コンシューマ向けプロダクト開発において2つの大きな要素である「納得感」と「説得力」について紹介します。
良いものを作ったんだけど……
あなたは素晴らしいプロダクト・素晴らしい機能を作りました。
ユーザもそれを使ってくれました。
もちろん、要望を満たすであろう結果を返しています。
・・・でも、なぜかユーザの反応が思わしくない。
それ、もしかしたら 納得感 が足りてないのかも。
納得感
プロダクトは何らかの価値をユーザに提供するモノです。
では「ユーザに価値が提供できた」とはどういう状態でしょうか?
例えばユーザの質問に答えるプロダクトがあったとします。
ユーザは何らかの手段(文字入力?音声?)でプロダクトを介して質問をします。
プロダクト側は何らかの形(テキスト?音声?)でユーザに向けて回答をします。
プロダクトの裏にあるシステムではスーパーウルトラ凄い人工知能が動いており、どんな質問にも瞬時に、100%正確に答えを返せるものとします。
さて、これで全てのユーザは満足するでしょうか?
答えは NO です。
少なくとも、ユーザを満足させるには以下の大前提が必要です。
それは・・・「ユーザに、このプロダクトが100%正確な答えを返してくれると納得してもらう」ことです。
納得感がもたらすもの
前述のプロダクトは機能面では完璧なものだといえます。
しかし残念なことに、そのプロダクトを使うユーザ(つまり人間)は不完全なのです。
プロダクトがどんなに完璧な回答を出そうとも、受け手のユーザが「お、これは完璧な答えだ」と思わない限り、その完璧さ・素晴らしさは無意味になってしまいます。
嗚呼、なんて悲しいのでしょう……
さて、そこで必要になるのが 納得感 です。
ユーザがプロダクトを使うに辺り「お、こいつは完璧な答えを返すのだな」と納得していれば、前述の問題はクリアできます。
つまり、ユーザに納得感を与えることで、我々はようやくプロダクトの価値を正しく提供できるようになります。
(さらに言えば価値を誇張して捉えさせることも可能ですが、今回は割愛します)
納得感を引き出す説得力
ということで、ユーザに納得感を持ってもらわないとマズそうだと分かりました。
では具体的にどうすれば良いのでしょうか。
例えば先述のプロダクトについて「何でも完璧な答えを返すマシーン」とでも銘打てば良いのでしょうか?
(もちろんそれじゃダメだと分かりますよね)
ここで必要となるのが 説得 です。
我々はユーザに対し「このプロダクトは完璧な答えを返すんだよ」と一方的に伝える(先ほど名前付けみたいなもんですね)だけでなく、納得してもらえるよう説得しなければならないのです。
この世の中は、言ったら言った分だけ信じてくれるような純白の精神を持った人間は多くないのです。
だからこそ我々はユーザに信じてもらえるよう、説得力 を磨かねばなりません。
説得力持たせるには
説得力を持たせる方法は沢山あるだろうと思いますが、今回は「信頼感」と「オーナーシップ」の2つについて書きます。
信頼感
見ず知らずの人の話す内容より、身近な人の話を信じた経験はありませんか?
このように人間は信頼できる相手の話の方をより信じやすいです。
先ほどのプロダクトについても、名も無いスタートアップが発表した場合とGoogleが発表した場合では、仮に同じ性能でもユーザの納得感が大きく違うと分かるはずです。
このケースで信頼感を勝ち取る為には実績を積み上げる必要があります。
ユーザに大きな何かを納得してもらうには、小さな事柄について少しずつ実績を積み上げてからの方が良さそうです。
(人間関係と同じですね)
他にはユーザに対して何をしているか明らかにすることで信頼感が高められます。
先ほどのプロダクトの場合は、きっと凄い規模であろう「スーパーウルトラ凄い人工知能」のハードウェア群を見せてあげることで信頼感が得られそうです。
これはもっと簡単な内容にもでき、例えば何かレコメンドを出すときに「あなたにオススメ!」ではなく、「あなたの○○に基づいたオススメ!」とするだけでも効果があります。
(ただし「○○に基づいた」の部分に納得感が必要になる為、あまり複雑でないことが望ましいです)
オーナーシップ(自分ごと、所有感)
これはよくある「自分の目で見るまでは信じない!」というやつです。
他者の行動については色々と思うところは出てきますが、自分自身の行動の結果は疑いようがありません。
例えば世の中に数多の検索サービスがありますが、それらを使う際に「自分の指定した条件以外で検索されている」と疑うユーザは少ないと思います。
ユーザの手間と天秤にかける必要がありますが、少なくともユーザは自身の操作については納得してくれますので、自然な形でそれをプロダクトが価値を提供する流れに組み込むと良さそうです。
まとめ
- 素晴らしいプロダクトを作っただけで満足してはいけない
- ユーザに納得してもらうことで、プロダクトの価値が正しく提供できる
- ユーザへの納得感を高めるには説得力が必要
- 説得力を高める例として「信頼感」と「オーナーシップ」がある。
あとがき
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