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【12冠達成記念】SAP on AWS(PAS-C01) 認定試験合格レポート

Last updated at Posted at 2023-01-16

現時点で公開されている試験対策のリソースとともに、自分の体験をレポートします。

認定試験のポイント

  • 何はともあれSAP知識が必要(SAPの用語や仕組みがわからないと戦えない)
    • SAPそのものの知識は問われない。設計、実装、移行、運用が試験の範囲。
  • "on AWS"なのでAWSの知識ももちろん必要
    • AWSの知識だけで回答可能な問題も若干出題。
  • SAP以外(SAPに関連する)他社ベンダーOracle/SUSE/RHELの知識も必要。
  • 学習リソース乏しいのでSAPガイドやブログを理解できるまで読みまくる。
  • 基本オンプレからのマイグレ構成(みんな大好きEC2)
  • SAPワークロードそのものの実装(デプロイ)やAWSマイグレーションパターンをしっかりと把握。
    • 異種、同種の移行パターンで何を対象に、どうコピーするのか、エージェントが必要なのかどうかなど
    • anyDB(Oracle/DB2/SQLServer)からHANAやエンディアンが異なるOS(AIX)などの移行
  • 契約がないとSAPノートが読めないので結構困る。

学習リソース

  1. SCSKさんのブログ
    https://blog.usize-tech.com/aws-sap-on-aws-speciality-study1/
    受験対策その1からその7が非常に役に立つ

  2. NRIさんのブログ
    https://tech.nri-net.com/entry/aws_certified_sap_on_aws_specialty
    圧巻のリンク集

  3. AWSのブログ
    https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/category/sap/
    https://aws.amazon.com/jp/blogs/awsforsap/

  4. SAPのブログ
    https://blogs.sap.com/2022/12/16/get-aws-certified-sap-on-aws-specialty-pas-c01/
    https://blogs.sap.com/2022/04/07/preparing-for-sap-on-aws-specialty-pas-c01/

  5. AWS Skill Builder
    https://explore.skillbuilder.aws/
    (注意)APNのアカウントでログインすること。コンテンツが異なります。

  6. Qiitaも徐々に記事が増えてきたので適宜検索

  7. Udemyに登場

(補足) Skill Builder

  • APNのアカウントでログイン
    • APNとそうでないのではコンテンツ数が異なる
  • 日本語コンテンツは少ないので諦める
    • PDFでダウンロード可能なコンテンツもあるので注意
  • おすすめトレーニング
    • AWS Partner: SAP on AWS (Technical) (Japanese/日本語)
    • AWS Partner: SAP on AWS (Business) (Japanese/日本語)
    • AWS Certified: SAP on AWS - Specialty Official Practice Question Set (PAS-C01 - Japanese)
    • AWS PartnerCast - SAP on AWS Specialty Certification Journey - Session 1~9
      ★5のやつがおすすめです。
  • 順次コンテンツが整備されている模様。

基本アーキテクチャー

アーキテクチャーパターンは以下の3通り。RPO/RTO要件によってチョイスする。

セントラル構成・分散構成(Single-AZ)

  • セントラル構成 → ひとつのEC2インスタンスにSAPを構成
  • 分散構成 → 複数のEC2インスタンスでSAPを構成(ASCS/AAS/HANAをそれぞれ別EC2インスタンス)

高可用性構成(Multi-AZ)

  • ASCS/HANAをマルチAZに分散して構成、障害発生時にFO
  • HANA レプリケーション、CLUSTERPROなどのクラスタリングソフトを活用

DR構成(Multi-Region)

  • パッシブDR(RPO/RTO数時間、低コスト) → AMI起動、S3からリストア、ログ適用
  • パイロットライトDR(RPO/RTO数分、中コスト) → AMI起動
  • ウォームスタンバイDR(RPO/RTO数秒、高コスト) → APサーバの起動

