2025年10月にWindows10のサポートが終了しますね。先日、新卒3年目の若手社員とおしゃべりしていたんですが
私「僕が新卒のころはWindowsXPの終わり際で~」
若者 「エックスピーってなんですか?」
私 「ドゥン
画像引用元:https://royuck.chu.jp/pc/pc-freeze.htm
ま、まあ私もXPの世代じゃないですし?
業務ではちょっとしか触ってないですし??
あの草原に懐かしさなんか感じませんし???
ということでXPは私が新卒3年目になったばかりの2014年4月にサポート終了したのですが、時代は巡るものだなあと年月を感じました。それとともに、私が新卒だった2012年前後数年の日常ネタをまとめたら意外と最近の若い方には新鮮に見えるかもと思い立って記事にしてみます。
若い方は面白がって、そうでない方は懐かしんでくれたら嬉しいです。
右も左もわからぬ頃の記憶で書いたので、おかしなところがあったらご容赦ください。
なおこの記事は当初会社のブログ用に書いていましたが、あまりにも現業務に関係なくなったので個人記事にしました。
良ければ会社で書いた関連記事もよんでください。
おさらい:Windows各バージョンのリリースとサポート終了日
XPを含めた各WindowsOSの日本国内リリース日とサポート終了日は以下のとおりです。
OS | 国内リリース日 | サポート終了日 |
---|---|---|
Windows 98 | 1998年7月25日 | 2006年7月11日 |
Windows Me | 2000年9月23日 | 2006年7月11日 |
Windows 2000 | 2000年2月18日 | 2010年7月13日 |
Windows XP | 2001年11月16日 | 2014年4月8日 |
Windows Vista | 2007年1月30日 | 2017年4月11日 |
Windows 7 | 2009年10月22日 | 2020年1月14日 |
Windows 8 | 2012年10月26日 | 2016年1月12日 |
Windows 8.1 | 2013年10月17日 | 2023年1月10日 |
Windows 10 | 2015年7月29日 | 2025年10月14日 |
Windows 11 | 2021年10月28日 | - |
正確にはXPのメインストリームサポートは2009年4月に終了し、2014年は延長サポートの終了です。OS自体も2008年以降順次販売終了されたようですが、Vistaの評判がいまいちだったのためあまり乗り換えは進みませんでした。
また2014年の延長サポート終了時にはすでに8.1まで出ていましたが、8の評判がいまいちだったためか、XPからの乗り換えといえば7が大半だったように思います。
Vistaと8がコケた理由
Vistaはスペック要求が高くて快適に作動せず、8はパネルデザインのUIがウケなかったと言われています。 あとはマイクロソフト的には数年周期でPCを買い替えさせたかったのでしょうが、当時の一般的な買い替えスパンと噛み合っていませんでした(法定耐用年数が4年で、普通にもっと長くつかいますし)。 結局2010年代後半まで7のクラシックモードで粘り、7の後継ともいわれる10が出た頃に乗り換えた層が結構いた気がします。2010年代前半はモバイル端末のカンブリア紀
さっそく脱線ですが、あの頃は2009年のiPhone 3GS以降、スマホ・モバイルまわりが目まぐるしく移り変わった時期でした。
それまでガラケー1をパケホーダイで使ってミクシィや怪盗ロワイヤル2に熱狂していた人々が、iPhone4S(2011)をWi-Fiで使い新世代のSNS(Twitter、Facebook、LINE)やパズドラ(2012)、モンスト(2013)などにいそしむようになります。Androidでいうと4.0(Ice Cream Sandwich / ICS)が2012年に出ました。
2000年代には着うたを1曲あたり数分かけてDLし64MBのminiSDに保存していたものが、LTE(4G)通信やWiMAX3の登場で動画視聴やストリーミング再生にも耐えられるようになっていきます。固定回線も同様でADSL(電話線による回線)から光回線への置き換えが進み、現在のクラウドサービスが普及する土台が構築されていきます。
瞬間風速的にはiPod Touch第4世代(2010)が実質iPhone4のWi-Fiモデルとして活用されたり、Widows Phone、Firefox OS、PDA、ファブレットなど様々な言葉が飛び交いそして流星のように消えてきました。
ファブレットというのはスマホ(Phone)とタブレット(Tablet)の中間サイズで電話ができるやつ、といった感じのもので、画面サイズ的には6インチ前後でした。当時としては「デカめ」でしたが、現代なら平均的なスマホかちょい小さめぐらいですね。
(当時のスマホ・タブレットはベゼルが分厚かったのでガワのサイズは今より一回り大きい)
あの頃のあるある懐古
ハードウェア編
ちょうど私が自宅用に持ってた2012年製Dynabookがいい例なので気が向いたら眺めてみてください。このスペックで定価16万円だったんだなあとしみじみできます。
事務用のPCのそこそこいいヤツがメモリ4GBぐらい
そもそもXPの頃に主流だった32bit OS自体のメモリ認識上限が4GBでした。XP乗り換え期に 32bit版XP -> 64bit版Win7 という乗り換えが進んだ印象です。
