AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスのプラットフォームで、さまざまなITリソースをインターネット上で利用できるサービスの集合体です。この記事では、AWSの代表的なサービスを初心者向けにやさしく解説します。
1. Amazon EC2(イーシーツー) - 仮想サーバーのレンタル
EC2は、仮想サーバー(インターネット上のコンピューター)を貸してくれるサービスです。
通常、ウェブサイトやアプリを動かすには物理的なサーバーが必要ですが、AWSではEC2を利用することでサーバーを自分で用意する必要がありません。
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特徴:
- 必要なときにだけサーバーを起動
- スケールアップ(サーバーの性能向上)も簡単
- 用途例:ウェブサイトのホスティング、アプリケーションの実行環境
2. AWS Lambda(ラムダ) - サーバーを持たないコード実行
Lambdaは、コードをサーバーなしで動かせるサービスです。通常、プログラムを動かすにはサーバーが必要ですが、LambdaではAWSがその管理を代行します。
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特徴:
- イベント駆動でコードが実行される(例:ファイルがアップロードされたら通知を送る)
- インフラの管理不要で開発に集中できる
- 用途例:リアルタイム処理、自動メール送信
3. Amazon S3(エススリー) - ファイルの倉庫
S3は、写真、動画、文書などのファイルを保存するための「倉庫」です。インターネット上で大量のデータを安全に保管でき、必要に応じて取り出せます。
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特徴:
- 高い耐久性
- 費用対効果が高い
- 用途例:バックアップ、データ共有、画像や動画の配信
4. Amazon RDS(アールディーエス) - データベースの管理
RDSは、データベースの管理を簡単にするサービスです。たとえば、顧客情報や商品情報を保存するためのデータベースを数クリックで作成できます。
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特徴:
- AWSがバックアップやセキュリティを管理
- MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなど主要なデータベースに対応
- 用途例:ECサイトの商品データ管理
5. Amazon VPC(ブイピーシー) - 仮想ネットワークの構築
VPCは、AWS上に自分専用のネットワーク空間を作れるサービスです。この空間内でリソース(サーバーやデータベース)を配置し、安全に通信できます。
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特徴:
- 外部アクセスを制限可能
- VPNを利用して社内ネットワークと接続も可能
- 用途例:安全なデータ通信が必要なシステム
6. AWS IAM(アイエーエム) - アクセス管理
IAMは、AWSのリソースに対するアクセス権を設定するサービスです。たとえば、「AさんはS3にアクセスできるが、EC2は触れない」といった権限管理ができます。
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特徴:
- ユーザーやグループごとに細かい権限設定が可能
- セキュリティ強化のための多要素認証(MFA)に対応
- 用途例:複数メンバーでのAWS利用
7. Amazon CloudFront(クラウドフロント) - コンテンツの配信
CloudFrontは、ウェブページや動画を高速で配信するサービスです。世界中の拠点にデータをキャッシュして、エンドユーザーに近い場所から配信する仕組みです。
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特徴:
- 配信スピードが速い
- SSL/TLSでのセキュアな通信が可能
- 用途例:動画ストリーミング、画像配信
8. Amazon DynamoDB(ダイナモディービー) - 高速なNoSQLデータベース
DynamoDBは、キー・バリュー型のデータを保存する高速データベースサービスです。特にスケーラブルで、大量のデータでも素早く処理できます。
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特徴:
- 自動的にスケーリングするため管理が簡単
- レイテンシ(遅延)が低い
- 用途例:リアルタイムチャット、セッション管理
9. Amazon CloudWatch(クラウドウォッチ) - 監視とアラート
CloudWatchは、AWS上で稼働しているサービスを監視し、異常があれば通知してくれるサービスです。
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特徴:
- システムのパフォーマンスを監視
- アラート機能で異常時に即対応可能
- 用途例:システムの安定運用
10. Amazon SageMaker(セージメーカー) - 機械学習の開発
SageMakerは、AIや機械学習のモデルを作成し、学習させて実用化するためのサービスです。
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特徴:
- データ準備、モデルのトレーニング、デプロイを一貫して実行可能
- 開発者がAIを簡単に利用できる環境を提供
- 用途例:画像認識、予測モデルの作成
まとめ
AWSのサービスは、初心者でも使いやすく設計されています。それぞれのサービスを理解し、必要に応じて使い分けることで、効率的にシステムを構築し、運用することができます。最初は小さなプロジェクトから始めて、少しずつクラウドに慣れていきましょう!