監視

  • CloudWatch詳細モニタリングをオン
  • AWS Data Provider for SAPをインストール
    → OSのパフォーマンス情報を収集するエージェント(SAPのサポートを受ける前提条件)
    • AWS固有情報(インスタンタイプ、インスタンスID)
    • 主要なシステム構成(プロセッサ、メインメモリ、ディスクの数など)
    • CPU、メモリ、ディスク、NWリソースなど

チェックポイント

  • Data ProviderがCloudWatchやEC2にアクセスできないときは?
    → IAMロールが関連付けられているか? もしくは、ロールのポリシーを確認
    • EC2:DescribeInstances
    • Cloudwatch:GetMetricStatictics
  • すべての診断に失敗するときは?
    → IGWやVPNを確認する。

バックアップ

AWS Backint Agent for SAP HANA

HANAワークロード用のバックアップ・復元ツール、S3にHANAデータベースをバックアップ

  • インストール

    • SSMコンソールからデプロイ、もしくはBackint Agentのインストーラを実行する。
    • SSMでインストールするには、IAM:AmazonSSMManagedInstanceCore
  • S3アクセスのためのポリシー

s3:GetBucketPolicyStatus
s3:GetBucketLocation
s3:ListBucket
s3:GetBucketAcl
s3:GetBucketPolicy
s3:PutObjectTaging
s3:PutObject
s3:GetObject
s3:DeleteObject
  • バックアップ/リストアが遅いときの確認ポイント
aws-backing-agent-config.yaml
- UploadChannelSize
- MaximumConcurrentFileForRestore
- Upload Concurrency
ディスクIOPS
Global.ini(HANA)
- Parallel_data_backup_backing_channels
  • HANA以外のバックアップ
    • Oracle

      • Oracle Secure Backup、EBSスナップショット
    • ASE

      • S3、EBSスナップショット
    • SQLServer

      • VSS(VSSコンポーネントのインストール要)

フロントエンド

SAP Fiori

SAPアプリケーションのユーザーインターフェースコンポーネント

  • CloudFront(HTTP)
    • エンドユーザにより近いところから配信するための仕組み、バックエンドの作業負荷軽減
    • CloudFrontのキャッシュを活用
  • Global Accelerator(TCP)
    • 常にGlobal Networkを経由してリージョンにあるオリジンにアクセスする、エンドユーザのパフォーマンス向上
    • キャッシュは行わない

image.png

ネットワーク

オーバレイIP

SAPアプリケーションのクラスタソリューション実現のためのネットワーク構成で利用
SPOFとなるASCS とデータベースをそれぞれクラスタリングするユースケースでクライアントからのアクセスポイントとしてOIPを利用する。

  • OIPはVPCの範囲外のCIDR
  • オンプレからのアクセスにはTransitGWor NLB経由の2パターン

image.png

チェックポイント
SLES HA構成などでRouteTableを変更するケースでは、以下のポリシーをアタッチ

  • ec2:ReplaceRoute
  • ec2:DescribeRouteTables

移行

image.png

チェックポイント

  • OSやDBが同じであればAWSのツールを利用できるが、異なる場合はSAPツールを利用。
  • データ転送は、DX、VPN、EBS/EFS/FSx、S3 Transfer Acceleration、DataSync、Snowballなどを利用する。
  • Oracle on AIX → OLE on Oracle:Oracle XTTSを使う(従来方式よりダウンタイムが短縮)。

その他の頻出ワード

  • SAP HANA

    • 高速起動(HANA Fast Restart)オプション
      • basepath_persistent_memory_volumes:tmpfs ファイルシステムの場所
      • persistent_memory_global_allocation_limitホスト上の持続的メモリーの最大サイズを制限
      • Table_default:OFF(永続メモリの使用量を手動で制御)
    • プリロードオプション
    • ログオペレーションモード
      • logreplay:ログのみ転送、FO短時間、データ転送量が少ない、要求メモリ量が多い
      • delta_datashipping:差分データとログ転送、FO時間長い、データ転送量が多い、少ないメモリ量
  • SAPハードウェアキー

