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「桜井政博のゲームを作るには」を自身の仕事・所属チームに当てはめてみる

Last updated at Posted at 2024-12-21

この記事はAkatsuki Games Advent Calendar 2024 21日目の記事です。
昨日は伊藤英知さんの「DotNET SDKのAOTを比較してみた」でした。
どの記事もアカツキ社員の個性が溢れていて読み応えがあるのでぜひ目を通してみてください!

はじめに

ゲーム業界に所属している皆さんであれば、桜井政博さんがYouTubeに投稿した「桜井政博のゲームを作るには」がこの業界に大きなインパクトを残したことは共通認識になっていると思います。

クオリティの高い動画を高頻度で投稿し、最終回には「この動画たちはすべて2年前に作り終えていたものだ」などととんでもない発言をしたことが話題となり、この人は本当に私たちと同じ人類なのだろうかと騒然となりました。

もちろんこの動画をただのエンターテインメントとして見ることも十分に価値があり、実際に桜井さんが手がけたスマブラシリーズやカービィシリーズの企画からゲームができるまでの流れはゲームファンにとってはたまらないものになっています。

しかし一方で、ゲーム業界に勤めている自分からすると、桜井さんの動画から最も吸収するべきところはチームビルディングや仕事への取り組み方の部分にあると考えています。

そこで本記事では、僕が桜井さんの動画を見た上で自身のチーム開発に活かしたい・取り入れたいと思ったポイントをセクションごとにまとめてみました。
アカツキゲームスがどのような要素を重要視しているか感じてもらうのもいいですし、同様の洗い出しをぜひみなさんの普段働いている環境にも適用させて考えてみていただければと思います。
各動画の引用はしておきますが、動画で何を喋っているかのまとめはあまり書きません。どれも5分程度で見やすいサイズのため、気になったらちらっと見ていただければと思います。

簡単に自己紹介

僕は現在株式会社アカツキゲームスでサーバエンジニアとして働いています。
2021年度に新卒として入社し、現在4年目です。
所属チームは運用フェーズに入っているスマートフォンゲームの保守・運用をしており、自分の興味としては他セクションの運用フロー改善やマスタのチェッキング作業、中長期的な課題の発掘・解消周りになります。
したがって、エンジニアという職種ではあるものの技術的な領域よりは運用改善のための取り組みなどに興味を持って取り組んでいます。

動画の構成について

桜井さんの出した動画は大きく14のセクションに分かれていました
A. 仕事の姿勢
B. ゲーム性
C. 企画・ゲーム設計
D. 仕様
E. チーム運営
F. グラフィック
G. モーション
H. エフェクト
I. サウンド
J. UI
K. プログラム・テクニカル
L. 広報
M. 雑談
N. 企画コンセプト

今回はこの中で、自身の運用改善やチーム開発の参考になる、以下のセクションに絞って取り上げます
A. 仕事の姿勢
C. 企画・ゲーム設計
D. 仕様
E. チーム運営
K. プログラム・テクニカル

気になった動画とその感想

A. 仕事の姿勢

遊びの仕事は遊びじゃない 【仕事の姿勢】

ゲーム業界など、自分の好きと仕事が近い現場だと必ず遭遇する問題ですね。
遊びを作る仕事は遊びとは全く異なる知識・得意領域が必要なので、「好きなことを仕事にしたら上手くいかず、嫌いになってしまった」ということがよく起こりうるのだと思います。
桜井さんが言っていた「自分が最も得意とする仕事だから」という答え、素敵ですよね。自分のチームはとあるIP作品を扱っているゲーム制作をしていることもあり、「その作品が好きです」という熱量を持って入ってくる方が多いです。
もちろんその熱意も重要なことなのですが、残念ながら作品が好きな人だけでゲームは成り立ちません。
僕が今のチームで働いている理由は「誰かの業務のサポートにやりがいを感じるから」「組織やワークフローを最適化することに長けているから」というものなので、こういった様々な目的を持った人が集まっていることがチームに必要なのかなと思います。
「プレイヤーを楽しませることが最終目的だ」と桜井さんは強調していますが、その目標をちょっと俯瞰するくらいのポジションの人が僕はある程度必要だと思っています。

お客さんに説明できるの? 【仕事の姿勢】

「遊び手にとって、作り手の都合など知ったことではありません」
これ、わかっていてもグサッときますね。もちろん避けようがないことはあるんですが、「今の仕様がこうなっているから仕方ないよね」と決めてしまいたくなることが多々あります。
僕が今のチームにいてよく思うのが、内部の人間は自分たちのゲームに精通しすぎてしまっているなということです。
もちろんゲームをやりこんでいるユーザをターゲットにする場合はいいのですが、こういう時はこのボタンを押すなど、仕様として慣れ親しんでいることで何の違和感も持たずに採用していることがあると思っています。
他にも、工数的に厳しく機能を削った結果、何の目的を果たしたい機能実装かよくわからなくなってしまった新規開発も見かけるので、常にユーザの何をどうするための改修なのかを忘れないようにしたいですね。

仕様を変えること 【仕事の姿勢】

プレイヤー体験に致命的になるような不具合や懸念であればみなさん声を大にして言ってくれるのですが、これが小さな改善要望などになるとなかなか出てこないんですよね。
僕はかなりこの類の提案をハードル低くするようにしています。
他の人が投稿すると「わかる」みたいなスタンプがたくさんつきますが、そう思ってるなら先に声あげてほしいなって思います。
こういう提案はタスクを増やすことになるので自分が旗振り役になるのは避けたいと思う人が多いのかもしれませんが、これを日常的にできる人を見ると「この人と仕事をすると楽しそうだな」と思います。

桜井さんの言っていた「その場ですぐに返事する」も大事だなと思いました。
「確認します」スタンプだけつけて長時間ドロンしてしまう動きは控えてほしいものです。すぐに答えが返ってこないと判断したら別の方法を検討するので。

とにかくやれ!! 【仕事の姿勢】

とにかく何かやりたい時におすすめの動画です。僕もこの記事を書く際はまずはじめにこの動画を見ました。
「やる気は後からついてきます」というのは大事ですね。とりあえず5分だけやってみる、というのは仕事だけでなく受験勉強などでも活きるテクニックな気がします。
僕が一つだけ補足したいのは、枕詞として「ある程度の作業効率を担保できたら」がついてもいいのかなと思います。
当然とにかくやると進捗は生まれるのですが、そもそもやり方が間違っている場合はとても非効率な作業を行なっていることが多いです。
これは特にエンジニアに顕著だとは思いますが、自動化などによってそもそも作業量のオーダーそのものが異なってしまう状況になるので、そういった場合の「とにかくやればいいんだ」には注意しましょう。
桜井さん本人はあまり意識していなさそうですが、事前に作業効率を極限まで高めた状態でとにかくやっていると思います。

おわりに

桜井さんというコンシューマーゲームの超有名ディレクターさんがこれだけの情報をYouTubeという無料のプラットフォーム上に提供してくれたことは相当な価値のあることだと思います(なぜ収益化しない...!)
なんとなくみるのもいいですが、ぜひご自身の仕事に当てはめてみて、何か改善できそうなところ・取り入れてみたいと感じた点が見つかればと思います。
アカツキゲームスのアドベントカレンダーもあと4日続くのでお楽しみに!

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