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プロジェクト・マネジメント講座を受けたので備忘録


1.初めに

2019年1月〜3月にかけて、福岡の株式会社diffeasyさんが開催している、実践型PMアカデミーでプロジェクト・マネジメントの講座(基礎コース・応用コース)を受講しました(以下PM講座)。合計8回、それぞれ3時間です。両方同時に受講したのは3名しかいなくて、なかなか大変でしたが学ぶことが多かったです。HPはここです。実践型PMアカデミー

とても役に経ったので、誰かの参考になればと言う気持ちと、自分が忘れる前にアウトプットしておこうと思ったので、ここに書きます。(許可は貰っています)。


エクスキューズ

ただし、情報量が多すぎて、まだ咀嚼出来てない部分も多々あるので、私がこれは!と思った事柄を中心に列挙して行きます。文字ベースで、列挙なのでつまらないかもしれませんが、何か読んだ人の役に立てば幸いです。また、自分なりのまとめですので間違っていたら、私の間違いです。


2.受けた動機・私の問題意識

私は、要件定義、設計、アプリのプログラム、サーバーサイドのプログラム、AWSの構築などいろいろやりますが、ここ数年は8〜10名くらいのチーム横断的なマネジメントもしています。ですので、その理論面をもっと知りたい、かつ自分のマネジメントとスキルをもっと伸ばしたいと思って受講しました。

もっと詳細に書くと以下です。


  • 今のチームの人たちのマネジメントを今よりもっと上手にし楽しく皆が仕事出来るようにしたい。

  • 現在、またはこれから関わるプロジェクトのマネジメントを今よりもっと上手に行いたい

  • 理論を知りたい。

  • マネジメントのなかでもリーダーシップは必要でどのように引っ張っていくのがいいのか?


    • 褒めたらいいのか?



  • 1人でマネジメントできる人数って何人くらい?

  • マネジメントで重要なことって何?

  • プログラムをうまく書いたり、システムを上手に構築することと、マネジメントは別のスキルが必要

  • 過去在籍した会社で死にそうな炎上案件を幾つか経験して、マネジメントの重要性を常々意識していたから

  • メンバが不満や不安を抱えてていて、なんら有効な解決を講じないマネージャー・リーダーを見てきたこと。部下の失敗の多く、また部下が不満や不安を多く抱えるのは、上司がマネージメント能力がないからと言うのが、基本的な私のスタンスです。それは、そのまま自分に跳ね返るので皆がWinWinになれるように、マネジメント能力を向上させたい。


3.PM講座の流れ

PM講座は、3班(4〜5名)に別れて受講します。まず、講師の方が理論的な説明をした後に、3班でワークショップをし、皆で出し合った意見を板書してプレゼン、ケーススタディに挑戦しながらプレゼン、場合によってはロールプレイを複数回繰り返しながら進みます。

(ワークショップから発表までは5〜15分くらいです)


大きく分類すると以下のようになります。


  • 講師の理論的な説明から、それに即した課題が出るので、ワークショップしてプレゼン

  • 前回出された課題をもとに、ワークショップしてプレゼン、またはロールプレイ

  • 前回出された課題をもとに、個人でプレゼン(個人でのプレゼンは少ない)


何を行ったか、一部ですが紹介します


  1. 初回お互いを知ることを兼ねて、オープン・クローズドクエスチョンのワークショップ

  2. 架空・実在の人物のプロファイルをしてプレゼン

  3. 実際あったプロジェクト経過などが提示されて、その経過報告を見て、どうマネジメントしたか推測する

  4. プロジェクト開始時のキックオフ・ミーティングの資料を作って、ロールプレイ

  5. 要件定義書を作成して、プレゼン、ロールプレイ

など、多岐に渡る内容でした。


4.私がアウトプットしておきたいこと


マネジメントの意味

Management = Manageの名詞系= 成し遂げること

マネジメントは管理することだけではない、「どうにかする」「なんとかする」が本来意味するところ。プロジェクト・マネージャーの役割は、知恵を絞ってチームをどうにかしてゴールに辿り着かせること。期限に遅れたり、バタバタ辞める人が出てくるのは失敗と私は考えます。


プロジェクトの定義

プロジェクトと呼ばれる活動には、目的と期限があります。つまり、プロジェクトとは「目的を期限内に達成する活動」です。さらに、独自性があると言えます。

何故やるか、いつまでやるかは大事ですね。理由が分かっている方がモチベーションが上がるので能動的かつ効率的に取り組めます。実際に、目的を理解してやってもらうのと、そうでない場合では、明らかに作業の質や効率に差が出る実験もあるそうです。また、期限を切らないといつまでも終わりませんので必須です。

つまり、プロジェクト・マネジメントとは、目的と期限がある活動を、どうにかしてゴールにたどり着かせる事だと言えます。

余談ですが、プロジェクトの反対の活動はルーティンだそうです。


コミュニケーションの重要性

では、プロジェクト・マネジメントで重要なことはなんでしょうか?