※ただ私の観測してた限り、電器店で売ってるノートPCは2015年とかでも32bit版Win7が全然ありました
当然ソフトウェア的にも32bit(x86)向けのものがまだ主流でしたし、普通に事務作業をするだけならメモリをそれ以上に積む実益はさほどありませんでした。
私のいた会社はメモリをもりもり食べる3D系のソフトを扱っていたので、当時には珍しく営業職にもメモリ8GBのノートPCが支給されていました。
(これでも全然足りず、仮想メモリも20GBぐらい当ててた)
ちなみに当時あんまり良くわかってなかったですが、開発チームは当時マルチスレッド対応の検討とか64bitアーキテクチャ対応とかやってました。こうした対応を経て各アプリが今まで以上に高速になり、今まで以上にメモリを消費するようになっていきます。
廃れたインターフェースたち
上に挙げたDynabookだと、以下のようなポート構成です
https://dynabook.com/pc/catalog/satellit/120619b452/interface.htm
https://dynabook.com/pc/catalog/satellit/120619b452/spec.htm
今では見慣れないやつが色々ありますね。
ブリッジメディアスロットというのはSDカードやメモリースティック4などが使えるポートみたいです。
RGBコネクタは現代ではほぼHDMIに置き換わっているでしょう。
電源プラグは各社好き勝手な形状でした。現代はほぼUSB-Cに統一されて最高です。
eSATAは外付けHDD用のポートですが、USB2.0の速度だったんですね。。
PCカードスロットは私も存在しか知りません。当時も流石にほぼ消えかけでは?
こんな感じの通信カードが挿せるやつ、と理解してます(今で言うSIM+アンテナ)。

画像引用元:https://www.724685.com/weekly/qa090211.htm
今さら調べてみたら他にもハードウェア・インターフェースの拡張に使えたみたいですね。
ノートPCが進歩してしまう
この頃、SSDも急速に普及しました。
SSDでは従来普及していたHDDに比べて起動が爆速になるとともに、持ち運びにも強くなりました。HDDは機械的な特性から振動に弱く電源を入れたまま持ち運ぶのはOSクラッシュやデータ破損ご法度とされていましたが、SSDはフラッシュメモリの一種で可動部がないためです。
(HDDはうっかり稼働中に落としたらストレージ自体が物理的に破損し使えなくなる可能性も)
SSDは容量単価が高かったので、OSが走るCドライブを128GBとかのSSDにして、DLファイルなどはDドライブの大容量HDDに保存するのが最強構成()とされた時期もありました。
これに加えて先ほど言及した64bit版OSへの切り替わりや、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)対応機器が出始めるなどノートPCがとても使いやすくなり、従来のデスクトップPC(フルタワー・ミニタワー)取って代わっていきます。
まとめると全体にスペックが上がり、携行性が向上したわけですね。
何が起こるでしょうか?
A. ✨️出先でも出社時と変わらず仕事ができるようになります✨️
ノートPCは出張の強い味方となりました。
新幹線の中でもサクッと立ち上げ、スライドを編集し、調べごとをし、上司からのメールだって確認できるようになってしまいましたなりました。
$\tiny{もちろん家にノートを持ち帰って仕事の続きも!}$
新幹線といえば、当時勤めていた会社では情報セキュリティ担当がソースコードのバックアップをHDDに焼いて新幹線で東京の貸金庫に持っていっていました。たしか半年に1回ぐらい。まだGitが今ほど普及していない時代です。
ソフトの納品はDVD
当時いた会社はソフトウェア開発を行っていましたが、納品物はDVDに焼いて郵送していました。今ならオンラインでDLかクラウド形態での提供がほとんどでしょう。
DVD作成は新バージョンを出すたびに行います。普段は業者に委託していましたが、不具合で緊急リリースを行う時やロット数が少ないやつは自社内で複製機(デュプリケーター)を使ってマスターファイルをDVD-Rに焼き増しして、ラベルシールを貼り付けたものを発送していました。
当時下っ端として何度もこのDVD製造を行い、多いときで確か200枚ぐらい焼きました。このラベルを正確かつ迅速に貼るのが最高に好きでした。
当然DVD作成後に開発者が「追加で不具合見つかっちゃったテヘペロ」なんて言おうものならとても怒られます。デプロイが容易なクラウドは最高ですね。
ちなみにラベルシールは普通に今も売ってるコレです。懐かしい。
もちろん利用者側のPCにはCD/DVDドライブは標準搭載されていました。さっきのDynabookにももちろん光学ドライブがありますね。
ソフトウェア編
イケてる奴はGoogle Chrome
WEBブラウザとしては、長年Internet Explorer(IE)が圧倒的なシェアを締めていたところ、2010年頃にGoogle Chromeが台頭しXP終了の2014年には世界シェアでは一位となっていました。
Chromeが知られ始めた2010年・2011年あたりはIEを使っていると身近な情報強者の人が 「え、Google Chrome知らないの?」 と親切に教えてくれました。
