クラウド活用のアプローチ
- クラウド活用のアプローチは二通り。いずれもクラウドの"最適化"がポイント。
クラウド最適化への課題と不安
- クラウド最適化を行うにあたって、設計・運用のノウハウがないという課題や不安がつきまとうケースもある。
Well-Architected Framework
- こうした課題や不安を解消するためのツールが、Well-Architected Framework。
- Well-Architected Frameworkは、AWSの提案する「システム設計・運用の"大局的な"考え方とベストプラクティス集」。
- 設計原則と柱から構成される。
設計原則
- 設計原則は、一般的な設計原則と柱それぞれに固有の設計原則から構成される。
柱
- 柱は、運用、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス、コスト観点に加え、2021年に新たに追加された持続可能性(サステナビリティ)の6つの柱から構成される。
- 持続可能性は、地球規模のコスト観点であったり、他の柱で代替可能であったりするため、優先度は低め。
- これらの質問とベストプラクティスを使ってアーキテクチャーのリスクや改善点を点検するのが、"Well-Architected レビュー"
Well-Architected レビューの必要性
- リスクや課題を事前に検出 → 炎上などのトラブル防止(品質担保)
- 最適化や改善ポイントの明確化 → 次の提案につながる
- アーキテクチャーや考え方があっているか → 不安の解消
- 人の育成 → W-Aレビュを通したスキルアップ
W-Aレビューのプロセス
- 公式には、複数回の実施を推奨。
- 運用フェーズにおいても実施は有効性あり。
- 設計時にW-Aの考え方をインプットすること
- 複数回の実施を行うようなプロセスの定義がおすすめ
W-A レビューを実施する際のポイント
- システムとして重要な順番を決めておくこと
- 何を守りたいか、何が重要かを、チームで定義して共有しておくこと。
- 銀の弾丸でも監査でもない
- あくまでも気づきを得る場、健康診断くらいのイメージで。
- すべての柱を点検していくと約10時間くらいかかる
- やり方にも依存するが、工数を見積もりに入れておく。
- 関係者は全員集めたほうが効率的
- 範囲を絞って実施してもよいが、ビジネス面も含めたワークロード全体が対象となるため。
- 事前準備が必要
- 事前に素振りはしておいたほうが安心。
- W-Aの質問がよくわからない
- 翻訳精度、そもそも意味不明なものもあったい、、、。
- 継続的に実施するとより効果的
- 単発でも効果はあるがクラウドサービスの進化にあわせて実施が望ましい。
- トレードオフの関係性を理解しておく
- すべての項目をOKにするのは無理、リスクを鑑みて取捨選択すること。
まとめ
- Well-Architected Frameworkは理想の考え方。理想と現実を照らし合わせて、リスクを顕在化・共有していきましょう。
- 早いタイミングでW-Aレビューを実施すれば手戻り防止、スキルアップにも効果大!
- W-Aレビューを組織に浸透させるためには、地道な啓蒙活動とプロセス化が必要。