こんにちは!
この記事では、Raspberry PiにSoftEther VPN Clientを最速でインストールし、実際に使用可能な状態にする方法を詳しく解説します。以下の手順は、実際のRaspberry Pi環境で検証済みです。
以前にインストールした時は2022年に試したのですが、すっかり手順を忘れてしまったので、自分への忘備録を共有します!
環境
- ハードウェア: Raspberry Pi 4 Model B (4GB RAM)
- OS: Raspberry Pi OS (64-bit, Bullseye)
- ソフトウェア: SoftEther VPN Client v4.41-9782-beta
1. 事前準備
SSHを有効にしてリモートから操作できるようにします。
sudo raspi-config
Interfacing Options → SSH → Yes を選択
2. SoftEther VPN Clientのインストール
2.1 必要なパッケージのインストール
sudo apt update && sudo apt install -y build-essential wget tar gcc make
2.2 SoftEther VPN Clientのダウンロードと解凍
cd ~
wget https://github.com/SoftEtherVPN/SoftEtherVPN_Stable/releases/download/v4.41-9782-beta/softether-vpnclient-v4.41-9782-beta-2022.11.17-linux-arm64-64bit.tar.gz
tar xzf softether-vpnclient-v4.41-9782-beta-2022.11.17-linux-arm64-64bit.tar.gz
cd vpnclient
2.3 ビルドと権限設定
make
sudo make install
cd /usr/local/vpnclient
sudo chmod 600 *
sudo chmod 700 vpncmd vpnclient
3. VPN Clientの設定
3.1 VPN Clientサービスの起動
sudo ./vpnclient start
3.2 VPN接続の設定
以下のコマンドを実行し、プロンプトに従って情報を入力します。
./vpncmd /client localhost
vpncmdプロンプト内で以下のコマンドを順に実行
NicCreate vpn_nic
AccountCreate vpn_account
AccountPasswordSet vpn_account
AccountConnect vpn_account
各コマンド実行時に必要な情報(サーバーアドレス、ポート番号、仮想HUB名、ユーザー名、パスワード)を入力します。
4. 自動起動の設定
4.1 自動起動スクリプトの作成
sudo nano /usr/local/vpnclient/autostart.sh
以下の内容を記述
#!/bin/bash
/usr/local/vpnclient/vpnclient start
sleep 10
/usr/local/vpnclient/vpncmd localhost /client /cmd AccountConnect vpn_account
スクリプトに実行権限を付与
sudo chmod +x /usr/local/vpnclient/autostart.sh
4.2 systemdサービスの作成
sudo nano /etc/systemd/system/vpnclient.service
以下の内容を記述
[Unit]
Description=SoftEther VPN Client
After=network.target
[Service]
Type=forking
ExecStart=/usr/local/vpnclient/autostart.sh
Restart=always
KillMode=process
[Install]
WantedBy=multi-user.target
4.3 サービスの有効化と起動
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl enable vpnclient
sudo systemctl start vpnclient
5. 接続の確認と動作検証
5.1 サービスステータスの確認
sudo systemctl status vpnclient
"Active: active (running)"と表示されることを確認します。
5.2 VPNインターフェースの確認
ip addr show
vpn_nic
というインターフェースが表示され、IPアドレスが割り当てられていることを確認します。
5.3 VPN経由の通信テスト
ping -I vpn_nic 8.8.8.8
ping応答があれば、VPN経由でインターネットに接続できています。
5.4 IPアドレスの確認
curl -s ifconfig.me
VPNサーバーのグローバルIPアドレスが表示されることを確認します。
トラブルシューティング
-
VPNサービスが起動しない場合
- ログを確認:
sudo journalctl -u vpnclient
- 設定ファイルのパスが正しいか確認
- 必要な依存パッケージがすべてインストールされているか確認
- ログを確認:
-
VPN接続が確立しない場合
- サーバーアドレス、ポート番号、認証情報を再確認
- ファイアウォール設定を確認:
sudo ufw status
-
VPN経由で通信できない場合
- ルーティングテーブルを確認:
ip route show
- DNSの設定を確認:
cat /etc/resolv.conf
- ルーティングテーブルを確認:
まとめ
以上の手順で、Raspberry PiにSoftEther VPN Clientをインストールし、自動的にVPN接続を確立する設定が完了します。この設定により、Raspberry Piを使用してセキュアな通信が実現できます。
実際の環境で検証を行い、各ステップが正常に機能することを確認しました。しかし、ネットワーク環境やVPNサーバーの設定によっては、追加の調整が必要な場合があります。
参考資料
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