はじめに
私は普段スクラムで開発者をやっていますが、認定スクラムマスター講座を受講し、その後の認定試験も合格したので、講座・試験内容や学びや印象に残ったことについて記載します。
学び や 印象に残ったこと
では、さっそく学びから記載します! 講座・試験の内容は 本ページ下部 へどぞ!
Scrum is a game!
本記事のタイトルにもしているくらい、今回一番の学びは結局これにつきるかもしれません。
普段業務でエンジニアとしてスクラムをしていると、当たり前かもしれませんが、ビジネス成功のため、より良いプロダクトを、多くの価値を提供しようと"頑張っている"ことが多いです。
そんな中、講師のJoe Justice先生が本講座の冒頭で贈ってくれた、この言葉にハッとさせられました。Joe先生によると、スクラムはスピードとステークホルダーの幸福を追求するゲームで、POは審判、SMはコーチ、開発者はプレーヤーと例えられるそうです。
これを聞いて、
「ちょっと肩の力を抜いて、このゲームを楽しもう!」
というポジティブなマインドになりました。そして、ゲームを楽しむため、あらためてルール(スクラムガイド )をちゃんと理解し、実践していこうと思います。
MobAI
MobAIとは、Joe先生が提唱する、モブ(チーム全員が同じことを同時に作業する)の共同作業にAIを使用し、作業をより効率的にするものです。
期待できる効果
- コミュニケーション問題の軽減
- クロスファンクショナルなチームの育成
- スピードの向上
- 迅速なフィードバックの提供
ロール
- Driver: 操作する役
- 何をしたらよいか尋ねる
- 同意できない事であっても実行する
- ショートカットやツール活用について積極的に学び実践する
- 会話が騒がしくなったら、Navigator 以外の人からの直接の指示を無視する
- Navigator: 意見をまとめてDriverへ指示する役
- アイデアを求める
- Mobのアイデアをフィルタリングして、Driver に指示
- 慣れてきたら概要の意図だけを伝え、細かい部分はDriverに任せる
- 失敗するテストを作り、テストがパスするようにコーディングの指示を行う
- すでに書かれたものを常にリファクタリングする視点をもつ
- MobAI: AIを活用しながら、よりよいアイデアの提案をする役
- リラックスして、笑顔で、優しくドライバーを励ます
- AIを活用し、ナビゲーターにヒントを与える
- ヒエラルキーではなく、ドット投票、Fist to Fiveなどにより素早くグループ意思決定する
所感
AIの活用について
AIを積極的に取り入れる姿勢は素直に賛同します。Joe氏によると、何か情報を収集するとき、業務コンテキストにあったオリジナルなAIにまず聞くのが理想で、難しければパブリックなAIを使う。インターネット検索という選択肢はその次らしいです。業務でAIは使っていましたが、先にインターネットを軽く検索して、うまく情報が出てこないときにAIに聞いていたりすることもあるので、これからはもっとAIファーストでもいいのかなと思いました。
モブについて
講座の中で、MobAIのワークを実践してみましたが、うまくハマればたしかに上述した期待効果も得られると感じました。Joe先生はリモートMobAIをおすすめしていましたが、私はリモートMobAIを効果的に行うには以下の条件があると考えます。
リモートMobAIで効果を得るための条件(※私見):
- メンバー全員が、平等に発言できる十分な心理的安全
- メンバー全員が、お互いにサポートすることを確約すること
- メンバー全員が、他の人が見ているからと手を抜かず、強力に集中すること
これらがクリアされない場合は、モブではなくペアの方がいいんじゃないかと感じました。
クロスファンクショナル
"開発者"の責任として、「クロスファンクショナルになること」があると学びました。
クロスファンクショナルなチームとは、リリースまでに必要なスキルがチーム内に備わっているチームで、各部門の調整が必要なくなり、スピードとイノベーションが促進されます。最終的にメンバーは、お互いからスキルや知識を学びあい、複数の役割を担えるフルスタック人材を目指していきます。
私はこれはチーム内の境界をなくしていくことだと理解しました。エンジニアとアーキテクトはキャリアステップからも相互の学び合いができていることが多いと思いますが、デザイナーやコンサルタントからももっと学んでいかなければならないと認識を改めました。
講座概要
- 日程:2日間(10:00 - 16:00)
- Zoom, Miro 活用(Zoomは顔出し)
- 英語(日本語資料・通訳あり)
- 積極的な発言を推奨
- 研修自体もスクラムで進行
各学習内容は、事前にプロダクトバックログアイテム(PBI)化され、ポイントが割り振られている。研修期間を4つのスプリントに分割し、参加者は4人1チームとなって、それぞれプロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者となり、各スプリントでローテーションしながらPBIを消化する。実績はバーンアップチャートを更新して管理していく。
学習内容
- Agile - アジャイルとスクラム
- Accountabilities - スクラムの責任
- Events - スクラムイベント
- Estimate - 見積
- MobAI - モブAI
- Mindset - マインドセット
- Test - 認定スクラムマスター試験演習
- lean coffee - リーンコーヒー
試験概要
- 講座の数日後、試験案内メール来るのでそれに従い、オンライン試験
- 試験時間: 60分
- 資料閲覧可
- 言語:日本語選択可能
- 50問、4択の選択式、37問以上正解で合格
- 出題範囲
- 2回まで無料で受験できる
実際に受験してみましたが、難易度は比較的簡単な方でした。講座を真剣に聞いていれば十分合格できると思います。
おわりに
総じて、非常にタメになる講座でした。何より、Joe先生のフランクな人柄や参加者の積極的な姿勢のおかげで、講座自体が非常に楽しかったです。
また日頃、スクラムをやっていて、わかった気になっている原理・原則・考え方について一から学び直すことができたので、今後のエンジニアライフに生かしていきたいと思います。
最後に、非常に有意義な時間を提供してくれた、Joe先生、講座の関係者の皆様、本当にありがとうございました。