Azure Ephemeral OS Disk(エフェメラル OS ディスク)は、Azure Virtual Machines(VM)の OS ディスクとして使用できる、一時的なディスクです。通常のマネージドディスクとは異なり、エフェメラル OS ディスクは仮想マシンのローカル一時ディスクに保存されます。そのため、ディスクのデータは VM の停止・再起動や削除時に消失する可能性があります。
主な特徴と利点
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高速起動と再起動:
- エフェメラル OS ディスクは仮想マシンのローカルストレージ上にあるため、通常の OS ディスクよりも高速に VM を起動・再起動できます。
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コスト削減:
- ストレージコストを削減できます。通常のマネージドディスクとは異なり、エフェメラル OS ディスクの使用には追加料金がかかりません。
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ステートレスワークロードに最適:
- 状態を保持しないワークロードや一時的な仮想マシンに適しています。たとえば、スケールセットの自動スケーリングや短時間での検証や開発に向いています。
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VM サイズの制約:
- 一部の Azure VM サイズではエフェメラル OS ディスクは利用できません。対応している VM サイズを選択する必要があります。
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VM スケールセットとの互換性:
- エフェメラル OS ディスクは VM スケールセットと非常に相性がよく、スケールイン・スケールアウト時に高速なデプロイが可能です。
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保存データの耐久性なし:
- データは VM のライフサイクルに依存し、OS ディスクのデータが持続的に保持されません。したがって、重要なデータは別の永続ディスクやストレージに保存する必要があります。
使用シナリオ
- 開発・テスト環境: 短期間のテストやステートレスな開発環境で役立ちます。
- コンテナ化されたアプリケーション: コンテナ化されたアプリケーションのように、アプリケーションのステートが重要でない場合に最適です。
- Azure Kubernetes Service (AKS): AKS のノードを高速にデプロイしたり、リソースをスケーリングする場面で便利です。
設定方法
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VM 作成時:
- Azure ポータル、Azure CLI、または ARM テンプレートを使用して、VM の作成時にエフェメラル OS ディスクを選択できます。
例(Azure CLI):
az vm create --name MyVM --resource-group MyResourceGroup --image UbuntuLTS --ephemeral-os-disk true
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VM スケールセット作成時:
- VM スケールセットの作成時にも、エフェメラル OS ディスクを使用するオプションがあります。
エフェメラル OS ディスクは、デプロイ速度やコスト削減を重視する環境で有効です。ただし、永続的なデータが必要な場合には通常の OS ディスクを選択する必要があります。