はじめに
「プログラミングスクールってぶっちゃけどう思う?」ってリアルの友達に聞かれたら、あなたはどのように回答しますか?僕は、「良いところも稀にあるけれど、90%は情弱ビジネスだから、やめておいた方がいいよ」と答えることが多いです。これは僕の本音です。リアルの友達なら尚更嘘なんてつきませんし、忖度なしでスクールに対して悪い印象を持っています。
そんな情弱ビジネスが大嫌いな僕ですが、プログラミングスクールのアンチでは決してありません。僕自身、過去にスクールへ通って未経験からWebエンジニアへ転職に成功しましたし、スクールでできた友達とは今もエンジニア友達として仲良くやっていますし、総じて通って良かったと思っています。通って良かったと言うか、僕の場合は独学では無理だったので、とてもとても感謝しています。
しかし、エンジニアとして働き始めてからは、スクール卒の未経験エンジニアの相手をするのが本当に嫌になりました。僕は採用担当をやっていたので、応募すらして欲しくないのが本音でした。あまりに応募数が多い時は、スクール名を最初に見て、書類選考で落としていたこともありました。
この記事では、
- なぜスクール卒が嫌われるのか
- なぜスクールが情弱ビジネスだと叩かれているのか
- 未経験(SIerやSES含む)からWeb系に転職するには独学の方がいいのか
について、僕の経験ベースにお話します。スクールの比較記事ではありませんし、個別でおすすめのスクールを紹介することもありませんのでご安心ください。Webエンジニアに転職したい人にとってはかなり参考になる内容かと思いますので、ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います!
なぜスクール卒が嫌われるのか
そもそもの大事な前提ですが、未経験エンジニアは全く歓迎されていません。 エンジニアが足りていないと言われていますが、それは間違いです。「そこそこ優秀な、最低限、実務経験が1年以上あるくらいの、1人でタスクを完遂できる即戦力のエンジニアが足りていない」のであって、技術力の低いエンジニアは市場から全く求められていません。エンジニアになりたいだけの人(ろくに1人で勉強もしていない、研修があるんでしょ?)みたいな人に限っては論外です。
つまり、スクール卒・独学に関わらず、未経験は歓迎されていません。これは少し考えればわかるかと思いますが、未経験の人は自分の市場価値を謎に高く見積もっているようです。その理由の一つに、「俺は100万円も払ってスクールに通って、無事に卒業までしたんだ。すごく頑張って勉強したんだ。」という自信から来ているものもあるかもしれません。それではなぜ、スクール卒は嫌われているのでしょうか?
単純に技術力が低いから
スクール卒の人は総じて技術力が低すぎます。これはスクールに通った受講生が悪いのではありません。現場で活躍できるくらいの実践的なカリキュラムを用意していないスクール側の責任です。エンジニアとして生きていく上で一番大切なことは技術力だと思います。エンジニアを目指す人の登竜門であるべきスクールがその現実を教えません。
それはなぜでしょうか?スクール側に都合が良いからです。
- 現実を見せて挫折率が高まると、スクールの評判が落ちます
- プロの現役エンジニアをメンターに雇うと時給5000円以上は必須です
- メンターに高いお金を払うくらいのキャッシュがありません
- 一番お金を使っているのは広告だからです
- カリキュラムの難易度を低くすれば、質問が減って対応が楽になります
- ポートフォリオの質問は禁止にします
- すごく簡単なオリジナル教材の質問のみOKです
- それならスクール卒業生をメンターにしよう!時給1200円でいいや!
こんな感じです。その結果、
- コードレビューは受けたことがありません!
- 質問したらすぐ答えを教えてもらえたので、自走力がゼロです!
- チーム開発も経験ないです!
- なんならGitの使い方も自信がありません!
- ポートフォリオはスクールで作ったXXクローンです!
- スクールを卒業したので、技術力に自信があります!