    • カーネルやハードウェアが更新されると、ハードウェアキーが更新されてSAPのインストールライセンスが無効
  • SAP HANA Data Tiering(データ階層化)データのアクセス頻度、更新・パフォーマンス要件などの特性により分離するデータ管理戦略どのティアでどこでどんな(サイズの)データを扱うのかを理解しておく

    • ホット:頻繁に更新し、時間内に利用可能となる必要があるデータ
    • ウォーム:あまり読み取られないデータであるが、更新可能であるデータ→ダイナミックティアリング
    • コールド:アクセス頻度が低く、更新を必要としないデータ
  • SAPシステムのピークメモリ測定

    • SAP EarlyWatch Alert:ピークメモリや CPU 使用率など、SAP アプリケーションの使用率情報
    • HANA Studio
    • SQLステートメント
  • プレイスメントグループ

    • クラスタプレイスメントグループ:AZ内で論理グルーピング、インスタンス間の通信パフォーマンス向上
    • パーティションプレイスメントグループ:ラックを共有しない、ハードウェア障害に影響を受けない
    • スプレッドプレイスメントグループ:異なるHWにデプロイ、シングルAZのときに有効
  • EC2 ハイメモリインスタンスタイプ

    • Dedicated Host上で動作するベアメタルインスタンス
    • 自動復旧はサポートされていない
  • Storage Gateway

    • S3ファイルゲートウェイ:NFSやSMBでS3に直接ファイル共有が可能
    • FSxファイルゲートウェイ、テープゲートウェイ、ボリュームゲートウェイ
  • Amazon Data Lifecycle Manager

    • EBSのスナップショット生成、保存、削除の自動化
  • AWS Launch Wizard for SAP

    • AWS QuickStartに次ぐウィザード形式のデプロイツール、新規構築や移行を迅速に実行可能
    • 単一インスタンス、HA構成など様々な構成をサポート
  • AWS Control Tower

    • マルチアカウント環境のセットアップとコントロール
    • コンプライアンスポリシーに準拠するために活用
  • IMDS(Instance Meta Data Service)

    • セキュリティ強化のためにIMDSv2を利用する

おまけ(SAPノート)

おすすめSAPノートです。SIDがないと見れませんので、みたい人は社内のBASISな人に相談してみてください。

  • Note.1656099 - SAP Applications on AWS: Supported DB/OS and AWS EC2 products
  • Note.1656250 - SAP on AWS: Support prerequisites
  • Note.1697114 - Determination of hardware ID In Amazon clouds
  • Note.2591601 - SAP on AWS: Adaption of your SAP License
  • Note.2358420 - Oracle Database Support for Amazon Web Services EC2
  • Note.2139358 - Effect of changes in licensing terms of SQL Server
  • Note.2871484 - SAP supported variants of Red Hat Enterprise Linux
  • Note.2058870 - SAP Business One, version for SAP HANA on public Infrastructure-as-a-Service (IaaS) platforms
  • Note.3015613 - Oracle Database support for BI Platform on AWS
  • Note.2886659 - Amazon Database Migration Service is not supported by SAP and Oracle
  • Note.2198693 - Key Monitoring Metrics for SAP on Amazon Web Services (AWS)

まとめ

  • 他の認定と比較すると情報量が圧倒的に少ないのと、実機での検証がしづらいので認定資格としての難易度は高め。それゆえ英語の技術情報をいかに読み込むのがポイント。
  • 試験の狙いとしては、いかにオンプレのSAPシステムをAWSへリフト&シフトするかにフォーカスをしていると感じたので、問題に寄り添っていってみてください。

12冠目指す方、SAP BasisでこれからバリバリAWSを活用される方の資格取得に役立てれば幸いです。

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