MED(Multi-Exit Discriminator)は、BGP(Border Gateway Protocol)で使われるルート選定のためのパラメータの一つです。
🔍 MEDってなに?
「自分のASに入ってくるとき、こっちの入り口(ルーター)を選んでほしい!」というヒントを相手に伝えるための値です。
🛣 わかりやすく例えると…
あなたの会社(AS)に道路(BGP経路)が2本通じていて、どちらからもお客さん(トラフィック)が来られるとします。
でも「できればこっちから入ってきてほしいな~」という時に、MED値を使って“こっちの方が近道だよ”と相手に教えるイメージです。
⚙ 動きの概要
- 値が小さいほど優先される(=近い)
- 他ASから自分ASへの複数経路があるときに使う
- 相手ASがMEDを見てくれなければ無視される(あくまでヒント)
🧠 具体例
AS200はAS100に2つのルーター(R1とR2)でつながってる。
経路 | MED |
---|---|
AS200-R1 → AS100 | 50 |
AS200-R2 → AS100 | 100 |
→ この場合、AS100は「R1の経路の方が近い(優先)」と判断する
✅ MEDを使う場面
シチュエーション | 理由 |
---|---|
複数の回線で接続しているとき | どの回線から入ってきてほしいかを制御したい |
インバウンドトラフィックの最適化 | 地理的に近い経路に誘導したい |
ピアとのトラフィック調整 | 片方の経路をあまり使わせたくない時など |
🚫 注意点
- 他のASがMEDを使うかどうかは任意
- ASが違う場合はMEDは比較されないことが多い
- BGPポリシーの一部であって、万能ではない
要は、**MEDは“入り口の優先順位を伝えるためのサジェスト”**ってことです!