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MacBookAir Mid 2018 に T2-Ubuntu を導入する

Last updated at Posted at 2023-10-19

T2-Ubuntu とは?

T2-Ubuntu とは、T2 チップ搭載 Mac 向け Ubuntu の名称です。

GitHub / T2-Ubuntu

T2 チップとは 2018 年以降に販売された Mac に搭載されているセキュリティチップの名称です。
Wikipedia / Apple T2

Apple / T2 チップ搭載 Mac 一覧

通常、公式が配布している iso ファイルから T2 チップ搭載機に Ubuntu をインストールしようとすると外部キーボードとマウスを必要とします。しかし、このプロジェクトが作成した iso ファイルからインストールするとそれらを使用することなくインストールを完了することが出来ます。

また、Linux 標準のドライバでは対応していない機能へのアクセスも提供しています。(ファンクションキーの動作等)

恐らく M1, M2 チップ搭載機には対応していません。これらの Mac に Linux を導入しようと考えている方は Asahi Linux の使用をお勧めします。
Asahi Linux 公式

導入理由

CPU が非常に貧弱 (Intel core i5-8210Y) であり、ブラウジングをしているだけで動作がカクつくので、その改善のため。

また、(恐らく)そろそろサポートが打ち切られセキュリティ上の問題が生じると予想されるので、最新のセキュリティ対応を受けるため。

導入

準備

導入した Ubuntu 上で Wi-Fi を使用するには事前にセットアップをしておく必要があります。
https://wiki.t2linux.org/guides/wifi-bluetooth/

上記セットアップを行わなかった場合でも、Wi-Fi の USB ドングルや 有線 LAN アダプタ を使用することでネットに接続できます。

うまくインストールできるか心配な方は事前にバックアップと macOS のブータブル USB を作成しておきましょう。
macOS 用ブータブル USB の作成手順はこちら (Apple / macOS の起動可能なインストーラを作成する)に記載されています。

macOS 用ブータブル USB 作成に必要な dmg ファイルは Mac からのみ入手可能なので、T2-Ubuntu 導入前に済ませておきましょう。

iso ファイルのダウンロード

公式リポジトリのリリースで iso.sh というスクリプトファイルが配布されているので、ダウンロードし実行する。
(iso ファイルは /home/[username]/Downloads に配置されます。)

Windows を使用している場合は WSL からスクリプトを動かしてファイルを取得することが出来ます。(zip, unzip コマンドを使用できるようにしておいてください。)

ブータブル USB の作成

Mac 以外にダウンロードするときと同じようにブータブル USB を作成します。

rufus 3.2.0 で作成したブータブル USB を使用したところ、
/casper/vmlinuz file not found
というエラーメッセージが表示されインストールすることが出来ませんでした。

Etcher で作成したブータブル USB ではインストールすることが出来たので、 ブータブル USB の作成には rufus ではなく Etcher を使うようにしましょう。

外部ディスクからの起動を許可

T2 チップを搭載した Mac はデフォルトの状態では外部ディスクからの起動が出来ないようになっています。
そのため、macOS ユーティリティから起動セキュリティユーティリティに入り外部ディスクから起動できるよう設定する必要があります。

手順はこちら (Apple / Apple T2 セキュリティチップを搭載した Mac の起動セキュリティユーティリティについて)

起動セキュリティユーティリティの

  • 「安全な起動」を「セキュリティなし」
  • 「許可する起動メディア」を「外部メディアまたはリムーバブルメディアからの起動を許可」

に変更します。

ファームウェアパスワードは設定しなくていいです。

ブータブル USB から起動

外部ディスクからの起動を許可したら再起動し、Apple ロゴが表示されたら Option キーを長押しして起動ディスクの選択画面を開きます。
このとき Macintosh ではない黄色い起動ディスクをクリックします。
(黄色い起動ディスクが複数ある場合は一番右のものをクリックしてください。)

Try to Ubuntu などいくつかのオプションが表示されたらお好みのオプションを選択してください。
(選択をミスると MacOS のパーティションが吹っ飛ぶので注意してください。)

Ubuntu のインストール

ここまでくればいつもの Ubuntu インストールと大きく変わらないのでポチポチ設定していってください。

インストール完了後

パッケージアップデート

ネットに接続して apt updateapt upgrade を実行します。

終わりに

タッチパッドの使用感が macOS でのものとかなり異なることや、一部ファンクションキーが効かないなど細かく見ていけば気になるところはありますが、大きくは変わらないのでサポートが切れかけている Mac を使い続けたい方にはお勧めです。

(音量調整や画面の輝度調整が macOS と同じキーで行えること、素の状態でBluetooth が使えることには驚きました。)

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