M1チップ搭載MacBookProを最近購入し、初期設定の失敗などから、クリーンインストールする機会があった。
Intel搭載MacBookと方法が全く異なり、少し手こずった部分もあるため、記載する。
M1チップ搭載MacBookクリーンインストール方法
基本的に以下URL先の方法に則り行った。
https://support.apple.com/ja-jp/HT211983
① システム終了し、電源ボタンを長押し→"起動アシスタント"を開く
従来は"command + R"を押しながら起動させていた部分が、電源ボタンの長押しに変更されている。また、M1チップ搭載Macに限ることかはわからないが、
・充電ケーブルの差し込み
・トラックパッドでのクリック
でも起動したため、注意が必要。
ちなみに筆者の場合、起動音がなった後、リンゴマークが表示されるまでの数秒間の間に慌てて電源ボタンの長押しを始めても、ギリギリ起動アシスタントは表示された。
② ”オプション”を選択し、「復旧ユーティリティ」を起動する
設定のロゴマークのような、歯車がモチーフとなっているアイコンをクリックし、「続ける」をクリックすればOK。
時々、表示が英語になることもあるが、慌てず"option"をクリック、"continue"を選択すれば良い。
「復旧ユーティリティ」が起動する。
③ ”ユーティリティ”メニューから、”ターミナル”を起動、"resetpassword"を入力し、「復旧アシスタント」を起動する。
ここが大きなポイント。ここを間違えると文鎮化も起きる可能性も出てくるため間違えないように!
Intel搭載Macだと、リカバリーディスクを起動し、ディスクユーティリティからディスクの消去を行ってMacを初期化していたが、M1チップ搭載Macだと異なる方法を取る。
メニューバーの”ユーティリティ”から、”ターミナル”を起動する。
ウィンドウが開いたら、resetpassword
を入力しenterを押すと、ターミナルの裏に「復旧アシスタント」ウィンドウが起動する。
この「復旧アシスタント」アプリから、Macの消去を行う。
④ Macの消去
復旧アシスタントのウィンドウを選択し、メニューバーの復旧アシスタントから"Macの消去"を選択する。
このとき復旧アシスタントがディスクの認識をするまで数秒程度時間がかかる。
なお、このとき2回ほど、”Macの消去”を選択する必要がある。
思いやりの気持ちをもちながら、選択すればOK。
その後、驚くほど迅速にMacの消去が行われる。
本当に消したの?そう聞きたくなるくらい。
再起動が始まり、⑤の状態に行けば、問題なく消去が行われた証拠。
⑤ 言語選択画面。日本語、または理解できる言語を選択する。
Macを購入した直後のように、言語選択画面となる。
このとき表示される言語は、筆者の場合、高確率で日本語、時々英語であった。
なぜこのような「高確率で」という表現ができるのか、後になり理解できるだろう。
⑥ Macをアクティベート化
Macをアクティベート化する画面が表示される。
このときインターネット接続が必要になる。
Wifi、または有線LANに接続する。
Wifi接続は待っていても始まらないので、メニューバー右上のWifiマークから接続を行うこと。
インターネット接続完了後、しばらく経ちアクティベート化が完了する。
⑦ 「終了して復旧ユーティリティ」を選択し、復旧ユーティリティを起動する。
復旧ユーティリティを起動する。そうすると、手順②の状態へ戻る。
⑧ ①〜⑦の方法を2回、場合によっては3回繰り返す。
ここはおそらくバグなのか、①〜⑦の手順を2回乃至3回繰り返す。
この後の手順でうまく行かなければ、筆者の場合は再度Macを消去するとうまく行った。
⑨ OSのインストール
MacOSをインストールする。2021年1月現在、BigSurをインストールすればOK。
このとき、上で紹介したリンク先では、他のMacで作成したインストーラーから起動する方法も紹介されていたが、筆者の場合はうまく行かなかった。
"ターミナル”からダウンロードする方法を推奨する。
ターミナルからダウンロードする場合、コマンド入力の必要があるが、これがまぁ長い!
