AWS Global Accelerator は、グローバルなユーザーに対して AWS 上のアプリケーションへの低レイテンシかつ高可用なアクセスを提供するサービスです。
ユーザーの近くにある AWS グローバルエッジネットワーク(Anycast IP)を経由して、トラフィックを最適なリージョンへルーティングします。
🔐 アクセスレターとは?
AWS Global Accelerator では、アクセスポリシー(アクセスタイプ)を指定するために「アクセスレター(Accelerator Type)」を選択します。
アクセスタイプ(アクセスレター) |
説明 |
Standard(標準) |
複数の AWS リージョンのリソースにトラフィックをルーティングできる |
Custom Routing(カスタムルーティング) |
特定のポートと EC2 インスタンスに直接ルーティング可能。NAT やゲームサーバー向け |
✨ Standard Accelerator(標準アクセラレータ)
特徴
-
Elastic Load Balancer (ALB/NLB)、EC2、Elastic IP、S3 静的ウェブサイト などにトラフィックをルーティング
- リージョン間のフェイルオーバー / フェイルバック
- AWS のヘルスチェックにより障害時は自動で別リージョンにルーティング
利用例
- グローバルな Web サービス
- マルチリージョン DR 対応
- API Gateway や ALB を用いた SaaS プラットフォーム
🛠 Custom Routing Accelerator(カスタムルーティングアクセラレータ)
特徴
- トラフィックを 特定のポートと EC2 インスタンスの ENI(Elastic Network Interface)に直接ルーティング可能
- UDP / TCP 両対応
- アプリ側でインスタンス選定ロジックが必要(フローの振り分け)
利用例
- オンラインゲームサーバー(低レイテンシが重要)
- VoIP アプリケーション
- ファイル転送サーバー(FTP/SFTP)
- NAT ゲートウェイの代替としての使用
🔄 比較まとめ
特徴 |
Standard Accelerator |
Custom Routing Accelerator |
対象サービス |
ALB, NLB, EC2, EIP など |
EC2 インスタンス(ポート単位) |
ルーティング方式 |
AWS が自動ルーティング |
アプリ側でルーティング制御 |
プロトコル |
TCP のみ |
TCP / UDP |
リージョン間フェイルオーバー |
✅ 対応 |
❌ 非対応(インスタンス単位) |
ユースケース |
Web/REST API、SaaS、DR構成など |
ゲーム、VoIP、NAT用途 |
💡 注意点
- Custom Routing は内部構成の理解とメンテナンスがやや複雑です(ルーティングルール、フローマッピングなどの管理が必要)
- Standard Accelerator はセットアップがシンプルで、ほとんどの Web システムではこちらで十分
📘 まとめ
アクセスレター |
向いているケース |
Standard |
Webアプリ、API、グローバルサービスなど |
Custom Routing |
ゲーム、リアルタイム通信、低レイテンシが重要な TCP/UDP サービスなど |