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私の技術書の選び方

Last updated at Posted at 2017-05-06
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0.はじめに


自己紹介

中小SIerで社内Webシステムを開発。
Java, JavaScript, HTML, SQLを触っている。

技術書を毎月1~2冊購入。

マイ本棚.jpg


良書だと思う技術書

  • 「明解C言語 入門編」SBクリエイティブ
  • 「EFFECTIVE JAVA 第2版」丸善出版
  • 「プログラマのための文字コード技術入門」技術評論社
  • 「はじめてのAndroidプログラミング」SBクリエイティブ

良書一覧.jpg


今回登壇した理由

  • 技術書に対する考え・行動を、整理したい
  • 技術書に対する考え・行動を、知ってもらいたい

目次

  1. 技術書の購入について
  2. 私が考える良書
  3. 私の技術書の選び方
  4. まとめ
  5. [補足] 技術書との付き合い方
  6. [補足] その他

1. 技術書の購入について


私がネットでなく技術書を読む理由

  • 体系的に学べる

    • 情報が整理されているので、理解しやすい
  • 集中して学べる

    • ネットだと、つい動画やSNSを見てしまう
    • ネットだと、余計なことを検索してしまう

ネットより技術書の方が、学習の効率が良い。


私が技術書を買う理由

  • 買えば「読まないのは勿体ない」と思い、少なくとも1~2時間は読むから
  • 図書館や人から借りると、結局読まないから

[補足] 3割読んだら元が取れる

「勿体ない」という気持ちが、「読む」力でなく「買わない」力に働くときがある。
「あの本難しそうだから買っても読まないだろう」という感情。
そんなときは「3割読んだら元が取れる」と自分に言い聞かせて、購入する。
※何をもって「元が取れるか」は不明。


私が技術書を買うタイミング

  • 新しい言語、ツールを学習するとき
    • 「入門系」、「やさしい系」を購入
  • ステップアップしたいとき
    • 「Effective系」、オライリー本を購入
  • おもしろい本を見つけたとき

2. 私が考える良書


技術書を判断する軸

  • 分かりやすい、分かりにくい
  • 中身が濃い、中身が薄い
  • 間違いが少ない、間違いが多い

分かりやすい、分かりにくい技術書

分かりやすい技術書の特徴

  • 平易な文章
  • 誤字脱字が少ない
  • 最初から順に読んでいけば、分からない用語・文章に出会わない
    • 章立てが適切
    • 著者が対象読者をイメージできている
    • 挫折しない
  • サンプルコードに対する説明が多い
  • キャプチャ画像や図が多い

分かりやすい、分かりにくい技術書の例

  • 分かりやすい:「入門系」、「やさしい系」
  • 分かりにくい:オライリー本

中身が濃い、中身が薄い技術書

中身が濃い技術書の特徴

  • その本にしか載っていない内容がある
  • 事実や規則の理由や根拠が、詳しく述べられている
  • 情報量が多い
  • 価格が高い

中身が薄い技術書の特徴

  • ありきたりの内容
  • 情報量が少ない、「かさ増し」感がある
    • フォントが大きい
    • ページ数が少ない
    • サンプルコードだけのページが多い(本来、コード適切に分割して説明すべき)
    • 無駄にキャプチャ画像、図、イラストが多い
    • 似たようなメソッドの説明が多い(オーバロードしたメソッドなど)

中身が濃い、中身が薄い技術書の例

  • 中身が薄い:「入門系」、「やさしい系」
  • 中身が濃い:オライリー本、「WEB+DB Press本」

間違いが少ない、間違いが多い技術書

「間違い」とは?

  • 情報が古い

    • 非推奨の機能を説明している
    • 新しい便利な機能を説明していない
    • Web系の本は5年以上前だと古い
  • サンプルコードが悪い書き方

    • 不要な処理
    • アンチパターン
  • サンプルコードが動かない

「間違いが多い」技術書は、読んではいけない。
間違った知識や悪い癖が身についてしまう。

しかし、「間違いが多い」と判断するには知識が必要。
購入時に自分では判断できない。


良書、悪書、普通書

良書_悪書_普通書の分布

  • 「分かりやすい」AND「中身が濃い」ならば「良書」
  • 「分かりにくい」AND「中身が薄い」ならば「悪書」
  • 上記以外を「普通書」と命名

ただし、「間違いが少ない」ことが条件。
「間違いが多い」ならば、常に「悪書」。

[補足] 技術書全体に対する割合(感覚値)