みたいな未経験エンジニアが爆誕します。ポートフォリオがあるのに引数や戻り値の意味を理解していない人とかいました。ドン引きです。これだけで、スクール名を覚えて、ここのスクール生は問答無用で書類選考で落とすことにしようという社内ルールが決まります。
こんな感じで、兎にも角にも、スクール卒業生は技術力が低すぎるのです。これが嫌われる1番の理由です。嫌われる理由は他にもあります↓↓
taker思考が染み付いているから
お金を払ってスクールに通う行動は素晴らしいです。自己投資の利回りは無限大ですし、僕も自己投資で軽く1000万は使ってきましたので、お金の使い方は大正解です。しかし、
- お金を払っているのだから、転職させてよ
- 回りくどい教え方はやめて欲しい
- 早くこの課題を終わらせて前に進みたいので、答えを教えて欲しい
みたいなことを思っているスクール生が多い印象でした。一言で言えば、takerなのです。もちろんしっかりと審査を行い、takerを弾いている素晴らしいスクールもあるとは思いますが、完全審査制にしているスクールはいくつあるのでしょうか?僕の知る限りでは、ほとんどありません。
スクール側としては目先の100万円の売上を捨ててまで審査制にしようと思わないですよね。ビジネスである以上、しょうがないことかもしれません。そもそも広告で有象無象に押し売りするわけです。広告のメリットは多くの人にリーチできることですが、一方で、本来売ってはいけない人に売ってしまい、あとからトラブルになるケースも少なくありません。
広告を使っていいのは、商品の質が最高クラスにいい時だけだとされています。商品の質が最高ならば多少押し売りしても購入者は大満足し、全員が幸せになる広告の使い方です。営業でも広告でも言えることですが、自分がいいと思っていない商品を人に勧めたくない。罪悪感でおしつぶされそうだ。という苦しみを抱え、退職している人も多いです。
僕の友人は銀行で働いていて、老人に絶対に不要な投資商品を売っていました。本人は売りたくありません。会社の命令です。これを続けることができる人はサイコパスであり、スクール経営者のサイコパス性は極めて強いと言えます。スクール経営者は「この程度のレベルの低いカリキュラムでは、現場で歯が立たない。それどころか、Web系への転職も厳しい。でもまあ、SESでもSIerでもIT企業ならいいんじゃね(笑)」とか思っているのではないでしょうか?
僕は絶対にできません。僕は昔からメンヘラなので、相手を不幸にする提案とか絶対にできません。いつ背中を刺されるからわからないのが怖いです。あとは純粋に、自分の利益だけのために他者を利用する人間が嫌いでした。そう言えばブチャラティもそんなことを言っていた気がします。ジョジョは5部が一番好きです。
話がそれましたが、スクール卒業生が嫌われる理由その2はtakerが多いからです。takerを弾くように、誰でもウェルカムみたいな体制をやめて欲しいです。それか、マインドとかソフトスキルもしっかりと教育して欲しいですね。
なぜスクールが情弱ビジネスだと叩かれているのか
この記事の本題です。とは言え、ここまでで大体言いたことは言ったと思いますが。ざっくりまとめると、
スクールが情弱ビジネスと叩かれている理由は
- スクールを卒業しても転職に成功しないから
- 技術力が低すぎるのが根本的な原因
- オリジナルのインプット教材はあえて簡単にしている。質問対応を楽にするため
- インプット教材は市販の技術書&Udemy&公式Doc&YouTubeで充分。というかこちらの方が難易度高いし安価で良質。スクールのオリジナル教材にお金をかける必要なし。
- ポートフォリオの質問対応はしない
- メンターはスクール卒業生で実務未経験
- チーム開発もなし
- 紹介される企業は実務経験がつめないSESやSIer
- コードレビューなし
- アウトプット課題はマルバツ問題
- 自走力を鍛えれない。魚をもらうのではなく、魚の釣り方を教わるべき
- 高額だから
- プロのメンターにお金を払うなら仕方ない
- しかし、現実は違う
- 広告や実店舗、オリジナル教材など本質な価値提供になっていない部分に多くのお金を使っている
- ターゲットがマスであり情報弱者だから
- 広告のゴリ押し
- 営業のゴリ押し
- 誰でも簡単に年収1000万みたいな誇大広告(そのスクールに入って本当に達成可能なら何の問題もないが、扱っているのはProgateに毛が生えたくらい)
ざっくりこんな感じでしょうか。ひたすらにスクール批判みたいになってしまいましたが、全てのスクールがこれに当てはまるわけではもちろんありません。あくまでも確率の問題であり、悪質なスクールが多いと言うことを言いたいだけです。冒頭でも言いましたが、いいスクールも10%くらいは存在しますし、僕はスクールに命を救われた身です。本当に感謝している一方で、高いお金を払ってスクールに通ったのに、結局エンジニアになれず、後悔している初心者の人も多いので、警鐘を鳴らす意味も込めて、強めの口調を記述しました。
