IOPS(Input/Output Operations Per Second)、スループット、帯域幅は、全てデータ通信やストレージの性能を表す指標ですが、それぞれ異なる側面を測定しています。違いを理解するために、各用語を詳しく見てみましょう。
1. IOPS(Input/Output Operations Per Second)
- 定義:1秒間にどれだけの入力/出力操作(I/O)が実行できるかを示す指標。
- 用途:主にストレージデバイス(例えば、SSDやHDD)やデータベースのパフォーマンス評価に使われます。特に、小さなデータの読み書きが頻繁に行われる環境で重要です。
- 例:「このディスクは1秒間に10,000回のI/O操作が可能」といった形で、データの読み書き回数を測ります。
2. スループット(Throughput)
- 定義:ネットワークやストレージ、システム全体において、実際に転送できたデータ量の速度。
- 単位:bps(ビット毎秒)、MB/s(メガバイト毎秒)など。
- 用途:ネットワークやディスクI/O、ストリーミング、データ転送などの効率を測るために使われます。
- 例:ストレージシステムで「スループットが500MB/s」という場合、1秒間に500メガバイトのデータが実際に転送されるということです。
3. 帯域幅(Bandwidth)
- 定義:理論的に可能なデータ転送速度、すなわち回線やストレージの「最大容量」を示します。
- 単位:bps、Mbps、Gbpsなど。
- 用途:ネットワークの最大転送能力を評価するために使われます。ネットワークの回線や接続の「幅」を示すため、通信速度の限界を理解するために重要です。
- 例:ネットワーク回線の帯域幅が「1Gbps」と言われる場合、理論上1秒間に1ギガビットのデータを転送する能力があるということです。
🆚 違いを一言で
- IOPS:1秒間に実行できる入出力操作の回数(主にストレージ関連)
- スループット:実際に転送されたデータ量の速度(ネットワークやストレージ)
- 帯域幅:理論的な最大データ転送能力(ネットワークやストレージ)
🚗 たとえ話(道路に例えると)
- 帯域幅:道路の最大幅(車が通れる最小限の幅、理論上の限界)
- スループット:実際に通行した車の数(道路の混雑具合や実際の通行量)
- IOPS:1秒間に何回車が通過できるか(小さな車両が頻繁に出入りする場面)
まとめ
- 帯域幅は「理論的な最大速度」で、実際の速度はスループットに反映されます。
- IOPSは、ストレージやデータベースでのパフォーマンスを測るための指標で、スループットとは異なり、転送される「データ量」ではなく「操作の回数」を評価します。