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Claude 3とAWS CDKを使い爆速でAWSの検証が出来る環境を手に入れよう!

Last updated at Posted at 2024-03-15

はじめに

  • 今回は、今話題の Claude 3AWS CDKというAWSインフラのプロビジョニングツールを使い、簡易的なメール通知の仕組みを作成しました。
  • 基本的にはClaudeに尋ねながら構築を行っており、AWS CDKの最初のセットアップ以外はコードをほとんど書いていません。
  • なので、AWS CDKに馴染みが無い方でも、最初のセットアップさえ出来れば、Claudeを活用しながら、どなたでもAWS CDKをご活用頂けるのではと考えております。

技術要素の紹介

Claude 3

2024年3月4日に発表されたAnthropic社の最新モデルの生成AIです。

  • 特に驚いたのは「マルチモーダル」対応という事で、画像やPDFの分析もしてくれます。
  • anthropic.comに登録すると、Claude 3 Sonnetをお試し頂けます。
    • 今回はこちらを利用し、AWS CDKのコードを出力しています。

AWS CDK(AWS Cloud Development Kit)

  • 一言で表すと、プログラム言語(ex. TypeScirpt、Python、Java、Go)でAWSリソースを定義できるツールで、IaC(Infrastructure as Code)を実現する手段として用いられます。
  • 2019年7月にv1が、2021年12月にv2がリリースされています。
  • CDKを実行すると、裏側ではAWS CloudFormationを用いたリソースデプロイが実行されます。
  • CDKを用いる事で、CloudFormationよりもより少ないコード量かつ抽象化した記述が可能です。

AWS CDK と 生成AIを組み合わせると何が便利?

  • CDKは「普段なじみのあるプログラム言語」でインフラを記載できるのが特徴の一つです。
  • ただ、人によっては普段プログラムを書かないので触ってみることに抵抗がある方もいらっしゃるのではと思います。
  • そこで出番となるのが生成AIで、特に今回触ってみたClaude 3はかなり精度が高く意図したCDKのコードを生成してくる印象です。

CDK は何から学習するのがオススメか

  • 個人的には、まずAWSのBlack Beltを視聴、または資料に目を通してみることをオススメします。
  • CDKの基本的な概念や、どういった学習リソースがあるかが分かります。

Claude 3 で使われる CDK について

  • 私はCDK v2になってから使い始めたのですが、以前利用していたChatGPT(GPT-3.5)は、CDK v2リリースから日が浅いのか、CDK v2のコードを出力するには少し物足りない印象がありました。
  • CDK v1は2023 年 6 月 1 日にサポートを終了している為、基本的にはv2を使うといいと思います。
  • 今回は、学習データも溜まっていそうだという期待を込め、Claude 3にCDKの出力を依頼してみた背景もあります。
    • なお、Claude 3に直接尋ねてみると、2023年8月時点までの情報を利用しているとの返答があります。
    • github - aws/aws-cdkのreleaseを見る限りだと、2023年の8月には既にv2.90.0がリリースされている為、少なくともCDK v2の情報を保持している事が分かります。

AWS Lambda

  • サーバレスなコンピューティングサービスです。
  • 今回は、Lambdaの中でSNSを呼び出す処理を、CDKを用いてデプロイしています。

AWS SNS

  • フルマネージド型のメッセージング・モバイル通知サービスです。
  • SNSトピックを設定し、そこに対してサブスクライブという形で今回はメールアドレスを登録します。
  • 今回は、上記の設定をCDKを用いてデプロイしています。

構成

今回の構成は以下です。

  • AWS SNSトピックを作成
  • トピックへのサブスクライブの作成
    • 送信先メールアドレスの登録
  • Lambdaの作成
    • トピックに対してpublishを行い、SNSでメール送信

application-composer.png

構成図の出力について

  • 今回の構成図はVSCodeのAWS Toolkitの拡張機能を使い、Application Composerを用いる事で、CloudeFormationのテンプレートを可視化しています。
  • リソースの関連が一目で分かるので、便利です。

CDKコードの準備

下準備

  • CDKプロジェクト用のディレクトリ作成と、cdk initを済ませます。
  • TypeScriptの場合は、以下ドキュメントが参考になります。

To work with the AWS CDK, you must have an AWS account and credentials and have installed Node.js and the AWS CDK Toolkit. See Getting started with the AWS CDK.
You also need TypeScript itself (version 3.8 or later). If you don't already have it, you can install it using npm.

