この記事は セゾン情報システムズ Advent Calendar 2023 14日目の記事です。
簡単なデータを使って、Tableauで可視化するための小ネタを記載していきます。
はじめに
複数プロジェクトの工数を管理するのは大変です。また部門長視点では、各PL/PjMにやり方を任せるとチェックするのも大変だと思います。Tableauで同じVizで管理できるようになるとデータも民主化されますし、見方も統一されて素晴らしい効果が発揮されます。
今回のインプットデータはExcelを使っていますが、勤怠管理システムや会計システムと連動させれば自動化もされ、より一層高い効果が見込めます。
使用するデータ
非常にシンプルですが、プロジェクト工数管理に必要な日付と工数(今回は金額を想定)が入ったデータを使います。工数は実績、見込、計画の3種類です。
※12月は実績が締まっていない "実績0" を想定したデータです。
まず最初にやること
個人的なこだわりですが、まずワークブック全体のフォントを変えます。
メニュー > 書式設定 > ワークブック
ワークブック全体の書式を一括で変えられます。
もちろん後でも変えられますが、最初にやることで見た目も好みになって綺麗に作れている感が出ると思います。とりあえず私の好きな「メイリオ」にします。
日付をFY(fiscal year)に変換する
日付を会計年度に変換します。
- DATEADD('year', -1, [日付]) のディメンションを作成(名称は「日付fy」とします)
- 作成したディメンションに対して、既定のプロパティ > 会計年度の開始 を指定
グラフ化してみる
区分、日付、工数を使って一旦そのままグラフにしてみます。
グラフは工数積み上げをイメージしやすい棒グラフを選択。メニューの マークラベルを表示を選択するとラベルが出ます。個人的にラベルは不要なので消しています。
工数を累計にする
メジャーを右クリック > 簡易表計算 > 累計 を指定します。
実績、見込、計画 すべてのメジャーに対して適用します。
累計に変換するとラベルが勝手に長いものになるので、別名の編集 で分かりやすい名称に変更します。
過去の見込を実績に置き換える
過去の見込を実績に置き換えることで、フォーキャストを正確に出します。
私は下記のやり方で実施しています。
-
過去を示すディメンションを作成する(ディメンション名:過去)
ここはかなり無理やりな感じですが、日付が過去かどうかを判別するT/Fを用意します。
((DATEPART('year',[日付]) < 2023) OR (DATEPART('year',[日付]) = 2023) AND (DATEPART('month',[日付]) < 12)) -
実績を考慮したメジャーを作成する(メジャー名:見込(実績考慮))
SUM(IF [過去] THEN [実績] ELSE [見込] END)
予算線(可変)を入れる
予算はおおよそ固定なので、アナリティクスの定数線でも十分ですが、
複数のプロジェクトを管理したい場合や条件で予算を変更したい(予算変更前とか最新予算とか)は定数線では実現できません。
- 予算メジャーを作成
今回は予算が1,500,000の想定で、無駄なIF文を入れて作成します。
プロジェクトが複数ある場合や予算に条件を入れてフィルタで切り替えたい場合はIF文を編集してください。 - 一旦定数線を入れる
定数線は左メニューバーのアナリティクスにあります。 - 定数をパラメータに変更する
定数線をクリックして編集を押して、値で固定→総計(値が1つしかないので最大、最小でも同じ)を指定し、新しいパラメーターの作成をクリック(図左)。
ワークブックを開いたときの値で作成したメジャーを指定(図右)。
※パラメーター名は分かりやすい名称へ変更した方が良いです。
あとはラベルを「予算」にして完了。
ラベルを値にしないのは、値だと線の意味が不可解になるためです。値はカーソルを合わせれば見ることができます。
以上です。