「AS Path Prepend(エーエス・パス・プリペンド)」とは、BGP(Border Gateway Protocol)で使われるルーティング制御のテクニックです。
簡単に言うと…
🧠 一言でいうと?
「遠回りに見せかけて、その経路を優先されにくくする」ための設定
🛰 どういうこと?
BGPでは、どの経路を使うかを決めるときに「ASパスの長さ(通ったネットワーク数)」が短いものをより好むというルールがあります。
📦 例:通常のASパス
あるルートが通ってきた経路:
AS100 → AS200 → AS300
ASパスの長さは「3」
🧩 AS Path Prependを使うと
同じルートに対して、意図的にAS番号を複数回つけ足す(prepend)ことで…
AS100 → AS200 → AS300 → AS300 → AS300
→ AS300が3回も出てくるので、「この経路は遠い・よくない」と判断されやすくなる
→ 他の経路が選ばれるようになる
🛠 よくある用途
用途 | 説明 |
---|---|
🔀 冗長経路の優先制御 | メイン回線を優先させ、バックアップ経路はAS Pathを長くして「遠回り」に見せておく |
☁️ マルチホームでの経路制御 | 複数ISPを使っていて、どちらを使わせるか調整したいとき |
🚫 注意点
- Prependはあくまで「相手に対しての見せ方」です
- 自分のネットワーク内では何も変わりません
- 効きすぎると、トラフィックがまったく流れてこなくなることもあるので要注意!