未経験(SIerやSES含む)からWeb系に転職するには独学の方がいいのか
これに関してですが、結論はどちらでもよいです。スクールに通うというのは、そもそも手段のひとつに過ぎませんので、スクールに通っても転職できない人も多いし、独学でも成功する人も稀にいます。大学受験と同じです。塾や予備校に通わず、学校の授業ONLYで旧帝大に合格する人もいる一方で、浪人して、何年予備校に通っても落ちる人はいます。塾・予備校・スクールはあくまでも手段の一つにすぎず、最終的には本人が決めればいいことです。
これを他人が「スクールはダメだ、独学しか勝たん」とか押し付けるのも違うと思います。というか、独学しか勝たん!って言う人はその人の未来に何の責任も持っていないんですよね。親のように、本気でサポートしてくれて、エンジニア転職の成功まで導いてくれる人なら、その人についていけばいいと思いますが、実際は違いますよね?SNSで言いたいことを言うだけのひとは、あなたの未来に何の責任も持っていないし、自分が教えるわけでもないし、ロードマップを提示してくれるわけでもありません。ただ否定したいだけの人もいるので、そこの情報の取捨選択や信頼に値する人物なのか、という見極めをする力が重要になってきます。
情報収集はエンジニアの大事な仕事です。嘘の情報もたくさん混じっています。おすすめスクール5選!とか言って、アフィリエイト目的のブログ記事とか腐るほどあります。ブログを書いている人はエンジニアではなかったりします。初学者のみなさんは、この点には本当に気をつけて欲しいです。
未経験転職を目指す人へアドバイス
未経験からエンジニアになるのは大変です。エンジニアは楽して稼げる仕事ではありません。苦労して稼げる仕事だと思ってください。「えー、苦労しないと稼げないの?だる・・」って思っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。世の中の大半の仕事は、苦労しても稼げないのです。
僕は昔は教員や塾講師をやっており、すごく仕事を頑張っていましたが、年功序列でまったく稼げませんでした。一方でエンジニアは違います。努力がお金にダイレクトに反映されます。リモートワークやフレックスタイムなども充実しており、本当に働きやすいです。金髪でもピアスでもOKです。全て自由です。自分の技術力一本で、自分の人生を切り開いていくことができる素晴らしい職種です。
未経験エンジニアは歓迎されていないと言いましたが、厳密には少し違います。プログラミングでは教育コストが高すぎて、なかなか歓迎する余裕がないのです。新しい人が入ってくるのは本当は嬉しいですし、僕たちが大好きなプログラミングに興味を持ってくれるのはとても嬉しいですし、応援したくなります。新しい人が入ってこないと業界全体が廃るのは間違いありません。僕たちはそれを阻止する必要があります。しかし、情弱ビジネスがプログラミング界隈にも横行し、現場をナメている駆け出しエンジニアが増えて、一気に市場が厳しくなりました。
僕が未経験の皆さんにお願いすることは一つだけです。スクールでも個別メンターでも独学でも構わないので、高い技術力を身につけて、現場の即戦力レベルになってから転職活動をスタートして欲しい。これに尽きます。現場の即戦力をもう少し具体的に言うと
- Git,Dockerを使いこなすことができる
- QiitaやChatGPTだけではなく、公式DocやGitHubのIssueなど読んで問題を解決できる
- すぐに通話で助けを求めるのではなく、しっかり言語化して質問できる
- X,YouTube,Google CalendarのクローンをSPAで作成できる(機能が多すぎるのでメインの機能でOK)
- 上記クローンをAWS(ECS Fargate)に自動デプロイ、Terraformを使ってコード化できる
大体900〜1500時間でこのレベルに達することができます。僕が未経験からエンジニアに転職したときは2000時間勉強しました。自分で作ったアプリをコードレビューしてもらえたり、質問できる環境があるとさらに効率よく勉強できます。スクールに通うべきかどうか迷った時は、スクールを卒業して上記のレベルに達するのかを無料カウンセリングなどでしっかりと聞いてみましょう。スクールのカリキュラムの難易度が低い場合は、卒業しても99%Web系への転職は失敗します。この点は、本当にご注意ください。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。YouTubeもやっているので、見ていただけたら嬉しいです!
この記事は Happiness Chain Advent Calendar 2024 4日目の記事です。