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Windows標準WebサーバIISとFlaskを、httpPlatformを使って接続してみた

Last updated at Posted at 2023-02-16

はじめに

この記事では、Windowsに標準搭載されているWebサーバ(IIS)とFlaskを接続する方法を記します。

FlaskなどのPythonWebアプリケーションとIISとを接続させるのに、従来はFastCGIが一般的に使われていたようです。しかし、FastCGIのプロジェクトが維持されなくなったことから、MicrosoftがhttpPlatformの利用を推奨しています。
したがって、この記事ではhttpPlatformを使います。

前提

  • pythonインストール済。
  • IISインストール済。
  • Flask入門済。

環境構築

1.Flaskアプリの準備

app.pyの作成

今回はFlaskのチュートリアルから拝借。

app.py
from flask import Flask

app = Flask(__name__)

@app.route('/')
def hello():
    return 'Hello, World!'

プロジェクト(フォルダ)を作成

今回は次のフォルダを作成し、ここにapp.pyを格納しました。
C:\inetpub\wwwroot\flask\app1

権限の設定

wwwroot配下では、一般ユーザに書き込み権限が付与されません。
作業がつらくなるので、一時的に書き込み権限を付与しておきます。

右クリック>プロパティ>セキュリティ>編集

image.png

書き込みを許可にしてOKボタンをクリック。

Pythonモジュールのリストを作成

app.pyと同じ階層にrequirements.txtを作成します。
今回必要なのは、Flaskだけですね。
アプリに必要な分だけ追記します。

flask==2.0.1

Pythonの仮想環境を作成

コマンドプロンプトを起動してプロジェクトフォルダに移動後、次のコマンドを実行。

python -m venv myvenv
myvenv\scripts\activate

ここからのコマンドは全て仮想環境下で行います。

Pythonのモジュールをインストール

どばばばば。

pip install -r requirements.txt

Flaskの起動確認。

念のために一旦、単体で起動できることを確認しておきます。

set FLASK_APP=app
python -m flask run --port 5001

http://localhost:5001/
にアクセス。Hello!
image.png

確認できれば停止。

2.IISのプロジェクト作成~起動確認

web.configを作成

IISが用いるconfigファイルを、web.configと名付けてapp.pyと同じ階層に保存します。
web.configの内容については、Microsoftさんが用意してくださったサンプルと説明を参考にします。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
  <system.webServer>
    <handlers>
        <!-- httpPlatformモジュールを追加 -->
        <add name="httpPlatformHandler" path="*" verb="*" modules="httpPlatformHandler" resourceType="Unspecified" />  
    </handlers>
    <httpPlatform 
          processPath="C:\inetpub\wwwroot\flask\app1\myvenv\Scripts\python.exe" 
          arguments="-m flask run --port %HTTP_PLATFORM_PORT%"
          stdoutLogEnabled="true"
          stdoutLogFile="C:\inetpub\wwwroot\flask\app1\log\app1_log"
          startupTimeLimit="60" processesPerApplication="16"
          >
      <environmentVariables>
        <environmentVariable name="FLASK_APP" value="C:\inetpub\wwwroot\flask\app1\app.py" />
      </environmentVariables>
    </httpPlatform>
  </system.webServer>
</configuration>

ログ格納フォルダを作成

空ファイルを作成しておきます。

C:\inetpub\wwwroot\flask\app1\log\log.txt

httpPlatformをインストール

インストーラをダウンロードして実行します。

IISを起動し、Webサイトを追加する。

Windowsキー→IISと入力
IISマネージャを起動。
image.png

Webサイトを追加。
image.png

赤線部を入力してOKボタンをクリック。
image.png

サイトが追加される
image.png

追加したページにアクセスしてみる

エラーが出る。この時点ではHelloしてくれない。

image.png

applicationHost.configを編集

C:\Windows\System32\inetsrv\config\applicationHost.configを編集する。

applicationHost.config(変更前)
<section name="modules" allowDefinition="MachineToApplication" overrideModeDefault="Deny" />
applicationHost.config(変更後)
<section name="modules" allowDefinition="MachineToApplication" overrideModeDefault="Allow" />

アクセスしても応答がない。

IIS_IUSRSの権限を設定する

  • プロジェクトフォルダに書き込み権限を与えて、ログ出力できるようにする。
    image.png

  • PythonのインストールフォルダにIIS_IUSRSのアクセス権限を付与する。
    image.png
    image.png
    image.png

完走

ようやく辿り着きました。Hello。

image.png

感想

時間がかかった・・・。
権限の付与に関する部分は試行錯誤して随分時間をかけてしまった。
httpPlatformはDjangoやらNode.jsやらにも応用できるらしいです。
乗り越えておいてよかったと信じておきます。

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