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各種スイッチの違い

Last updated at Posted at 2021-03-30

はじめに

L1、L2、L3、L4、L7スイッチの違いについて、まとめています

スイッチとは

  • ネットワークにおける交通誘導員のこと
  • データの中身を見て、行き先を案内してくれる

L=レイヤの略で、OSI参照モデルの各レイヤに応じて、データの振り分けを行うスイッチが存在します

各スイッチについて

L1スイッチ

物理層に対応するスイッチを指します

  • あまり一般的ではない
  • ケーブルのinput、outputを中継するためのポートが並んでいる「パッチパネル」がこれに当たる
  • 大規模な環境において、例えば機器を一台増やす際などの配線の管理がしやすくなる

L2スイッチ

データリンク層に対応するスイッチを指します

  • 主な中継情報はMACアドレス
  • 宛先となるMACアドレスを見て、適切なポートにフレームを転送する
  • ネットワークの中継機器であるスイッチングハブがこれにあたる
    • 各ポートに接続されている端末のMACアドレスを、フレーム送信時にMACアドレステーブルに記憶し、当該の通信とは関係のないポートへ信号が流れるのを防止する
    • ただし、L2スイッチ内のMACアドレステーブルに、該当するMACアドレスが存在しない場合はブロードキャスト(一斉通信)する

小規模拠点や一般家庭では、L2スイッチで構成されるケースがほとんどです

また、仮想スイッチとして構築される場合もあります
1台の物理サーバ上で複数の仮想マシン(VM)を動作させる際に、仮想スイッチとして構築され、各VMの仮想NICが接続されます

L3スイッチ

ネットワーク層に対応するスイッチを指します

  • 主な中継情報はIPアドレス
  • L2スイッチとの違いは、IPによるルーティングを行うかどうか
  • 宛先となるIPアドレスを見て、適切なポートにパケットを転送する
  • デフォルトルートを設定することで、L3スイッチのルーティングテーブルに書かれているIPアドレスが存在しない場合、デフォルトルートに繋がるポートへと転送する

ルータとL3スイッチの違い

LANを超えて通信するという点は同じだが、以下の点が異なる

  • ルータはLANとWANの境界に設置するのに対し、L3スイッチはLAN内に設置する
  • ルータの場合はNAT/NAPTの機能を備えている
    • プライベートIPアドレスを使うLANとグローバルIPアドレスを使うWANの間でパケットのやり取りを行う必要がある為
  • ルータの場合はVPNや外部からの通信を制限する機能がついていることもある

ルータの場合はWANやインターネット接続に特化した機能がついています

L4スイッチ

トランスポート層に対応するスイッチを指します

  • 主な中継情報はTCP/UDPのポート番号
  • 複数サーバーへの負荷分散や、セッションの最適化を行える
  • 宛先となるTCP/UDPポートを見て、適切なサーバーにパケットを転送する

L7スイッチ

アプリケーション層に対応するスイッチを指します

  • 主な中継情報はパケットの中身
  • クライアントから見たときの接続先IPアドレスはLBのIPアドレスとなる
  • Cookieを利用したスティッキーセッションを行うことも可能

スティッキーセッションとは、Cookieに割り振り先を指定する事で、ロードバランサがリクエストを振り分ける際に、特定のクライアントからのリクエストを特定のサーバに紐付けることが出来る機能です

  • 他にも、クライアントのアクセス先のURLに応じて処理するWebサーバーを振り分ける処理が可能

L4、L7スイッチの共通点

  • ロードバランサはL4スイッチ、L7スイッチのことを指す
    • 負荷分散する際にサーバーの死活監視を行っている点が特徴

L4スイッチの場合、特定サーバーのIPやTCPポートの組み合わせを監視し、応答が無くなると当該ポートの機能停止を判断し、一時的に負荷分散の対象から外したりします

※L7スイッチも同様に、特定URLを監視しています

(おまけ)L5、L6スイッチはないの?という話

セッション層、プレゼンテーション層に対応するL5,L6スイッチは調べた限りでは存在しませんでした

参考文献

インフラエンジニアの教科書
ネットワーク超入門講座 第5版

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