考えてみると、プロジェクト・マネージャーは実作業よりも、会話、文章問わず、色々な形でコミュニケーションしてますね。PMが知っているすべての事、想い、目的、要件、etcをプロジェクトの関係者に伝えることが最重要です。

つまりプロジェクト・マネージャーの仕事の90%がコミュニケーションと言えます。コミュニケーションが最も重要な仕事ですね。

なお、コミュニケーションの語源は「コムニカチオ」、意味は「共有すること」だそうです。

PMが知っているすべての事、想い、目的、要件、etcを共有する事=コミュニケーションです。


関係者と仲良くなることが大事

そして、プロジェクト・マネジメントにおいて、関係者と仲良くなることが大事、すごく大事です。なぜ???


  • 仲良くなると、色々話してくれるので、いいことも悪いことも把握しやすい(MECE情報)

  • 仲良くなると、先回りしてやってくれる(忖度)

  • 少し無理なお願いも聞いてくれる(リスク回避)

  • 仲良くなると楽しく仕事がやれる(楽しい)
    このように、関係者と仲良くなれば、幾つかの問題が事前に解決されて、スムーズにプロジェクトを遂行出来ます。

私はトップダウンな方ではなくて合議を重んじるので、色んな人と少なからず仲良くなるようにして、

意思疎通をしやすい雰囲気作りに努めます。自分で言うのもなんですが、結構信頼されます。

(女性からは愛されないですが信頼されます。)

色々なPMやリーダーを見ていて、チームのメンバーに興味持たずに、つまり相手の事を理解したりせずに、どうやってチーム全体のパフォーマンスを引き出すつもりなのだろうかと疑問に思うことは今までに多々ありました。チームメンバーに文句を言うよりは自分の接し方変えたり、興味持てばいいのになとおもいます。言っても本人にその意識がないのでなかなか引っかからないですね。


オープン・クローズドクエスチョン 〜相手を知るためのテクニックの一つ〜

では、「どうやって仲良くなるの?人と話すの苦手なんだよね?私人見知りで、コミュ障だし」って思った方に、相手と仲良くなるための事始め、オープン・クローズドクエスチョンというテクニックを紹介しておきます。

ファシリテーションの勉強会や、コーチングの勉強会に行った時も、打ち解けやすいように、オープン・クローズドクエスチョンを使用してお互いを知る手法が使われていました。

初対面の時でも、面接の時でも、飲み会でも、合コンでも、仕事以外でも意識して使えば、会話を広げることが出来て、非常に大きな武器となります。


クローズド・クエスチョン・・・「はい」「いいえ」や、回答方法が限定的になる質問のこと。


  • 映画好きですか? ⇒ 好き

  • 最近映画を観ましたか? ⇒ はい

  • スポーツと読書どちらが好きですか? ⇒ どちらも

  • インドアですかアウトドアですか ⇒ インドア


オープン・クエスチョン・・・回答が限定的にならない質問のこと


  • 昨日何してましたか?(what)

  • どこに行ったりしますか?(where)

  • なぜそれが好きなんですか?(why)

  • いつ外国に行きたいですか?(when)

  • 誰と行くんですか(who)

  • どうやってここまで来ましたか?(how)

チームの皆とやってみましたが、なかなか面白かったですよ。メリット・デメリットもあるので興味がある方は自分でも調べてみて下さい。


コミュニケーションの要素分解

さて、コミュニケーションと一言で言っても、様々な要素で成り立っているのをご存知ですか?

(例)人間関係、人数、内部 or 外部、非言語、書面 or 口頭、プロセス/知識エリア、etc

その様々な要素の掛け合わせとなるので、コミュニケーションは毎回異なります。要素の組み合わせは数百億パターンあると言えるでしょう。

ですので、より良いコミュニケーションに繋げるには、コミュニケーションを要素に分解して、理解し、それぞれに対応する必要があります。

また、コミュニケーションの要素は一般的なコミュニケーションとプロジェクトを推進する上で重要なコミュニケーションに分類できます。

ここでは、私が気になったプロジェクト・コミュニケーションの要素を取り上げています。


人数 〜どのくらいの範囲をマネジメント出来るの?〜


スパン・オブ・コントロール

スパン・オブ・コントロールという言葉があります。これは一人が管理できる限界人数のことです。通常5人〜8人、最大で10〜12人。それ以上になるとコミュニケーション設計を見直すが必要あります。一人で一体何人の面倒を見れるのか、非常に興味がありましたので、この言葉はすぐ覚えました。


