ネットワークの世界で「ステートレス(stateless)」と「ステートフル(stateful)」という用語は、サーバーやアプリケーションがクライアントとの通信において状態(state)を維持するかどうかを指しています。
ステートレス(Stateless)
- 定義: ステートレスなシステムは、各リクエストを独立して処理し、過去のリクエストやセッション情報を保持しません。
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特徴:
- 各リクエストが完全に自己完結している。
- サーバーはクライアントの状態を保存せず、リクエストのたびにその都度全ての情報が提供される必要がある。
- 例として、HTTPプロトコルが典型的なステートレスプロトコルです。各リクエストは他のリクエストとは独立して扱われます。
- 利点: スケーラビリティが高く、サーバーが負荷を受けにくい。
- 欠点: 連続したやり取りが必要な場面では効率が悪くなる可能性がある。
ステートフル(Stateful)
- 定義: ステートフルなシステムは、クライアントとサーバーの間で状態情報を維持し、リクエスト間の連続性を持たせます。
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特徴:
- クライアントとサーバーはセッションやコネクションを維持し、過去のリクエストや応答の情報を覚えている。
- 例として、データベース接続やFTPセッション、SSH通信はステートフルです。
- 利点: 継続的なやり取りが必要な場合に効率的で、セッション情報が保持されるためスムーズに操作が行える。
- 欠点: サーバーが状態を管理するため、スケーラビリティが低下し、サーバーのリソース負荷が高くなる可能性がある。
簡単に言うと、ステートレスはリクエストごとに独立した通信を行い、ステートフルは通信の連続性を持つという違いがあります。