はじめまして。yrinsakaです。
筑波大学で実施される、enPiTという授業の一環でチーム開発を行いました。
この記事では、以下の4点からenPiTを振り返っていきたいと思います。
あまり記事を書くという経験がないため、多少見づらい文章になっているかもしれませんがご了承ください。
- 開発したプロダクトについて
- チームについて
- 秋学期中のプロダクト・チームの軌跡
- 期間を通した個人的振り返り
開発したプロダクトについて
プロダクト
EVP
Gadgeterは、自分が持っているガジェットをどのようにすれば最適な配置にできるかを解決したい自分の理想のデスクトップを知りたい人向けのデスクトップ共有SNSです。
もっているガジェットのジャンル検索によって、デスクトップガジェットYoutuberの視聴、Pinterestとは違って自分の持っているガジェットから、別のレイアウトを提案してくれるプロダクトです。
プロダクト作成の経緯
はじめは、机上の掃除を促すようなアプリケーションの開発を行っていましたが、そちらがうまくいきませんでした(後述)。その開発ではさまざまなデスク環境を見る機会がありました。
そこで、他の人のデスク環境を見るのが面白いという意見が出たことが発端となり、「他の人のデスク環境を参考に、自分のデスク環境を一新する」のに役立てるようなアプリケーションを作成することになりました。
ペルソナ
コロナ禍になり、オンライン講義で頻繁にデスクと向き合っている、大学2年生の後藤くん
課題
デスク環境を一新させたいが、どういうガジェットがあるのか、何を買ったらいいのかがわからない。また、ガジェットの配置で悩んでいる。
競合プロダクト
ガジェット系YouTuber
購入したガジェット、机周りの環境を動画形式で紹介する
動画ごとに1つのデスク環境しか知ることができない
動画を見るのに時間がかかる
レイアウトの説明がほぼない
Pinterest(「好みの画像・動画をあつめる」ことに特化したSNS)
ガジェットのリンクがない
机のサイズが自分の物と違う
ソリューション
インターネットでデスクの画像を調べることで、ある程度の解決策となり得る。
しかし、これだけでは画像内に写っているガジェットは何であるかが分からないことが多い。
そこで、ガジェットの配置を画像で見られるとともに、画像にあるガジェットのURLを知り、商品ページにアクセスできるようなアプリケーションによって解決を目指す。
独自の価値提案
- 自分の机のサイズで検索ができる
- ガジェットのジャンルから様々な配置がわかる
- 気になった商品のURLがわかる
使い方
-
gadgeterにアクセス
チームについて
自分の役割
これといった明確な役割はありませんでした。
どちらかと言えば、特にペアプログラミングなどでサポートにまわる場面が多く、時には客観的な視点からプロダクトについて意見を発することもありました。
技術力が欠如していたため、その面で貢献することができず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
メンバー
enPiT夏合宿時の2チームが合体してできたenjoy龍郎!!!というチームで活動を行いました。
院生3人・学部生3人で構成されていました。
穏やかな雰囲気で、とてもやりやすかったです。
共通認識を大切に
さまざまな事情から、チーム全員が揃わないこともありました。そのような中で、毎回、開発の前には現在がどういう状況であるかというのを共有する時間を設けて、チーム内の共通認識は常に大切にしていました。このようにすることで、わからない人がそのまま置いてけぼりにされるようなことはありませんでした。
秋学期中のプロダクト・チームの軌跡
gadgeterとチームの軌跡について記していきます。
第一段階(価値検証)
最初は、本当に自分たちのプロダクトに価値があるのかを慎重に確かめるために、チーム外の人々に実装の前にオズ法で価値検証しました。疑似的な体験をしてもらうために、ガジェットの検索入力をdiscordのチャットで行なっていただき、検索結果を手動で返すということを行い、一連の体験についてレビューをいただきました。また、Miro(オンラインホワイトボード)に、実際に想定している画面を作成し、これに対してもレビューをいただきました。これによってプロダクトの価値を十分に検証したのちに、実装へと移行することができました。
第二段階(デプロイ)
デプロイし、画像の一覧とガジェットのタグが見れるようになりました。
この段階で、第一段階を踏まえた動くプロダクトが完成し、実際に触ってもらいながらレビューをいただくことができました。
しかし、デプロイ当初はデスク画像が数枚並べられただけのものであり、この段階では「Google検索の方が良い」などといった多くの厳しい意見をいただきました。ただし、この段階でデプロイできたことで、以降のレビューもスムーズに行うことができました。デプロイという作業は大変難しいが、早いうちにデプロイしておくことが大事であるということがわかりました。(デプロイ組の皆様、本当にありがとうございました・・・)
第三段階(ジャンル検索)
ガジェットのジャンル検索ができるようになりました。これが初めて機能と呼べるものになります。
