##はじめに
IT社会化の具体例としてよく挙げられるIoTだが、
近年では次のステップとして、IoBへと発展している傾向にある。
#■IoTとは
##「モノのインターネット」
"Internet of Things"
情報伝達のための機能をモノに組み込み、インターネットを経由することで
モノからデータ取得したりモノそのものを遠隔操作する仕組みのこと。
##IoTのもたらす効果
・監視
離れた場所にあるモノの状態を遠隔からモニタリングできる状態
例:医療機器の状態を監視して、異常が発生した場合に看護師に通知するなど。
・制御
通信を介した外部からの指示でモノを操作できる状態
例:スマートフォンのアプリを通じて帰宅前にエアコンのスイッチを入れておく
(リモコンのように、「電源を入れる」という情報がエアコン本体に送信される)
・最適化
監視と制御によって得られたデータを基に、
人間が与えた基準に準じた状態を自ら見つけ、モノの状態を最適に保つことのできる状態
(=条件指定してあげれば、最適解を求めてくれる)
例:工業機械に異常が発生した際、蓄積されたデータおよび指定した条件を基に
故障原因を自動的に分析して作業員にアラート検知する。
・自律化
目標値などの最低限の指示のみ与えれば、人間による細かな条件や基準がなくても
自律的に最適な状態を判断し、モノ同士が協調して動作できる状態
(=自動で条件を見つけ、最適解を求めてくれる)
例:自動車の自動運転システム。
目的地を設定しておくだけで、車に搭載された各種機器が周囲の地形や交通状況を監視/蓄積し、
走行に必要なハンドル操作やアクセル/ブレーキを自動的に行う。
#■IoTからIoBへ
##「身体のインターネット」
"Internet of Bodies"
人間の体とインターネットをつなげる技術のこと。
例えば、医療分野における心臓ペースメーカーも、
体の中にデバイスを埋め込むという意味でIoBに含まれる。
※ただし、IT業界におけるトレンドとして取り上げられているのは
こちらの意味ではなく、後述の意味の方である。
##「行動のインターネット」
"Internet of Behaviors"
ひとの動作、すなわち位置情報、運動履歴、購買履歴などをデバイスから取得し、
快適な生活を実現するために活用する技術のこと。
例えば、以下の接触確認アプリは
アプリを導入したデバイスの位置情報を追跡し、サーバに転送している。
得られたデータから濃厚接触のリスクを判定した上で
次に取るべき対応(医療機関への受診など)を案内している。
#■余談
IoTについては基本情報技術者試験で度々出題される。
近年のトレンドに則り、今後はIoBについても問われる可能性があるかも。
応用情報ではIoTの概念を知っている前提で、その役割について問われている。
#■参考文献