はじめに
2024年9月にSAAを受験して合格しました。
5月から勉強を開始したので、学習期間としては3〜4ヶ月程度となります。
著者スペック
- エンジニア歴
- 1年4ヶ月
- AWSとの関わり
- 未経験時に教本を見ながらALB, EC2, RDB, Route53, EIPを触る
- 業務でElasticBeanstalkとECSを触る(設計等はしてない)
- Webに関する知識
- 基本情報技術者の勉強をちょびっとやったことがある
- 学習スタイル
- テキストでのインプットが向いてる
- 動画教材は苦手(Udemy完走したことがない)
結果
合格ライン720点に対して748点と、ギリギリの結果でした。
合格には変わりないので胸を張ります!
俺はSAA保有者だ!!!
勉強方法
ここからは、自分がどのように勉強を進めたのかを具体的にまとめます。
学習方法解説YouTubeを見て、勉強に対するハードルを下げる
SAAについての基礎知識や勉強の進め方については以下のYouTubeを見ました。
「いけそうじゃん」と思えたらこっちのもんです。
実際はそう簡単には行きませんが、まずは何かを信じることが大切です。
期限を決める
自分は本業のクオーター目標に「SAAの受験」を設定しました。
受験が目標です。合格ではありません。
目標を達成するには勉強が不十分でも受験をする必要があります。
弊社には資格補助制度があり、合格した場合は受験費用が全額キャッシュバックされます。
受けなきゃいけない試験費用のキャッシュバックを受けるには合格するしかありません。
斉藤和義は「曲作りのモチベーションは?」という質問に対し「納期」と答えました。
追われる状況を作りましょう。
(こんな書き方をしていますが、すべて自分の意思で決めたことです。要するに自分に課題を与えろってことです。)
人によっては期日を決めるために先にテストの予約をしてしまう方もいるそうです(これをテストドリブンと言う(言わない))
全体像の把握
SAAで出題される範囲のAWSサービスの概要については以下のYouTubeプレイリストを2, 3周見ました。
内容は全然詳しくないので、知識の下地程度になればと思いながら見てました。
ping-t
メインはping-tというサイトを使用しました。
https://mondai.ping-t.com/g
このサイトはSAAの学習が無料ででき、問題の質・量ともに他のサイトと比較して最高レベルだと思います。
AI活用もでき、学習体験も良いのでおすすめです。
公式の過去問を解いてみる(無料版)
AWS公式がSAAの過去問を10問だけ無料で公開しています。
「SAA 公式過去問」とかでググると出てきます。
反省点に後述しますが、もっと早く、そして有料版の公式過去問を解けば良かったと思っています。
というのも、私が無料版の過去問を解いたのは試験前日の22:30でした。
問題一覧を見て、2つのことに驚きました。
- 問題はユースケース形式であること
- 問題文の日本語が読みにくいこと
「問題文の日本語が読みにくいこと」は実際の試験では緩和されていますが、問題形式に関しては完全に自分の調査不足でした。
まぁなんとかなるだろうと当日を迎えたものの、試験会場付近の大きな神社で
「せめて読みやすい問題文でありますように、、」
とお賽銭を投げたのも良い思い出です(神様ありがとう)。
話はそれましたが、自分はこの10問の過去問に関しては正答率70%でした。
ping-tの使い方
ここからは、自分がメインで活用したping-tの勉強方法を紹介します。
心構え
初見の問題は間違えて当然です。
間違えは実力不足ではなく、ただ知らないだけです。
知らないことは知れば良いだけなので、むしろ間違えをラッキーと捉えましょう。
分野ごとに10問ずつ問題を解く
このとき、未出題
タグは選択しません。
一度解いた問題でも何度も解きます。
分野の6割くらいを解いたら(飽きたら)次の分野に進みましょう。
お気に入り機能を活用し、間違えた問題から知識をインストールする
ping-tには、問題にお気に入りタグを付けることができます。
お気に入りタグは3つあります。
このお気に入りタグを活用し、確実に知識を身につける方法を紹介します。
- 間違えた問題を
お気に入り1
にタグ付けする -
お気に入り1
の問題を10問ずつ解く - 「この問題は次回以降確実に正答できる」という自信がついたら
お気に入り3
にタグを変更する -
お気に入り3
が増えて、お気に入り1
が減ることに喜びを感じる
お気に入り2
を使わないのは、誤タップを防ぐためです。
ping-tはスマホからも使いやすいので、この復習は電車に乗っているときにやってました。
AI解説機能を使って納得するまで深堀りする
ping-tにはAI解説機能が搭載されています。
間違えた問題や、理解を深めたい内容についてはこの機能を活用しましょう。
模試を受ける
いよいよ模試です。
本試同様、制限時間130分で、65問出題されます。
自分はランダム
で受験していましたが、他の出題順で受けても良かったかもしれません。
一般的にはコンスタントに過去問を80%の正答率で回答できれば本試も合格すると言われています。
ただし、ここでいう「過去問」はping-tの模試とは異なります。
ping-tの模試は本試の形式とは異なる機能単体のテストも含まれるので、簡単であることを理解する必要があります。
最終的なping-tスコア
最終的にはレベル19でした。
未回答の問題が148問ありますが、それでも合格できたのは運もあったかもしれません。
