ヒーリングマップは、近所にあるちょっとした林や川辺の自然がどれくらいの数の人に癒しを与えているか、視覚化したものです。
今回は、埼玉県内の都市地域を対象に、ヒーリングマップを作りました。
計算には QGIS(ArcGIS でも可)と 地図公開のため CARTO を使用しました。
都市の自然の抽出
- はじめに、「第6-7回自然環境保全基礎調査植生調査」(環境省生物多様性センター)の国土数値情報 都市地域データ)に該当する部分を抽出しました。
- 今回は、植生区分がブナクラス域自然植生、ブナクラス域代償植生、ヤブツバキクラス域自然植生、ヤブツバキクラス域代償植生のもの、もしくは大区分が湿原・河川・池沼植生、竹林のものを、都市の自然として扱いました。その凡例の植生を抽出しました。
都市の自然が癒しを与える範囲を算出
都市の自然は住民に癒しを与える範囲は、被らないものとします。手順としては
- 都市の自然の重心点を作成
- 重心点を使い、ボロノイマップを作成しました。
都市の自然が多く点在する地域では癒しを与える範囲は小さく、都市の自然が少ない地域では広範囲に癒しを与えることになります。
癒しを与える範囲の人口を算出
人口データは、「平成22年国勢調査(小地域)」(政府統計の総合窓口)を使用しました。このデータは小地域(町丁・字)ごとに区切られているため、面積按分し、癒しを与える範囲の人口を推定しました。
- 国勢調査データとボロノイマップをインターセクト
- インターセクト後の人口 <- 小地域の人口 * ( インターセクト後のフィーチャの面積 / 小地域の面積 )
- ボロノイマップの人口 <- インターセクト後の人口の合計
都市の自然に人口データを付与
算出したボロノイマップの人口を都市の自然データに空間結合しました。
これで、都市の自然データに癒しを与えられている範囲の人口(=癒されている人数)が付与されました。
公開用地図を作る
- carto.com にログイン
- 完成したデータをドラッグ&ドロップでアップロード
- 都市の自然を癒しを与えられている範囲の人口で段階的に色分けする
- パブリッシュボタンで URL を共有
作品ページ
みんなのヒーリングマップ(LODチャレンジ2016 作品ページ)
おもしろいなと思ってくださった方はリンク先でいいねしてくれると嬉しいです o(._.)o