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私のマネージメントがうまく行かなかった3つの原因

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はじめに

リブセンスの転職ナビでエンジニアリングマネージャーをやっている佐藤です。
2020年もそろそろ終わりを迎えようとしていますが、私にとっての2020年はマネージメントについて学ぶことが多かった年でした。
翻って見ると、2019年の私は失敗ばかりしていたように思います。
今回は、その失敗に至った原因について考察していきたいです。
なかなかセンシティブな話題ではあるので、具体的にどんな失敗だったかなどはなしで、純粋に原因部分にだけフォーカスしていきます。
割とこの部分だけでもエンジニアリングマネージャー(特に在籍期間の長い)あるあるな気はしており、この文書がいつか誰かの役に立てば幸いです。

背景

私は2015年から転職ナビでエンジニアをやっており(途中長期で育休など取りつつ)、2017年ころからチームリーダーという名の役職についていました。
その頃は一種テックリード的な仕事だったり、メンバーとの1on1だったり、評価に関して上長であるグループリーダーへの助言だったりはしていましたが、それほど明確になにかのマネージメントをしていた意識がありませんでした。

その後2019年初頭から現在に至るまで、転職ナビの開発全体を見るグループリーダーを務めています。
2019年も日々頑張っていたような気はしますが、なんにせよ結果として2019年あまりグループはうまく行っていませんでした。

3つの原因

忙しかった

はい、初っ端から典型的なやつです。アンチパターンですね。

2015年から在籍してプレーヤーをやっていましたので、当時たくさんの属人化した業務を抱えており、現状を維持するだけで手一杯だったのは事実でした。
同時に、プレイングマネージャーだからといってマネージメントを放棄していいわけではなく、組織の成果が自分の成果であるということも、頭ではわかっていたつもりでした。

ではなぜ忙しくてマネージメントがうまく行かなかったかというと、「どこでどう手を空けるのか」がわからなかったのです。
日々私のところにやってきたタスクたちの裏に、真剣に転職活動をするユーザー、サービス改善に必死な同僚がいると思ったとき、手を空けることは簡単ではありません。
自分のグループのメンバーに委譲しようにも、再現性の低いタスクの内容について共有し解決まで導くのは、どうしても時間がかかる割にメリットが薄いのです。

結果「実質的に自分にしかできないタスク」を日々増やしながら、「採用の成功や経営判断によるリソース増強を待つしかない」と思っていました。

何をマネージメントしているのかわかっていなかった

組織をマネージメントするとか、メンバーの価値発揮を最大化するというのは簡単なのですが、そのお題目と実践の間をつなぐ論理がかけていたような気がしています。
一応多少はマネージメント関連の書籍なども読み漁っており、なにかわかったような気がしてしまっていたのも問題だったのだと思います。

いわゆる素人の生兵法というやつで「メンバーの価値発揮を最大化するために」「なんか本に書いてあったイケてる手法を実践する」ような状態でした。
端的に言うと、その時点でのチームの成熟度合いにあった改善を行っていなかったのです。
プログラミングで近しい状態を指す言葉はパターン魔(なんにでもデザインパターンを適用して無用に複雑性をあげる)とかでしょうか。

忙しくてちゃんとマネージメントしてないのに、たまに手を出したときまで的はずれなのではうまくいくはずがありません。

これまで通りの報酬に満足してしまっていた

上記のような状態であれば、周囲からの風当たりが強くなってリーダーを続けられなくなったりすると思うのですが、そうはなりませんでした。
理由はいくつかあったと思うのですが、その一つにプレイヤーとしての価値発揮があったと思います。

なんのかんのと前述の「実質的に自分にしかできないタスク」をたくさん抱えて日々頑張っていると、感謝もされるしある程度は評価もされます。今から考えると結構ぞっとする状況です。
そこから見える典型的なバッドエンドは「マネージメントの欠如により組織の成果が落ちてきて、いよいよ風当たりが強くなり、退職したら属人化しすぎたタスクが爆発四散」とかでしょうか。

なんにせよ、当時の私は上記のような状態に安住し、なんとしても自分でこの状態を変えようという意識にはなれていませんでした。

その後どうなったか

異動によってグループが増強されました。
どの程度上記のような状態を汲んだ上での判断だったのかは私にはわかりませんが、シニアエンジニアが2名加入してくれました。
来てくれた2人には感謝しかありません。

結果的には会社からタオルが投げ込まれたような状況です。会社の判断は正しかったと思っています。
しかし、自分としてはせめてこの状況をもっと自発的に「これこれこういう状況だからこういう人を寄越してほしい」と陳情するような形で作っていくべきだったと反省しています。

また、現在ではもうほぼエンジニアリングはしていません。
やりたくないというわけではなく、まだ2足のわらじを履ける状態にないと思っているのです。
もし今のグループがもう少しいい感じで回り始めたら、またエンジニアリングをしっかりやっていきたいと思っています。
もちろん適切な配分で。

こうして2020年は、新体制のもと今のところうまく行っていると思っています。

教訓

  • 忙しくても常に状況を俯瞰する意識を忘れない
    • 忙しくて頑張ってる認識が強いと、視野狭窄になりがち
    • まずはタスクをこぼしてでも手を空ける必要がある
      • 無理に休出などで時間を作るとさらに視野狭窄になるので絶対やめるべき
  • もっと組織を信頼する
    • 自分を責めすぎる必要はないが、うまく行っていない状況は認めて改善のアクションを起こす
    • 自分一人ではできないにせよ、上手に弱音を吐く、組織の力を使う
    • 私の場合は幸い組織がしっかりしていて助かったが、それでもダメなら潔く転職しよう

おわりに

この文書が、2019年の私と同じような状況に陥っているエンジニアリングマネージャーの方の参考になれば幸いです。

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