このことにより、自分が気になるガジェットに絞り込んでデスク環境を探すことができるようになりました。さらに、検索方法をボタン選択による検索にすることで、わざわざフリーワードを打つ時間を省略できるメリットも見出しました。「自分の理想を知る」ことに、一歩近づきましたが、この時点ではガジェットへのリンクがなく、Pinterestとの差別化があまりできていません。
第四段階(ガジェットのリンク)
デスク画像のガジェットのURLが表示されるようになりました。
これが既存プロダクトとの差別化をはかるための、中核となるような機能です。
画像内のガジェットの詳細知りたいのに、それが分からず、なかなか辿り着けない。この問題が、この機能一つによって解消されます。
スクリーンショット 2023-02-06 22.13.42.png
第五段階(机のサイズ)
机のサイズから検索できるようになりました。
前段階で、実際に自分の机で実現可能かどうかがわからないという問題を指摘いただきました。他にも、デスク配置のテーマ(かわいい、かっこいい)等で絞り込めたらいいなあ、といったようなレビューをいくつかいただいていました。
残りの時間が限られていたので、より多くのユーザにとって価値提供できて、実装も比較的簡単な、こちらの機能を実装することにしました。
この機能があることで、現実的な配置に絞って検索したり、ガジェットのサイズ感をイメージしながらデスク環境を探すことができるようになりました。
(夢物語)
このプロダクトは最終的に、ガジェットを知りたいいわゆる「ライト層」と、単純にガジェット好きでデスク環境をシェアしたい「ヘビー層」の両者にとって価値のあるもの、というところまでを想定していましたが、惜しくも到達できず悔しい思いをしました。投稿機能等も考えていました。
期間を通した個人的振り返り
ユーザへの価値提供
enPiTでは、ウォーターフォールではなくアジャイルの手法で開発を行います。そのため、「すごいプロダクトを作る」ことではなく、「ユーザにとって価値のあるプロダクトを作る」ことを目的とした授業になります。
振り返れば、私たちの班は上述の通り一度プロダクトの開発を断念しました。
最初は実装のことばかりを考えていたため、ユーザにとっての価値を考えたものとは言えませんでした。そのため、ユーザへの価値提供が難しいとわかり始めたのは少し遅かったかもしれません。
1回あたりの開発時間は100分でしたが、これは決して長くはありませんでした。
そこで、「最短の実装でユーザにとって価値のある何かを生み出す」ことが重要だと、何度もご指摘をいただいていました。1度目はこれが全くできていなかったというのが正直なところです。2度目の開発では、このことを強く意識して臨むことで、ユーザ目線の開発ができるようになっていったのではないかと思っています。個人的には、この言葉がアジャイル開発を象徴するような言葉なのではないかと思っています。
後悔
enPiTを受けて後悔したとか、そういうわけではありません。他の授業とは比べ物にならないほど、enPiTで学べたことは多く、受けてよかったなって思っています。
だからこそ、はじめからもっと意欲的に取り組むべきでした。
僕の一番の短所だと自負していますが、自分は惰性で過ごしてしまいがちです。チーム開発でも、自分に自信がなさすぎるあまりに、はじめは発言が少なく受け身になってしまう場面が多かったような気がします。チームとしての環境も大変恵まれていたはずなのに、なんてもったいないことをしたんだろうと思います。講義でも、集中力がないあまりに大事なことを見落としていたかもしれません。もっと姿勢良くしていれば、もっと身につけられることがあったはずなので、「後悔」の二文字が浮かび上がります。
しかし、最後の方は自分から発言することも少しずつ増え、皆でより良いものを作っていく流れがどんどん良くなっていって、プロダクトにも愛着が湧いていったので、楽しかったです。最初はうまくいかないこともありましたが、無事にこのメンバーでenPiTを終えることができて嬉しいとともに、メンバーには感謝してもしきれません。
今後
私事ではありますが、先月開発職としての就職が決まりました。そのため、チーム開発がおそらく日常となります。enPiTで学んだ考え方や、開発の経験を活かして、今後の人生に役立てていきたいです。
また、そもそも、現在は技術力が圧倒的に足りていません。今後、足を引っ張らないように、さらには、自分が戦力となれるように、残りの大学生活ではコードを書きまくってスキルを今すぐからでも磨いておく必要があります。
そして、このように記事を書くことでアウトプットを行いながら振り返ることは、とても大事なことだと感じました。自分の成長のためにも、Qiitaをもっと有効活用していきたいと思います。ゆくゆくは、お堅くなりすぎず、もう少し人間味の溢れるような、ついつい読みたくなるような文章を書けるようになりたいですね。。。
以上になります。
拙い文章でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
そして、enPiTの関係者の皆様、長い間大変お世話になりました。
それでは失礼します。