ミスが0だったのは、間違えた問題を正答するまで続けたからです。
お気に入り1(1度間違えて、まだ身に付いた自信がないもの): 48問
お気に入り3(1度間違えて、身についた自信があるもの): 283問
知っておくと良いこと
- 配点について
- 申し込み方法
- 当日の流れ
- ググると色々出てきます
- 特に以下二点は知っておくと良いです
- 本人確認書類が2つ必要だということ
- 問題の画面には 残り時間、今何問目か、見直しフラグ が表示されること
- 全問解き終わると見直しフラグを付けた問題一覧が表示され、見直すことができます
-
他人の体験記はアテにならないこと
- 所詮他人の体験です。前提知識も要領の良さも違います
- もちろんこの記事も読み終わったら忘れてください
問題の解き方コツ
ここからは、問題の解き方のテクニックを紹介します。
一番いいのは知識をもとに自信を持って回答することですが、
- 回答スピードを高める
- 回答根拠の一つにする
- 分からない問題への最終手段
として使えるテクニックだと思うので、知っておいて損はありません。
知らないサービスに対しては消去法
問題文の中で知らないサービスが出てきた場合は、消去法が有効です。
4つの選択肢に対して、
「これはCloudFrontの説明だな」
「これはLambdaの説明だな」
など、明らかに別のサービスを説明している場合は、それじゃない選択肢が答えになります。
選択肢の中で多く使われてる単語が含まれている
これはAWSに限らず他のテストでも使えるテクニックなのですが、
- Aは〜
- Bは〜
- Aは〜
- Aは〜
この場合、4つの選択肢の中でAが多く出現するのでAが含まれている1, 3, 4のうちのどれかが正解になることが多いです。
ほかにも、
- Aで、αする
- Bで、αする
- Aで、βする
- Cで、γする
の場合はAとαが含まれている1が正解になることが多いです。
キーワードでの紐づけ
問題文の中には、ヒントとなるキーワードが隠されています。
キーワードをキャッチし、それに紐づくサービスが関連する選択肢が解答になることが多いです。
- リアルタイム: Kinesis系
- 研究機関: Lustreなどの機械学習や分析に強いサービス
- SMBプロトコル: FSx for Windows File Server
他にもあるので、各自勉強しましょう。
合わせると全集合になる選択肢は、そのそれぞれから正解がある
例えば、「以下から2つ選べ」という問題があるとします。
- パブリック〜はA
- パブリック〜はB
- プライベート〜はC
- プライベート〜はD
このとき、パブリック + プライベート は全集合になるので、正解は
- 1か2の内からひとつ
- 3か4の内からひとつ
となる可能性が高いです。
パブリック + プライベート 以外にも組み合わせはあるので、各自勉強しましょう。
んなわけ(Well-ArchitectedFrameworkに反する)
勉強を進めていくと、AWSがユーザーに提供したいものが見えてきます。
選択肢に対して「AWSがユーザーにそんな運用をさせるワケがない」と感じることがあります。
そういった選択肢は排除していきましょう。
キーワードとしては
- 手動で〜
- テストはしない
- 〜する処理のLambdaを作り
他にも「んなわけキーワード」はあるので各自勉強しましょう。
反省
俺へ。
次資格勉強をするならこれに気をつけてね。
- 出題形式についてちゃんと理解すべきだった
- 公式の有料版過去問を試験1か月前からはじめても良かったかも
- 時間配分がギリギリになってしまった
- 最後の2問は上記のテクニックで回答した
- トイレに行きたくなった
- 直前に濃い緑茶を飲んだら利尿作用にやられました
なにより必要なもの
努力
エンジニアとしてスマートに合格したい気持ちは分かりますが、自分は努力しました。
我々は2週間の勉強で合格する必要ないので、自信がつくまでしっかり勉強しましょう。
「努力して合格するぞ!!」という気持ちになると、努力そのものが気持ちよくなってくるのでこの心持ちはおすすめです。
試験中諦めない
試験は問題の難しさ以外にも、時間や尿意との勝負が必要でした。
「次があるし、、」のような諦めの思考が何度もよぎりましたが、財布から飛び立った諭吉と英世のツーペアを思うと最後まで頑張ろう!辛いのは今だけ!という気持ちになりました。
おまけ: 他にやったこと
ping-tに出会う前は以下のサービスを使って学習しました。
もちろん知識を得るのに役立ちましたが、結局ping-tだけで良かったなぁ。
努力の記録として紹介します。
AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説を解く
こちらのサイトでは無料で100問の問題を解くことができます。
しかし、実際に出題される形式とはかけ離れているため、過去問対策ではなくAWSサービスの基本的な知識を得ることを目的にした方が良さそうです。
分からない単語が出てきたら本で調べる
『AWS認定資格 ソリューションアーキテクトアソシエイトの教科書: 合格へ導く虎の巻』をKindleで購入し、単語を検索して理解しました。
こういう本は頭から読まないのがコツです。
辞書的に使いましょう。
疑問点が発生したらChatGPTに聞く
サービスの違いや、具体的な使用方法など。
次は何する?
本当は他のAWS資格や基本情報とかを受けたら良いのかもしれませんが、しばらく試験勉強はこりごりです。
知識は身についたので、次はそれを実現する実装力と実績を身につけたいです。