非言語コミュニケーション

表情、匂い、外見、仕草、声の質などの受け取られ方に関して

メラビアンの法則 〜情報の受け取り手を混乱させないようにするには?〜

矛盾したメッセージが発せられた時に人がどのように受け止めるかの実験。話してる内容と顔の表情に矛盾がある場合は、見た目の方を参考にするとのこと。

例えば、楽しいことを話しているのに、悲しい表情をして話すと、ホントは楽しくないんだなと、態度の方を参考にする率が圧倒的に高いということが立証されています。

「内容よりも見た目が大事」という話ではないですよ!!

●この法則に何を学ぶかが大事

プロジェクトマネージャーがプロジェクトのキックオフミーティングの時に、自信なさげに、元気なく、プロジェクトの方針を説明しているように見えたら、たとえ良いことを言っていても不安な船出となるでしょう。


コミュニケーションの阻害要因

コミュニケーションには阻害要因があります。意識しているのとしていないのではプロジェクトの成功率に大きな差がでます。コミュニケーションを要素に分解して、それぞれ気を付けているのに、なにか上手くいかないという場合があります。その場合は、コミュニケーションの阻害要因を予め考えていないからでしょう。阻害要因を理解していれば予め対策を立てることが出来て、スムーズなコミュニケーションに繋げることが出来ます。

PM講座では、PMBOKで挙げられている内容に加えて、より実践的な内容が挙げられていました。


  1. 専門用語

  2. 語学/文化

  3. 距離・タイムゾーン

  4. 背景情報の欠如

  5. 何度も聞くな

  6. 一方通行の発話

  7. 情報過多

対策として、コミュニケーションの阻害要因が発生しないように、プロジェクトマネージャーはコミュニケーション設計を行う必要があります。


コミュニケーション設計例


  1. 用語集を作る
    専門用語、独自用語の解説の一覧です。作ることで、使用している用語、用語の意味を共有できます。

  2. 雑談などを大切にする
    相手への理解が深まり、相手に寄り添うことがやりやすくなります。

  3. 疑問点の即質問・即回答(※何回聞かれても)。
    なる早で返すようにしないと、色々滞りますし、士気にも影響します。一度では伝わらないことも多いので粘り強くしましょう。

  4. 分かりやすく回答・指示することを心がける(※何度も聞き返さなくてもいいように)
    私の経験、他の人へのヒアリングでも、疑問への答えになってない回答をする人も多いようです、でっ?っていいたくなります。何度も質問を繰り返す必要もあり、メンバがイライラするのを何度も見てきました。省みましょう。
    まだ沢山ありますが、このくらいで。


プロファイリング(性格分析)

コミュニケーションをスムーズに行うには、お客様や、メンバーの事を理解する事が大切です。分かっている事実から、相手の性格を想像してみる。また、相手のコンプレックス、地雷を知る事も重要です。

プロジェクトに限らず不用意な発言をして不穏な感じになってしまったことなどは誰でも経験があると思います。最初に相手の弱点を知っておけばコミュニケーションのリスクを減らせます。

「相手のコンプレックス、地雷を知る」などは、嫌がることはしないようにくらいの意識しかなかったので、為になりました。積極的にそういう事を考えるのはなんか嫌だなと思わなくもないですが、考えてみると

お互いの関係に取ってとても有益だと思われます。

余談ですが、エーリヒ・フロムの『愛するということ』を思い出しました。


相手を知るために仮説を立てることの重要性

プロジェクトマネージャーはプロジェクトに人をアサインすることも多いです。履歴書や、面談などから得られた情報を元に相手の歴史を知って、そこから仮説を立てて、対応の仕方を考えながら実践していけば、コミュニケーションリスクを回避したりできます。また相手のことにも興味が湧いてきますので、より円滑な関係を築く端緒にもなります。講師の方は人事関係の仕事もやっておられて、仮説を立てるやり方は慣れると8割位当たるようになると言っていました。


性格分析のフレームワークを幾つか挙げておきます。


  • ソーシャルスタイル

  • DiSC分析

  • ビッグファイブ


チームコミュニケーション

プロジェクトは複数人のチームで遂行することが殆どです。ですのでチームでのコミュニケーションはとても大事です。コミュニケーションパスは一人増えるたびに指数関数的に増えていく事を意識しておきましょう。人が増えれば増えるほど、受け取り方に差異が出るので、自分が伝えたいことは一度言ったくらいでは、全員に伝わっていないことを前提にしたほうが良いです。

どうするか?

