Djangoとは
DjangoはPython製のWebアプリケーションフレームワークです．
Webアプリケーション作成に必要な様々な機能が揃っているため「フルスタックフレームワーク」と呼ばれます．RubyでのRuby on Railsのような立ち位置になります．
RailsじゃなくてDjango？
WebアプリケーションフレームワークはDjangoよりもRailsの方が一般的で，多くの企業で採用されていますが，個人的にはDjangoの方が好きです．その理由となるDjangoの特徴を挙げてみます．
ユーザ承認機能，管理画面が標準搭載されている
Railsで管理画面を作成するときはActiveAdminなどのgemを使用するかと思います．Djangoではプロジェクトを作成した時にユーザ承認機能，管理画面が自動で作成されます．もちろん，ユーザモデルのカスタマイズ，管理画面の編集もできます．管理画面のことを考えることが少なくなり，アプリケーションの中身の実装に集中できるため非常に便利です．
↓Djangoの管理画面
コードがわかりやすい
Railsは開発における規則を固める(レールを敷く)ことで，コード量が少なくなり簡単に開発ができる一方，裏に潜む見えないルールによってファイル間の対応関係などが把握しづらいです．一方Djangoは規則が少なく割と自由に実装ができ，処理の流れを追いやすくなりますが，コード量は多くなります．Railsでは原因がよくわからないエラーに遭遇しますが，Djangoではそれが少ない印象です．開発したいプロジェクトの規模によってフレームワークを使い分けるといいと思います．
pythonで機械学習を勉強していれば，Djangoとの親和性が高いです．Railsと比べるとDjangoは日本語の解説が少ないため難しい印象がありますが，公式ドキュメントがわかりやすいのは良い点です．
Djangoをインストールする
pythonがインストールされていることを確認します．
$ python -V
Python 3.6.6 # 3.5以上にしましょう
Djangoのインストール
$ pip install django
Djangoがインストールされたかを確認します．
$ python
>>> import django
>>> print(django.get_version())
2.0.2
プロジェクトを作成する
次のコマンドでプロジェクトを作成します．mysiteはプロジェクト名になります．
$ django-admin startproject mysite
プロジェクトディレクトリに以下のファイルが生成されます．
mysite/
- manage.py
- mysite/
- __init__.py
- settings.py
- urls.py
- wsgi.py
プロジェクトディレクトリに移動し，サーバーを起動してブラウザで表示してみましょう．
$ cd mysite
$ python manage.py runserver
localhost:8000を開いて以下の画面が表示されることを確認します．
アプリケーションを作成する
Djangoではプロジェクトの下にアプリケーションという機能のパッケージを配置していきます．
次のコマンドでmemo_appというアプリケーションを作成します．
$ python manage.py startapp memo_app
以下のファイルが生成されます．
mysite/
- manage.py
- mysite/
- memo_app/
- __init__.py
- admin.py
- apps.py
- migrations/
- __init__.py
- models.py
- tests.py
- views.py
プロジェクトの設定ファイルであるmysite/settings.pyにmemo_appアプリケーションを追記します．アプリケーションを作成したら必ずこれをしてください．
# mysite/settings.py
...
INSTALLED_APPS = [
'django.contrib.admin',
'django.contrib.auth',
'django.contrib.contenttypes',
'django.contrib.sessions',
'django.contrib.messages',
'django.contrib.staticfiles',
'memo_app', # ここ
]
...
Hello Worldを表示する
まずはブラウザに”Hello World”を表示するだけの実装をしてみましょう．
流れ:
- テンプレートと呼ばれるHTMLファイルを作成する
- ビューにテンプレートを呼び出す関数を定義する
- ビューを表示するためのURLを定義する
memo_appディレクトリにtemplatesディレクトリを作成します．
$ mkdir memo_app/templates
その下にindex.htmlを作成し，Hello Worldを表示するためのHTMLを書きます．
<!-- memo_app/templates/index.html -->
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>memo_app</title>
</head>
<body>
<h1>Hello World</h1>
</body>
</html>
memo_app/views.pyを編集します．
# memo_app/views.py
from django.shortcuts import render
def index(request):
return render(request, 'index.html') # 先ほど作成したhtmlを第2引数に指定する
memo_app/urls.pyを作成し，URLを定義します．
# memo_app/urls.py
from django.urls import path
from . import views
app_name = 'memo_app'
urlpatterns = [
path('index/', views.index, name='index'),
]
path関数の第1引数でurlを指定し，第2引数でそのurlに対応するビューを指定します．
プロジェクト全体のURLの設定ファイルであるmysite/urls.pyにmemo_app/urls.pyを追加します．
# mysite/urls.py
from django.contrib import admin
from django.urls import path, include
urlpatterns = [
path('admin/', admin.site.urls),
path('memo_app/', include('memo_app.urls')),
]
サーバーを起動し，localhost:8000/memo_app/indexを開いてみましょう．
$ python manage.py runserver
HTMLに変数を渡す
memo_app/views.pyを以下のように変更してみましょう．
# memo_app/views.py
from django.shortcuts import render
def index(request):
return render(request, 'index.html', {'text': 'This page is memo_app/index.html'})
render関数の第3引数に指定した辞書をテンプレートに渡すことができます．
テンプレートでは{{ text }}のようにカギ括弧×2で渡された変数を囲むことでその値を表示することができます．
<!-- memo_app/templates/index.html -->
...
<body>
<h1>Hello World</h1>
<p>{{ text }}</p>
</body>
</html>
ここまでで，ユーザ側から見た処理の流れはこのようになります．
urlを入力したら，それに対応するアプリケーション，ビューが割り当てられ，ビューがテンプレートを呼び出して画面表示します．ちなみに実装の順序はこれと逆でしたね．
今回は自分の作成したHTMLファイルをDjangoで表示して見ました．また，任意の変数の値をテンプレートに当てはめて表示しました．
今のディレクトリの状態はこのようになっています．
mysite/
- manage.py
- memo_app/
- __init__.py
- admin.py
- apps.py
- migrations/
- __init__.py
- models.py
- templates/
- index.html
- tests.py
- urls.py
- views.py
- mysite/
- __init__.py
- settings.py
- urls.py
- wsgi.py
続きも書けたら書きたいです．