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プロもくチャットAdvent Calendar 2023

Day 1

【自作NAS】まさかデータが吹っ飛んじゃうなんてェ...もう疲れちゃってバックアップも面倒くさくてェ...

Last updated at Posted at 2023-11-30

はじめに

本記事はプロもくチャット Adevent Calendar2023の1日目です

自作NASを作ろう

PCを仕事道具とする人なら当然ご存知のように、データのバックアップを定期的に作成することは重要です。最近はクラウドサービスを使うことが当たり前になっていますが、それでも消えたら困るローカルのデータなんていくらでもあるでしょう

ある日突然、そんな大切なデータが吹っ飛んだ日にはコ◯グになるしかありません

:leaves: (:3_ヽ) _「もう疲れちゃって全然動けなくてェ...」

ということで、重い腰を上げて自宅にあった材料を使って簡易NASを構築してみました。自らの備忘録も兼ねて、セットアップ手順について説明したいと思います

本記事の対象読者

  • メインPCとしてMacを使用している
  • ラズパイ買ったはいいものの、使い道が思いつかない
  • 出来るだけ安価&省スペースでNASの環境を構築したい

材料

NASを錬成するための材料です

ラズパイ3Bは私の自宅にあったものなので、今なら4ですかね。HDDも使わないで引き出しに眠ってたやつなので、お値段は驚愕の:zero:円です

:boy_tone1::ramen:「え!! 同じ値段でネットワークストレージを!?」

外付けHDDはラズパイが認識可能なデバイスならなんでもOKなので、予算や必要な容量に応じて自由に選定しましょう。microSDカードも8GBで全然動くと思われます。自作の強みはこの自由度の高さですね:gear:

以下は構築にあたって必要なデバイス類です

  • Ethernetケーブル
  • microSDカードリーダー
  • ラズパイ用電源ケーブル(5V/3A)
  • 有線キーボード
  • HDMIケーブル・モニター

完成形

ネットワーク (1).png

今回のゴールです
目的がMacBookのTimeMachineによるバックアップなので、あまり速度は気にしていません。ネフェルピトーの円みたいにNASの電波がMacに触れていれば良いのです

ラズパイにOSをインストールする

ではラズパイをセットアップしていきましょう
SDカードリーダーをMacにぶっ刺して、ラズパイのOSイメージを書き込んで行きます

Raspberry Pi Imager

OSイメージのライターツールです。GUIでほとんどの設定が終わるので重宝します。Win/Mac両方対応しているので、とりあえずインストールしましょう

後述のNASソフトの関係で、OSはRaspberry Pi OSのLite版(CUI)を選びます

image.png

Desktop版(GUI)だとインストール出来ないので注意しましょう。私はこれで1時間半くらい無駄にしました

OSのカスタマイズについて聞かれたら"設定を編集する"を選びます

image.png

ユーザー設定とネットワーク設定を入力して"保存"をクリックします

私はこんな感じで設定しました

image.png

image.png

しばらくすると書き込みが終了するので、早速SDカードをラズパイに差し込んで電源を入れてみましょう

ラズパイとSSHで接続する

ネットワーク設定に問題が無ければ、電源を入れた後で無線LANによりラズパイとのSSH接続が可能になるはずです

$ ssh pi@pi.local
pi@pi.local's password:
Linux pi 6.1.21-v8+ #1642 SMP PREEMPT Mon Apr  3 17:24:16 BST 2023 aarch64

The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software;
the exact distribution terms for each program are described in the
individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
Last login: Tue Nov 28 22:40:17 2023 from 240b:10:8701:200:f88c:ba32:5bf9:f5fe
pi@pi:~ $

IPアドレスは動的に割り振られるのでホスト名でアクセスしています。もしホスト名で上手く繋がらない場合はarpコマンドなどでそれらしいアドレスを探してみても良いでしょう

$ apr -a
# LAN内のIPアドレスが一覧表示される

詰まった場合は、HDMIケーブルでラズパイとモニターを接続して直接コマンドを叩きましょう

ソフトウェアのアップデート

OSを入れた直後なので、パッケージをアップデートします

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

それなりに時間がかかるので、気長に待ちましょう:tea:

OpenMediaVaultのインストール

OSSのNASソフトをインストールします。インストール後はブラウザ経由で各種設定が可能となるのでコマンドと戯れる時間もあと少しです

概要は誰が書いても変わらないのでAIに外注しました
ChatGPT様はなんでも知っている:robot:

OpenMediaVaultは、主にホームサーバーまたは小規模なオフィスサーバー向けのフリーでオープンソースのネットワークアタッチドストレージ(NAS)ソリューションです。これは、ストレージデバイスの管理、ファイル共有、データバックアップなどの機能を提供し、Linuxオペレーティングシステム上で動作します

インストールスクリプトについてはこちらの記述を参考にします

$ sudo wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash

それなりに時間がかかるので、気長に(2回目):tea:

The installation will take some time, so enjoy the text flying on the screen.

