Amazon AppFlow は、SaaS アプリケーション（Salesforce、Slack、Google Analytics など）と AWS サービス（S3、Redshift、Snowflake など）との間で、安全かつスケーラブルにデータを移動・同期するマネージドサービス です。
✅ 概要
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| データの双方向連携 | SaaS ↔ AWS 間のデータを双方向で移動可能 |
| ノーコード / ローコード | GUI ベースで設定、コード不要 |
| トリガー可能 | 手動、スケジュール、イベント（例:レコード追加）で実行可能 |
| セキュア | データは暗号化され、VPC エンドポイントや KMS と統合可能 |
🔁 利用ユースケース
| ユースケース | 説明 |
|---|---|
| Salesforce から S3 へ顧客データ同期 | 定期バッチや変更トリガーでデータを S3 に書き出し |
| Google Analytics のレポートを Redshift に取り込み | BI 分析用に ETL 処理 |
| Zendesk チケットを S3 に集約 | ログ管理・可視化・データ分析用途 |
| Marketo → Snowflake | マーケティングキャンペーンデータの分析基盤取り込み |
🔌 接続できる主なサービス（2024年時点）
SaaS アプリケーション例：
- Salesforce
- Google Analytics
- ServiceNow
- Slack
- Zendesk
- SAP
- Marketo
- Microsoft Dynamics 365
AWS サービス例：
- Amazon S3
- Amazon Redshift
- Amazon EventBridge
- Snowflake
- Amazon Lookout for Metrics
🧱 データフローの構成要素
| コンポーネント | 説明 |
|---|---|
| ソース | データの取得元（例: Salesforce） |
| デスティネーション | データの送信先（例: S3） |
| マッピング | フィールド間の変換定義 |
| フィルター | 条件を指定してレコードを抽出 |
| 変換（Transform） | 入力データの整形・加工（例: 大文字変換） |
| 実行トリガー | スケジュール、手動、イベント |
🧩 他のサービスとの連携例
- Amazon EventBridge：AppFlow フロー実行イベントをトリガーにして Lambda を実行
- AWS Glue DataBrew：取り込んだデータのノーコードクレンジング
- Amazon Athena：S3 に保存されたデータを SQL で分析
- Amazon QuickSight：可視化・BI ダッシュボード作成
🎯 特徴まとめ
| 特徴 | 有無 |
|---|---|
| GUI で簡単構築 | ✅ |
| リアルタイム連携（イベント駆動） | ✅ |
| データ変換 / クレンジング機能 | 一部あり（変換機能は限定的） |
| コード不要 | ✅ |
| 柔軟なフィルター / マッピング | ✅ |
| セキュリティ / 暗号化対応 | ✅（KMS, VPC対応） |
⚠️ 注意点
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 大量データ処理にはコスト注意 | スケーラビリティはあるが、回数・容量課金 |
| 複雑な ETL は困難 | Glue や Lambda との併用が必要な場合あり |
| SaaS 側の API 制限あり | 例えば Salesforce 側の API 呼び出し制限に注意 |
📘 例：Salesforce → S3 へのデータ同期
- AppFlow で新しいフローを作成
- ソース：Salesforce に接続（OAuth認証）
- デスティネーション：S3 バケット指定
- データマッピング（必要に応じて）
- スケジュール：毎日0時に実行
- フローを保存・有効化