  • 要約するとNode.jsTypeScriptCDKのインストールと、AWSアカウントの認証情報が必要です
  • 私の場合は、以下バージョンを手元の環境で利用しています
PS C:\Users\yoyoyo-pg> cdk --version
2.118.0 (build a40f2ec)
PS C:\Users\yoyoyo-pg> node -v
v20.11.1
PS C:\Users\yoyoyo-pg> tsc -v
Version 5.4.2

なお、今回構築したサンプルコードはGitHubリポジトリ上に公開しています。

CDKプロジェクトのセットアップ

下記コマンドを実施する事で、CDKプロジェクトのセットアップを行います。

cdk init app --language typescript

CDKコードの追記

  • SNSとLambdaのCDKコードです。
  • 命名以外は、基本的にそのままClaude 3から吐き出された物を利用しています。
sns-sample-stack.ts
import * as cdk from 'aws-cdk-lib';
import { Construct } from 'constructs';
import * as sns from 'aws-cdk-lib/aws-sns';
import * as subscriptions from 'aws-cdk-lib/aws-sns-subscriptions';
import { NodejsFunction } from 'aws-cdk-lib/aws-lambda-nodejs';

export class SnsSampleStack extends cdk.Stack {
  constructor(scope: Construct, id: string, props?: cdk.StackProps) {
    super(scope, id, props);
    // SNSトピックを作成
    const topic = new sns.Topic(this, 'Topic', {
      topicName: 'sampleTopic',
    });
    // メール送信先の設定
    topic.addSubscription(new subscriptions.EmailSubscription('yoyoyo-pg@gmail.com'));
    // ARNをアウトプット
    new cdk.CfnOutput(this, 'TopicArn', {
      value: topic.topicArn,
      description: 'Topic ARN',
      exportName: 'TopicArn',
    });
    // Lambdaを作成してSNSトピックにメッセージを送信
    const sendEmailFunction = new NodejsFunction(this, 'SendEmailFunction', {
      entry: 'lambda/sendEmail.ts',
      handler: 'handler',
      environment: {
        TOPIC_ARN: topic.topicArn,
      },
    });
    // Lambdaにトピックへの公開権限を付与
    topic.grantPublish(sendEmailFunction);
  }
}
  • Lambda内のコードです。
  • 今回のLambdaランタイムはNode.jsを利用しています。
  • こちらに関しては、Claudeから出力されたものに対して、一切手を加えていません。
sendEmaill.ts
import { SNSClient, PublishCommand } from '@aws-sdk/client-sns';

const snsClient = new SNSClient({});

export const handler = async (event: any) => {
  const topicArn = process.env.TOPIC_ARN;

  const params = {
    Message: 'Hello, this is a notification from Lambda!',
    TopicArn: topicArn,
  };

  try {
    const data = await snsClient.send(new PublishCommand(params));
    console.log('Message sent successfully:', data);
  } catch (err) {
    console.error('Error sending message:', err);
  }
};

CDKを用いたデプロイ

cdk deployの実施

  • cdk deploy スタック名というコマンドを叩く事で、CloudFormationのスタックデプロイを実行できます。

今回はNodejsFunctionというCDKのコンストラクトを利用しており、その関係でローカル環境にdockerが必要です。

cdk-deploy.png

  • デプロイ完了時

62e7078b-9f4b-5861-545c-fc4bb1c3b95e.png

  • この時点で、上記に示した構成がCloudFormationのスタックとしてデプロイされています。
  • 実はこれもCDKの凄い所なのですが、明示していないLambdaの実行ロールも自動生成してくれます。

cfn.png

SNSサブスクライブの確認

  • なお、SNSのトピックを見てみると、メールアドレスが保留中の状態となっています。

topic-notauth.png

  • 実際に対象のメールアドレスに確認のメールが届くので、Confirm subscriptionを選択します。

confirm-subscription.png

  • Confirm subscriptionを選択すると、サブスクライブが成功します。

subscription-complete.png

topic-auth.png

  • この状態で、Lambda関数の実行をすると、メール送信が可能となります。

send-success.png

おわりに

  • 今回、AWS SNSも、LambdaのNodejsFunctionも初めて使ってみたのですが、背景知識さえあればCDKのドキュメントを読むことなく実装を完了させることが出来ました。
  • CDK自体も、ちょっとしたサービスの検証をする上で既に便利なのですが、生成AIの力を借りる事で、より構築のスピードを早めていく事が可能だと思います。
  • これを機に、AWS CDKがより広まると嬉しいなと思います。

参考文献

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