先日、Microsoft から新たな CLI エディタ「Edit」が発表されました。
なかなか使いやすそうで好感触なので、Linux でも使ってみました。
分かる人にとっては「リリースページ からバイナリをダウンロードして、展開して、パスを通す」で終わりの話ですが、一連の操作を備忘録として残しておきます。
インストール
公式のインストール手順 の通りです。
Linux
# wget や xz が入っていない場合はインストールする。
# # Debian系の場合
# sudo apt update && sudo apt install -y wget xz-utils
# 本体のダウンロード(リリースから適宜バージョンを選択する)
wget -O edit.xz https://github.com/microsoft/edit/releases/download/v1.0.0/edit-1.0.0-x86_64-linux-gnu.xz
# 展開
unxz -c edit.xz > $HOME/.local/bin/edit
# ※ `$HOME/.local/bin` ディレクトリが無い場合は `/usr/local/bin` など別のディレクトリに変更するか、
# $ mkdir -p $HOME/.local/bin
# で作っておく。この場合PATHも通っていないので設定しておく。
# $ export PATH="$HOME/.local/bin/:$PATH"
# 実行権限を付与
chmod 755 $HOME/.local/bin/edit
# 実行できるか確認
edit --version
# 元ファイルを削除
rm edit.xz
Windows
将来的にWindowsに標準搭載される予定 だそうなのでそのうちインストールなしで使えるようになるはずです。2025-05-24 現在はターミナルから以下のコマンドでインストールできます。
winget install Microsoft.Edit
Linux (ソースコードからビルド)
macOS版は今のところ(2025-05-24 現在)バイナリは提供されていませんが、ソースコードからビルドすることで同様に使用できるはずです。
ビルド手順
※ docker run --rm -it debian:bookworm bash
で動作確認しました
# Rustをインストール
$ apt update && apt install build-essential curl git -y
$ curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh # Enter押下
$ . "$HOME/.cargo/env"
$ rustup install nightly
# gitリポジトリをクローン
$ git clone https://github.com/microsoft/edit.git
# 筆者環境ではコンポーネントが足りていないとのことだったので追加
$ rustup component add rust-src --toolchain nightly-x86_64-unknown-linux-gnu
# ビルド
$ cd edit
$ cargo build --config .cargo/release.toml --release
# 実行ファイルの移動
$ mkdir -p $HOME/.local/bin
$ PATH="$HOME/.local/bin/:$PATH"
$ cp target/release/edit $HOME/.local/bin/
$ edit --version
感想
Windows アプリケーションでよく使われる Ctrl+C/V(コピペ), Ctrl+S(保存) などがそのまま使えるのがいい感じですね。
コマンド(ショートカット)を忘れてしまってもマウス操作できるのも初心者に優しい気がします。WSL や Linux サーバーで動かしても問題なく使えました。
Windows に標準搭載されれば、Linux でもちょい使いのときに Vim や Emacs に代わって慣れたアプリとして Edit を使うという人も一定数現れるんじゃないでしょうか。
↑ WSL から SSH サーバーに接続し docker コンテナ内で Edit を起動した様子。
VSCode のターミナルで使うと Ctrl+Q(終了) などのコマンドが VSCode 側のショートカットと競合するため、そのままでは使えないのが欠点ですね。一般的で手に馴染むようなショートカットを採用している弊害ですが、まあ VSCode で繋いでいるなら code
を使えばいいですからね。
モーダルな Vim は初心者に優しくなく、組み込みのデフォルトエディターとしてふさわしくないので新しいエディタを作りました というのが気概を感じて好きです。今後の展開に注目したいです。