##3行まとめ
・集中型/分散型クラウドの違いは「データセンターがひとつか複数か」
・分散型クラウドを採用することで通信負荷の軽減を図る
・サービス提供プランの整備が今後の課題
#■クラウドとは(※初心者向け導入)
##ネットワーク経由でサービスを利用すること
ユーザーが必要なデバイスやソフトウェアを持っていなくても、
インターネットに接続するだけでサービスを必要な時/必要な分だけ
利用することができる概念。
例えば、GoogleのGmail
は
ブラウザでGmailの画面を開けばそのままメールのやり取りが出来る。
対して、Outlook
などのメールソフトは
ソフト自体のインストールやメールサーバーの構築を
ユーザー側で実施する必要がある。
##クラウドを利用するメリット
・複数の端末からいつでもアクセス出来る
・サーバー構築やソフトウェア導入等の初期費用を抑えることが出来る
・サーバーの保守やメンテナンスを自社で行う必要が無い
...etc
##クラウドを利用するデメリット
・自社の運用に即したカスタマイズをし辛い
・維持費用により結果的にコストが肥大化する可能性がある
・セキュリティ面のリスクが残る
...etc
#■「集中型」から「分散型」へ
##従来の「集中型」クラウド
従来のクラウドサービスでは、
大量のサーバーやストレージを大規模なデータセンターに詰め込み、
そこで集中的に処理を行う仕組みが主流である。
しかし、
IoTデバイスの普及や通信システムの進歩(5G等)などに伴い、
近年では膨大なデータが大量のデバイス間で生成/通信されている。
そのため、
データセンターに負荷が集中することで
トラフィックやリソース量の増加に繋がり、
結果としてパフォーマンスの低下やコストの増大を引き起こす可能性がある。
##台頭した「分散型」クラウド
集中型クラウドのリスクを解消するために考案されたのが
複数のサブステーション(=小規模なデータセンター)からサービスを提供する
分散型クラウドという概念である。
データ通信が分散されることで、
・データセンターへの過大なトラフィックが抑制される
・低レイテンシ(遅延)でのサービス利用が可能になる
という効果が見込まれる。
例えば以下など。
##分散型クラウドの課題
サブステーションが設置されるということは、
近隣の企業とデータセンターを共有するということになる。
例えば、
○集中型
【データセンターX】 … A社、B社、C社、D社、E社、F社
という利用状況の場合、
サービスは一律「プロバイダ⇔ユーザー」での取引となる。
これが、
○分散型
【サブステーションA】… A社、B社、C社
【サブステーションB】… D社、E社
【サブステーションC】… F社
となった場合、取引形態はサブステーションごとに差が生じる。
具体的には
・サブステーションAでは通信量が従来よりも増加してしまい、
パフォーマンスを維持するためには帯域幅を拡大する必要がある。
・サブステーションCでは近隣で利用する企業が居ないため、
利用コストは据え置きのままパフォーマンスが向上した。
など、一律のクオリティでのサービス提供が難化する懸念がある。
そのため、
・クオリティ維持のための追加コストを誰が誰宛てに支払うのか
・サブステーション毎に異なるパフォーマンスをどのように均一化するのか
など、サービスの料金体系や提供プランの整備が必要とされる。
#■参考文献
クラウドとは?初心者向けにわかりやすく解説!おすすめサービスも | テックキャンプ ブログ
https://tech-camp.in/note/technology/81880/
冗長性を高めたいけど国内にこだわりたい!そんな貴社必見の「分散型クラウド」とは - DirectCloud-BOX
https://directcloud.jp/contents/distributed_cloud/
CIOのための分散クラウドガイド:Gartner Insights Pickup(189) - @IT
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/2101/08/news003.html