AWS Outposts は、AWS のインフラとサービスを オンプレミス環境 に拡張するためのマネージドサービスです。AWS のデータセンターと同じハードウェアを自社のデータセンターやコロケーション施設に導入し、AWS のサービスをローカルで実行できます。
1. AWS Outposts の概要
🖥️ どんなもの?
- AWS が提供する 物理ラック(オンプレミスに設置)
- AWS の EC2, EBS, RDS, S3 などのサービスをローカルで実行可能
- AWS マネージド:ハードウェアの管理は AWS が実施
- AWS リージョンと連携し、ハイブリッドクラウド 環境を実現
📌 主要なユースケース
- レイテンシーの短縮(AWS のデータセンターが遠い場合)
- データのローカル処理(規制要件でデータを国外に出せない場合)
- エッジコンピューティング(工場、病院、小売店など)
2. AWS Outposts の種類
-
AWS Outposts Rack
- 42U ラックサイズ(オンプレミス用のフルサイズラック)
- AWS が配送・設置・運用を担当
- EC2, EBS, RDS, EKS, ECS, S3 などが利用可能
-
AWS Outposts Servers
- 1U または 2U のサーバー
- 小規模環境向け(支社・小売店など)
- EC2, EBS などが利用可能
3. AWS Outposts の構成
AWS Outposts のセットアップには、以下の主要コンポーネントが含まれます:
コンポーネント | 説明 |
---|---|
Outposts Rack | 物理的なラック(ネットワーク機器、サーバー) |
Outposts Local Gateway (LGW) | AWS Outposts とオンプレミスネットワークを接続 |
Outposts Service Link | AWS リージョンとの通信を管理 |
Outposts Networking | VPC サブネット、セキュリティグループ、ルートテーブルなど |
4. AWS Outposts の導入プロセス
- AWS マネジメントコンソールで注文
- AWS が Outposts を配送・設置
- オンプレミスネットワークとの統合
- AWS コンソールで Outposts の設定
- AWS サービスをデプロイ(EC2, S3, EKS など)
5. AWS Outposts の管理
- AWS マネジメントコンソール から Outposts を管理
- AWS CLI / SDK を使って API で操作
- CloudWatch でモニタリング
- AWS Systems Manager でパッチ管理や運用自動化
6. 料金
- 初期費用なし(3年 or 5年契約)
- 月額 or 一括払い
- 設置・運用は AWS が担当
- データ転送料は別途発生する可能性あり
7. AWS Outposts と 他のエッジサービスの比較
サービス | 用途 |
---|---|
AWS Outposts | オンプレミスで AWS のサービスを実行 |
AWS Local Zones | AWS が提供するリージョン外データセンター |
AWS Wavelength | 5G ネットワークエッジ向け |
AWS Snow Family | オフラインデータ転送 & エッジコンピューティング |
📌 まとめ
✅ AWS のインフラをオンプレミスで利用できる
✅ ハイブリッドクラウドや低遅延アプリに最適
✅ AWS がハードウェアを管理するため運用負担が少ない
✅ Outposts Rack(フルラック) と Outposts Servers(小型サーバー) の2種類がある