがきです。
歯みがきに好きも嫌いもありません。(時間帯や道具へのこだわりはそれぞれあるとは思いますが...)どう思っていようがしなければならないものだからです。
その義務感は強く、うっかり歯みがきをせずに布団へ潜り込むと「なんかすごいモヤモヤする...あっ、歯みがきしてないからか」と飛び起きるほどです。
そこで私は、読書においてもこの歯みがきと同様の位置付けにしてしまおうと思いつき、その試みを 「歯みがき化」 と呼ぶことにしました。

hamigaki.png

歯みがき化に向けて行なったアプローチ

まずは「読書は寝る前までにしておくもの」という意識を持つ

まずこの意識を持つようにしました。もっというと、歯みがきを怠ると健康な歯ではいられなくなるように、読書を怠るとエンジニアではいられなくなるという危機感を持つようにしました。『本を読まなきゃ!』という意識がなければいつまで経っても行動に移すことができません。

少しでも机に向かう時間を作る

『本を読まなきゃ!』という決心がついたら、今度は決心してから実際に行動に起こすまでの腰が重すぎるという壁が待ち構えています。最初は技術書や小説でなくても、マンガ、デザイン本、エッセイでもなんでも良いので、とにかく机に向かって本を読む時間を作ることにし、まずは机に向かう難易度を下げるところから始めていき、慣れてきたところで徐々に読む本の内容におけるウェイトを上げていきました。

質や量は一旦置いておいて、とにかく継続する

飲み会があろうと、残業があろうと、必ず歯みがきをしてから寝るように、していない人はしてください読書においても同じ考え方にするため、何があろうと寝る前までの読書を継続していました。正直めちゃくちゃしんどいなと思う日もありましたが、無理をしてでも毎日続けることによって、少しずつではありますが読書が習慣として身についてきているなという実感が持てました。

そのときは急に訪れる

ある日、読書をうっかり忘れて布団に入った際、妙なモヤモヤ感に襲われ、それが読書をしていないことから来るものだと気づきました。この感覚をつかむことができたということは「歯みがき化」に成功したと言って良いと思います。

futon.png

まとめ

今回は、私が「歯みがき化」をするに至った経緯から、実際に行なったアプローチをご紹介させていただきました。
私と同じように『読書が苦手だけど、読まなきゃって気持ちもあるんだよなぁ』という方は是非一度試してみてください!

余談

個人的な次のステップとして、読書を好きになるという目標がありますので、『自分は読書する時こういうアプローチしているよ』といったアドバイスや、おすすめの技術書、小説などがあれば教えていただけますと大変ありがたいです!

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