「Amazon ElastiCache for Redis」と「Amazon ElastiCache for Memcached」は、どちらもインメモリキャッシュサービスですが、それぞれに得意分野・特徴・使いどころがあります。以下に違いと使い分けの指針を示します。
🔍 主な違い(Redis vs Memcached)
特徴 |
ElastiCache for Redis |
ElastiCache for Memcached |
データ構造 |
リッチ(文字列、リスト、ハッシュ、セットなど) |
シンプル(文字列のみ) |
永続化 |
対応(RDB・AOF)※ElastiCacheでは一部制限あり |
非対応(キャッシュ専用) |
レプリケーション |
対応(マスタースレーブ構成) |
非対応(各ノード独立) |
スナップショット(バックアップ) |
可能 |
不可 |
ストレージ容量のスケーリング |
水平+垂直スケーリング可能 |
水平スケーリングのみ(シャーディング前提) |
高可用性 |
自動フェイルオーバー、マルチAZ対応 |
非対応 |
セキュリティ |
Redis AUTH対応 |
なし(VPCなどで制御) |
Pub/Sub や TTL |
サポート |
非対応 |
🧠 使い分けの目安
✅ Redis を選ぶべきケース
- セッション管理やユーザーデータの一時保持(例:ログインセッション)
- キューやPub/Subの仕組みをキャッシュ内で実現したい
- データの再利用頻度が高く、高可用性や永続性が重要
- 高度なデータ構造(例:ランキング処理、セット演算など)を活用したい
- 自動フェイルオーバーやバックアップが必要
✅ Memcached を選ぶべきケース
- シンプルなキー/バリューのキャッシュ用途(例:APIレスポンス、DBクエリ結果)
- データの永続性やフェイルオーバーが不要(キャッシュミスしても問題ない)
- 読み取り性能重視で、スケーラブルかつ軽量な構成が求められる
- システム側でシャーディング制御が可能、またはそれが望ましい
💡 結論(ざっくりまとめ)
ケース |
推奨エンジン |
シンプルなキャッシュ用途(DB結果、HTML) |
✅ Memcached |
セッションストア、ランキング、トランザクション処理 |
✅ Redis |
高可用性、フェイルオーバーが必要 |
✅ Redis |
データの永続性やバックアップが欲しい |
✅ Redis |
とにかく軽くて速い、スケーラブルなキャッシュが欲しい |
✅ Memcached |