(意訳)インストールは長えから画面を飛び交う文字でも楽しんでくれ

公式もこう言ってるのでね。ちなみに私の環境だと60分ほどかかりました。インストールが完了すると自動的にラズパイがリブートします

OpenMediaVaultを設定する

正しくインストールが完了していれば、再起動後にWebサーバーが立ち上がります

注意
OMVインストール後に無線LANの設定が消える場合があります。その場合は、Ethernetケーブルを使って有線で接続し、後述の管理画面から無線LANを有効化しましょう

ブラウザ経由でラズパイと接続すると、トップ画面が表示されます

http://pi.local/
# ホスト名でアクセス出来ない場合はIPアドレスでアクセスしてください

OMVのインストール時に管理者ユーザーも作成されるので、ログイン情報は下記を入力してください

  • ユーザー名: admin
  • パスワード: openmediavault

ログインに成功するとダッシュボード画面が表示されます。
見やすいですね:raised_hands:

image.png

パスワードの変更

さすがにデフォルトのパスワードのままでは不安なので、右上のユーザーアイコンからChange Passwordを選択して、管理者ログイン用のパスワードを変更しておきましょう

image.png

SSH接続の有効化

もしSSHで接続出来なくなった場合は、Users > Usersから変更したいユーザーのGroupsにsshを追加しましょう

image.png

無線LANの有効化

無線LANの有効化とIPアドレスの固定化をしておきます

Network > Interfacesから+ボタンを押してWi-Fiを選び、Deviceとしてwlan0を追加します

image.png

IPアドレスをStaticにして、固定化します。設定が終わったら右下のSaveボタンで保存します

image.png

とりあえずここまで設定出来たら、無線LAN経由でSSH/ブラウザの両方からアクセス出来ることを確認しておきましょう。続いてHDDをマウントしていきます

NASにストレージをマウントする

ラズパイのUSBポートにHDDを接続して、NAS用のストレージとして設定していきます

初期化

Storage > Disksから対象のHDDを選択し、Wipeボタンをクリックして初期化します

image.png

初期化方法はQuickとSecureがあるのですが、どちらでも構いません。私はQuickを選択しました。

ファイルシステムの作成からマウント

続いてStorage > File Systemsから+を押してファイルシステムを作成します

image.png

今回はNASが動作するOSがラズパイ(Debian)なので、ファイルシステムとしてEXT4を選択します

image.png

しばらく待つとファイルシステムの作成が完了します。そのままマウント設定に移動するので、作成したファイルシステムを選んで保存します

image.png

設定によってはapplyアイコンをクリックするまで反映されないものもあるので注意。ちょっと不安になるくらいローディング画面が続く場合もありますが、☕でも淹れて心を落ち着かせましょう

image.png

共有フォルダの作成

Storage > Shared Foldersから+を押して共有フォルダを作成します

image.png

フォルダ名、ファイルシステムを設定して保存します。私はnas_sharedというフォルダ名を入力しました

image.png

NASユーザーの設定

共有フォルダにアクセスするためのユーザーを作成します

Users > Usersから+を押してCreateを選択します

image.png

任意のユーザー名とパスワードを設定しましょう。ここで設定したログイン情報はNASに接続する際に求められるので、忘れにくいものがオススメです

image.png

続いて、共有フォルダへのアクセス権を付与していきます

Storage > Shared Foldersを開いて共有フォルダを選択し、鍵マークの付いたフォルダアイコンを選択します

image.png

作成したユーザーにRead/Writeパーミッションを与えて保存しましょう

SMB(Time Machine)設定

長かった設定もいよいよ大詰めです。最後はSMBを設定していきます

Services > SMB/CIFS > Sharesから+ボタンを選択します

image.png

共有フォルダとして作成したフォルダ名を選択して、Time Machine supportにチェックを入れて保存します

image.png

さらに、Services > SMB/CIFS > SettingsからEnabledにチェックを入れてSMBを有効化しましょう
image.png

接続テスト

設定が上手く行けば、MacのTime Machineでバックアップディスクとして共有フォルダ名が表示されるはずです。設定したユーザー名とパスワードを入力してアクセス出来るか確認してみましょう

image.png

後はバックアップ頻度を自動で1日ごととかに設定すれば、Macを普段使いしていれば勝手にNAS上にバックアップを作成してくれます。お疲れ様でした:tea:

補足

SMBなので、当然Finderから共有フォルダとして扱うことも可能...:bangbang:
普通にHDDをTimeMachine用としてフォーマットしてもこのような使い方は出来ないので、とても助かります

image.png

まとめ

ということで、自作NASでローカルデータの損失というアクシデントに対する保険を構築してみました。これだと不安という方はOMVでRAIDの設定も可能なので、どんどんストレージ周りを厚くしてやればよいかと思います。

データのロストは発生確率は低いけど、負うダメージは精神的にも物理的にも時間的にも非常に痛いものです。人生全般に言えることですが、こういったリスクが見えてるならば出来る範囲で保険をかけましょう:hospital:

何かの参考になれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました🦍

(2024/4/9加筆) パスワードのリセット

久しぶりに設定をいじろうとしたらウッカリパスワードを忘れて
アカウントに制限がかかってしまいました。

そんな場合は、こちらのコマンドから

  • 管理者パスワードの再設定
  • アカウントのログイン制限のリセット

を実施することが可能です🙏

$ sudo omv-firstaid

参考

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