UiPath Orchestratorでは主な前提ミドルウェアとして、IISとSQL Serverを必要とします。
テナントやロボットの設計ばかりに目が行きがちですが、ミドルウェアの設計もちゃんとしないと障害を引き起こす要因となるため、今回はその話をしようとおもいます。
ある日のできごと・・・
むか~しむかしでもないとある日、AさんはOrchestratorにログインしようとしましたが、エラーでログインができませんでした。
びっくりしたAさんはロボット側の状態を確認しました。
そうすると、ステータスが オフライン
となっていて、UiPathが停止していることがわかりましたとさ。
原因と対処
なんとAさんはSQLServerの設定などを特にせず、デフォルトのままで運用していました。
そのためSQL Serverのトランザクションログがディスク容量の限界まで溜まり、SQL Serverが停止したことでUiPathも停止しました。
データベースは毎日夜間にバックアップを取得していること、夜間のRPA実行予定はないことから、トランザクションログをすべて切り捨てることで復旧させたようです。
稼働監視もいろいろ組み込んではいたのですが、それはまた別の話で。
ミドルウェアの設計
UiPathのナレッジベースには、こんな素敵な資料が用意されています。
・Orchestrator管理者のための ミドルウェア運用設定ガイド Ⅰ ~ IIS, SQL Server 編 ~
この資料では、IISとSQL Serverでやっておいたほうが良いことが、優先度とともに書かれています。
少なくとも優先度=高のものは、UiPathの稼働停止につながる可能性もあるため、対応しておいたほうが良いでしょう。
なお、ロボットの台数など規模や環境によっては、優先度=高でも対応不要だったり、逆に優先度=低でも対応しておいたほうが良いものもありますので、対応要否については実際の稼働状況に合わせて取捨選択してください。
おわりに
ほかにも、ElasticSearchやRedisなどについてのガイドも提供されています。
・Orchestrator管理者のためのミドルウェア運用設定ガイド Ⅱ ~Elastic Stack, HAA/Redis, Load Balancer 編~
UiPathのナレッジベースには、この他にも有用な情報がたくさん載っているので、一度見てみるとよいかもしれません。