とはいえ2014年時点では日本国内はまだギリギリIEがトップシェアを保っていたようです。Safariとの三つ巴ですが、これはほぼiPhoneの分と思われます。
Flash最後の輝きを看取る
コンテンツの領域ではFlashによるアニメーション表現が普及していました5。当時は動画やゲームに限らず、企業WEBサイトのアニメーションなどにも使われていたようです。
ただSafari(というかiPhone)での非サポートやHTML5規格の普及などで2015年ごろから急速に廃れていきます。
2016年にはニコニコ動画が、2018年にはブラウザゲームの艦隊これくしょんがHTML5対応しました。その後2021年1月までにChromeなど主要ブラウザがすべてFlash非対応となりました。
私も当時、ニコ動を見るために当時のスマホで使っていたドルフィンブラウザにJetpackという拡張を入れてFlash対応させていました。
ドルフィンブラウザはスワイプアクションに色々割り当てられる当時ちょっとめずらしいブラウザでした。
客先訪問時はGoogleMapを印刷しておく
この頃は当然のマナーでした。道順とともにプリントアウトして、なんなら蛍光ペンでハイライトしました。スマホはまだ貧弱で出先で使える保証がなかったのと、タクシーで運転手さんに提示する必要があったためです。
ちなみに当時私が使っていたスマホはArrows Zという機種で、完全防水やWiMax通信、ワンセグ機能などを備えた全部入りのフラッグシップモデルでした。後にこの機種は不具合全部入りと称えられるようになります6。GPSにも対応しているはずでしたが、Mapを開いても現在地を取得できませんでした。
と、つれづれに当時を思い返してみました。
ほんの十数年で随分変わったものと改めてしみじみしてしまいます。青春というのはあの頃Windowsが月イチで見せてくれた青い画面のことなのかもしれません。
これを読んだ若い皆さまも、10年後には新卒に「Windows10ってなんすか?w」などと言われているでしょう。そのときはぜひ2025年を振り返って語り部をやってあげてください。
蛇足
この記事を書くために上述した2012年製Dynabookを引っ張り出しましたが電源ケーブルがどっかいって起動できませんでした。
あと新卒のときに支給されたのはこちらのVAIO(法人向けモデル)だったかな。。2012年6月発売となってるのでもう1シーズン前のやつがあるかもですが、まだSONY製だった頃のVAIOで、ドッキングステーションという名の外付けGPUアクセラレータが付属したおもしろ端末でした。
特集ページを見ようとしましたが、Flash Playerがないので見れませんでした。
https://www.sony.jp/vaio/special/VZ11/
蛇足2
こっちも発掘したのでArrows Zくんの写真です。
起動を試みましたが画面が逝ってるらしくうっすら光ることしかできませんでした(充電ランプと起動時バイブのみ稼働)。
左:iPhone SE第3世代(4.7インチ)。右:Arrows Z(当時最大級の4.3インチ)
今見てもモノアイっぽくて可愛いですね。前面は反射エグくて写してませんが、ホームボタンなどが物理ボタンとして搭載されておりコレまた可愛いです。
最後の最後にマジの蛇足ですが、この写真を記事書いてるChromebookに転送するときに何も疑いなく✨️Android Beam✨️って言いました。実際はQuickShareを使いました。Android BeamはAndroid10以降搭載されてません。
おわり。
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「ガラパゴス(ガラケー)」は2010年の新語・流行語大賞候補です ↩
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ドリランドとともにモバゲーの看板だったゲーム。コンプリートガチャ(コンプガチャ)システムによる過剰課金が問題となり、コンプガチャは後に違法となりました https://getnews.jp/archives/204672 ↩
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3G以上4G未満の速度だったので当時は3.5Gなんて呼ばれていました。ちなみにLTEも3.9Gと呼ばれていたらしいが覚えてない ↩
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SONYの(実質独自規格の)記憶媒体です。私が受けたセンター試験で英語リスニングの音声メディアとして使われ、そのまま持ち帰れましたが特に再利用の機会はありませんでした。 ↩
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いわゆるFLASH黄金時代はこれより10年ほど前です https://dic.nicovideo.jp/a/flash%E9%BB%84%E9%87%91%E6%99%82%E4%BB%A3 ↩
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確かに爆熱するのを数分おきに水に沈めながら使うなど苦労はありましたが、今まで使った中で一番愛着のある機種です ↩