  • 「分かりやすい普通書」は一番多い
  • 「良書」は少ないが、「悪書」はもっと少ない

3. 私の技術書の選び方


全体的な流れ

  1. 自分の目的に合致する本か確認する
  2. 「分かりやすさ」、「中身の濃さ」を確認する
  3. 「間違いの多さ」を予想する
  4. 1冊に絞り込む

自分の目的に合致する本か確認する

  1. 「はじめに」を読む

    • 対象読者
    • 必要な知識
    • 何ができるようになるのか
  2. 目次を読む

    • 全体的な内容
    • 知りたいことが載っているか

「分かりやすさ」、「中身の濃さ」を確認する

  1. 全ページをぱらぱらと読み、雰囲気をつかむ

    • 知りたいことが載っているか
    • 図やイラストの分かりやすさ、大きさ、量
    • フォントの大きさ、見やすさ
    • サンプルコードの分かりやすさ、量
  2. 5~10ページを読み、文章の読みやすさを確認する


「間違いの多さ」を予想する

  1. 発行年度を見て、情報の古さを確認する

    • 5年以上前でないか
  2. レビュを見て、評判が悪くないか確認する

    • 評判が良いかどうかではない

1冊に絞り込む

以上の情報から、購入する1冊を決める。
「技術書を買うタイミング」によって、「軸」の優先度を変える。

  • 「新しい言語、ツールを学習するとき」は「分かりやすい」を優先
  • 「ステップアップしたいとき」は「中身が濃い」を優先

「間違いが少ない」は常に優先したいが、判断しにくい。


1冊に決めきれない場合

1冊に決めきれないときは、評価しやすいパラメータから1冊に絞り込む。
同じ分野の本を同時に2冊買っても意味がない。

  • 値段が高い方
  • ページ数が多い方
  • フォントが小さい方
  • 発行年度が新しい方

4.まとめ

  • 私は技術書を、「分かりやすさ」、「中身の濃さ」、「間違いの少なさ」で判断する。
  • 私は技術書を買うとき、上記の項目を、自分の経験に基づくパラメータから判断する。
    • ページ数
    • サンプルコード
    • 発行年度などなど

5. [補足] 技術書との付き合い方


技術書を読む場所

おすすめ

  • 電車:毎日乗るので読書の計画が立てやすい。読書後の達成感がある。
  • コワーキングスペース:ネットできるが誘惑に駆られることが少ない。

その他

  • 図書館:集中できるが、サンプルコードが多い本だと途中で飽きてくる。
  • 自分の部屋:誘惑に駆られやすい。時間に対して思ったほど進んでいない。
  • 会社の昼休み:周りの目が気になる。
  • 外食店

読むのが苦しくなったら

以下の場合、読むのが苦しくなる

  • 文章が分かりにくい

    • 分からない用語が多い
    • 誤字脱字が多い
    • 1文が長い
  • サンプルコードが分からない、動かない

読むのが苦しくなったら、迷わず別の本に乗り換える。
勿体ないと思わない。
ただし捨てない。
いつか分かる日が来ると信じて、2年間は取っておく。


積読しすぎない

読む気力が一番湧くのは、本を買った後と捨てる前。

積読すると、「読む」タイミングを逃してしまう。
積読は2冊まで。
買いたい本があっても、「あの本を3割読んだら買おう」と思い我慢する。


技術書の捨て方

技術書を捨てる理由

本棚に入り切らないから。本棚は有限。

捨てる際の判断材料

  • 内容が古いかかどうか
    • HTML4やAndroid4の本など
  • 今後、本に書かれている技術を自分が使うかどうか
    • 「今の職場ならば、今後Servlet,JSPは使わないだろうな」など
  • その本を全て読んだたかどうか
    • 本の内容がすべて頭に入っていれば、本を保管する必要はない
    • 入門書の内容を理解できれば、バイブル本を読むことができるので、入門書が不要になる
  • 思い入れがあるかどうか
    • 頑張って読んだ本
    • 5000円以上の本

6. [補足] その他


技術書に対する感想

  • 「WEB+DB Press plus」:平易な文章だけど、分かりやすい。なぜかコレクションしたくなる。
  • オライリー本:表紙の動物が特徴的。コレクションしたくなる。「シングルページWebアプリケーション」では、表紙がまさかの人間。そしてカラー。正直気持ち悪い。
  • 逆引き本、リファレンス本はあまり買わない。ネットの方が約に立つから。ただしコマンド系は例外。

オライリー_人間.jpeg


技術書関連で知りたいこと

  • 各出版社、各シリーズの特徴(技術評論社、SBクリエイティブ…)
  • 名古屋の各本屋の特徴(ジュンク堂、三省堂、三洋堂…)
  • 技術書の捨てるタイミング、捨てる本の選び方

発表した後の感想

新卒でもわかるソフトウェア開発技術書の良書の見分け方 」という勉強会で発表させていただきました。

他の人の発表を聴いた上で、自分のスライドについての感想です。

  • 「悪書は少ない」と言ったが、それは「技術書をたくさん読んでいない」、または「悪書だと判断する技術力がない」だけなのでは?
  • 「積読しすぎない」と言ったが、本を読まない言い訳なのでは?

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