コミュニケーションの方法論としては、大きく2つに分けることが出来ます。普段やってるから大丈夫と思っても、一旦は振り返ってみたほうがいいでしょう。


  1. 言葉のコミュニケーション

  2. テキスト(文字・文章)コミュニケーションを使い分ける。
    両方のメリット・デメリットを知って上手に使い分ける必要があります。書面のみのやりとりしかしない、言葉のみしかしないとなると、なかなか上手くいかないと思います。
    メリット・デメリットは考えてみて下さい。


チームビルディング

それでは、良いチームを育てるにはどうすればいいでしょうか?人に性格があるように、チームにも性格があります。チーム形成の定石、タックマンモデルを紹介します。

1.形成期(フォーミング)

2.混乱期(ストーミング)

3.標準期(ノーミング)

4.達成期(トランスフォーミング)

上記を意識して行うことで、よりよいチームが形成出来ます。問題を出し合い、それをちゃんと解決し、一致した目的へ向かうことが大事ですね。


PMBOKの10の知識エリアと5つのプロセス

プロジェクト開始時に、目的と実行計画をプロジェクト関係者に伝えることは、重要なコミュニケーションの見える化です。それでは成功確率を上げるために、何をマネジメントの対象にすればよいのでしょうか?

それを考える上で大切なのが、PMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボック)に提示されています。

プロジェクトマネジメントの3大要素は、品質、コスト、納期といわれますが、それを加えて5つのプロセスと10の知識エリアに分類されています。

また、各プロセスで管理するべき知識が体系化されています。


10の知識エリア


  1. 統合

  2. スコープ

  3. スケジュール

  4. コスト

  5. 品質

  6. 資源

  7. コミュニケーション

  8. リスク

  9. 調達

  10. ステークホルダー

プロジェクトを進めていくと様々な課題に直面します、注意する課題を分かっていれば事前に対応がしやすくなります。5つのプロセスと10の知識エリアを参照して開始時に何をして、どのように実行していくかを決めることが出来ます。5つのプロセスと10のマネジメントエリアの表をみると、計画と統合に多くの項目が集まっています。最初にヌケモレが無いように計画することと、実行時の統合(指揮とコントロール)が最も大事と言うことだと思います。


成果物の目的をはっきりさせる


成果物

プロジェクトを遂行する際に、それぞれのフェーズで、成果物が出来ます。要件定義書、基本設計書、詳細設計書、テスト仕様書、などのドキュメント類です。大きい開発にはよくあることですが、成果物を作るために成果物を作るみたいになってることが多いので、何故必要なのか考えて作ることが大事です。


会議/成果物は性悪説に基づいて設計する

文字を読むのは大変、多くなればなるほど、書いている内容を全て理解することは難しいなど、バランスは大事ですが、デメリットを意識して設計する必要があります。

ともすれば忘れがちなので気を付けましょう。


その他


  1. プロジェクト・マネジメント三種の神器「コミュニケーション計画」「マスタースケジュール」「WBS」

  2. 要件定義書の意義・書き方・上達法

  3. その他もりもり

盛り沢山な内容でしたが、端折ります。


5.ワークショップ形式で思ったこと

色々なタイプの人がいました。みんな賢いんですが、リーダーシップある人、ない人、強めに自分の意見を言う人、意見言わない人など。

それで、PMやリーダーはまわりを見て活性化させることが非常に重要だと思いました。また。自分の役割を自覚して、何が足りていて・何が足りないのかを常に考えならが振る舞うことが、チームをスムーズに機能させる為に大事だと思いました。

講師の人と話してたら、PMの人間性によっても大きく変わりますとのことでしたので、相手の立場に立って物事を考えたり、相手の気持ちを汲み取ったりする事もかなり重要だと思いました。上の忖度はうまいけど、これ出来てない人多いですね。

私も足りない部分・気づいてない部分も多いので、常に振り返って、自己の涵養に努めたいと考えます。


6.最後に

プロジェクト・マネジメントの講座は、週1回、3時間とは言え、毎回の課題と振り返りの提出で結構大変でしたが、実践に生かせるので非常に有益でした。

もともと、基礎、応用それぞれ3ヶ月でやるものを、社会人だと長過ぎるとの意見が出て、ボリュームはほぼ変わらず期間が短くなったので、少し大変だったとのこと。

また、30〜40代の人達の参加が多かったので、色々な考えや、見方、やり方に触れられることで刺激になったしりました。また、働きかけは必要ですが、少なからず知り合いが増えることも良かった点です。

なお、マネジメントスキルはどこでも使えます。焼き肉パーティーでも、同窓会でも、多人数のキャンプでも、目的と期限があれば必要となるので、一度触れておいても損はないです。

(会社のブログにも同じような内容で寄稿しています)