そのため間違い防止のためにも、ホームページよりコピー&ペーストをする
⑩ Safariを起動し、Appleホームページへ移動
復旧ユーティリティの項目の中に、Safariの起動がある。それを選択し、ブラウザを起動する。
新規タブを開く(Command+T)などをし、以下サイトを起動する。
https://support.apple.com/ja-jp/HT211983
ちなみにこちら、上述のリンク先と同じ。
⑪ "ターミナル"より、BigSurのダウンロードとインストール
Safariのウィンドウの外をクリックすると、メニューバーに「復旧ユーティリティ」が表示されるようになる。
手順③で紹介した方法と同様にして、ユーティリティからターミナルを起動する。
ターミナルに以下のコマンドをコピペ、または気合があれば手入力する。
cd '/Volumes/Untitled'
mkdir -p private/tmp
cp -R '/Install macOS Big Sur.app' private/tmp
cd 'private/tmp/Install macOS Big Sur.app'
mkdir Contents/SharedSupport
curl -L -o Contents/SharedSupport/SharedSupport.dmg http://swcdn.apple.com/content/downloads/00/55/001-86606-A_9SF1TL01U7/5duug9lar1gypwunjfl96dza0upa854qgg/InstallAssistant.pkg
ペースト後、Enterを押すとダウンロードが始まる。
ネットの速度に依存するが、筆者の場合は20分程度でダウンロードが完了した。
ちなみに復旧ユーティリティの選択肢の中に、”Reinstall BigSur MacOS"というのがあるが、クリーンインストールによりMacOSの起動ソフトも消去されているためうまくいかない。
⑫ ダウンロード終了後、BigSurのインストールを開始
ターミナルにて、以下コマンドを入力し、インストーラーを起動する。
./Contents/MacOS/InstallAssistant_springboard
この後はインストーラーの手順に沿って、インストールを進めていけばOK!
ちなみに、このときインストールするディスクは”Untitled"という名前がついてる。
インストール自体は20分程度で終了する。こちらも早い。さすがM1チップ。
⑬ 再起後、初期化は完了!
その後は購入したときのように設定していけばOK。
筆者の場合、旧いMacから引き継いだのだが、その時にもトラブルが多く起きたので、その対処方法なども後日記載する。
トラブルシューティング
トラブルがつきものの初代M1チップ搭載Macだが、この初期化においても何箇所かトラブルが起きやすいところがあったため、以下に記載する。
言語が安定しない問題
上の手順紹介の部分でも何度か紹介したが、言語が日本語になったり英語になったりと安定しなかった。
英語が読めない人にとってはきついかも知れない。
まぁ簡単な英語なので、パニックになる人はいないと思うけど。
起動可能なインストーラーが利用できない
もう一台の別のMacで用意したインストーラーが使えなかった。
筆者の場合はUSBで用意したのだが、考えられる原因は2つ。
・USB変換アダプタがM1チップに対応していない
・そもそも、USBに用意した「起動可能なインストーラ」が利用できない
可能性が高いのは前者。確実な方法を推奨する。
手順⑪、BigSurのダウンロードができない
筆者の場合、このトラブルが最も多かった。
ある程度のパターンがあったので、紹介する。
・ダウンロードに失敗する
ダウンロードが一旦は進行するが、途中で失敗することが多々あった。
ターミナルをよく見返すと、エラーを吐いていた。
$ cd '/Volumes/Untitled'
cd: no such file or directory: '/Volumes/Untitled'
Macを消去すると、自動的に"Untitled"のディスクが生成するような仕様になっているようだが、それがうまく行っていない模様。
もう一度手順通り「Macを消去」すれば対処できた。
筆者の場合は少なくとも3回消去すればうまく行った。
・ダウンロードが途中でストップする
症状としては上のものと似ているが、少々異なる。
ダウンロードが途中でストップし、Timeoutとエラーが吐かれる。
何度かこのエラーが起こり、そのすべてで共通していたのが、ダウンロード中にMacがスリープモード担っていたこと。
スリープしないように時々操作すると、このエラーは起きなくなった。
ちなみに、ストップしてしまった場合、再度MacOSのダウンロードしても筆者の場合はうまく行かなかった。
対処法としてはもう一度「Macを消去」からのMacOSのダウンロード。
まとめ
筆者が経験した中でも、数種類のトラブルがあったため、手順が多くなってしまう部分はあるが、基本的にM1チップ搭載Macは処理速度が圧倒的に早いため、そこまで時間を掛けずに取り組むことができる。
ただ、ネット上にあまりクリーンインストールの方法が無かったので、備忘録として記録した。
なお、OSの更新等により、ここに記載した方法よりも手順が簡略化されたり、もっと多くのトラブルが発生したりするかも知れない点は留意していただきたい。
参考
Apple M1 チップ搭載の Mac で macOS を再インストール中にパーソナライズエラーが表示される場合
https://support.apple.com/ja-jp/HT211983