ディスクストライピング技術(Disk Striping)とは、複数のディスクにデータを分散して書き込むことによって、ディスクの読み書き性能を向上させる技術です。主に RAID 0(Redundant Array of Independent Disks, level 0) として実装されます。
🔧 ディスクストライピングの基本
■ 概要:
- データを小さなブロック単位(ストライプ)に分けて、複数のディスクに並行して書き込みます。
- データの冗長性(耐障害性)はありませんが、性能向上(特にスループットとIOPS)が目的です。
📊 特徴
特徴 |
説明 |
✅ 高速化 |
複数ディスクに同時にアクセスすることで、読み書き速度が向上 |
❌ 冗長性なし |
どれか1本のディスクが故障すると、全体のデータが破損する |
🎯 主な用途 |
一時ファイル、キャッシュ、非重要な大容量データ、高速I/Oが求められるDB |
🧰 実装方法
OSレベルでの実装:
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Linux:
mdadm
や LVM
で RAID 0 を構成
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Windows:ディスクの「ストライプ ボリューム」機能
クラウド(AWS, Azure, GCP)での実装:
- 複数のブロックストレージ(例:EBS)をRAID 0で束ねる
- 例:4本のEBSをストライピング → 1つの高速論理ボリュームとして利用
📌 AWSでの利用例(EBS Striping)
- EBS 1本の最大IOPSやスループットには制限があるため、複数のEBSボリュームをRAID 0で束ねて性能向上。
- AWS公式も一部のユースケースで推奨(例:Oracle DBやログ処理など)
⚠️ 注意点
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バックアップは必須:1台でも壊れるとデータ全体が失われる
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EBSスナップショットの扱いに注意:RAID 0構成だと一貫性のあるスナップショットを取るのが難しい
✅ まとめ
項目 |
内容 |
技術名 |
ディスクストライピング(RAID 0) |
目的 |
I/O性能の向上(並列アクセス) |
長所 |
高速、スループット向上 |
短所 |
冗長性なし、1本の障害で全損 |
主な用途 |
キャッシュ、高速DB、分析処理、一時データ |